仕事術

マルチタスクの正体とは?あなたの脳を破壊する、仕事に非効率な理由

マルチタスク があなたの脳を破壊する!仕事に効率的ではない理由とは

次々と来るメールへの対応、社内チャットへの返事やFacebookの新着情報通知、仕上げたい事業計画・・・。

忙しくなると、ついついマルチタスクで同時にこなそうとしていませんか?

マルチタスク(Multi Task)とは、コンピュータ用語で「同時に複数の仕事をする」という意味で、マルチタスキング(Multi Tasking)とも言います。

複数の作業を同時にこなすマルチタスク能力には、仕事ができるイメージがあります。“できる” ビジネスパーソンの必須能力のようにも感じます。

一見効率よく仕事ができそうに感じるマルチタスクですが、実は非効率だったりします。複数の作業を同時にこなすことを習慣的に続けていると、脳を破壊する恐れだってあります。

なぜ、マルチタスクは非効率なのでしょうか? マルチタスクの正体についてお話しします。

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マルチタスクの正体とは?

一見、同時に複数の作業を処理しているように感じるマルチタスクは、実は脳のスイッチを高速で切り替えているだけです。

米Entrepreneurの記事では、『SINGLE TASK』の著者デヴォラ・ザック氏の意見が紹介されています。

「みなさんがマルチタスクと呼んでいるものは、神経科学者の言うところのタスク・スイッチングです。(2つを同時に考えているのではなく)複数のタスクを短時間で行き来しているのです」
参考サイト:https://www.entrepreneur.com/article/247833

ザック氏は、タスク・スイッチングは生産性を40%も低下させるだけでなく、脳が収縮する原因になると指摘しています。短時間に高速でスイッチを切り替えようとすると「脳がオーバーロードし、脳内の灰白質が収縮する」と言っています。

マルチタスクは効率が悪い

ある研究によると、仕事を切り替えるために余分にかかる時間は、単純な仕事の場合だと25%かそれ以下、複雑な仕事では100%かそれ以上の増加が必要との報告があります。

例えるなら、小さな机の上で積み木をするようなものです。

積み木ができるスペースは限られているので、別の積み木をするのなら、今まで積み上げた積み木は一旦崩す必要があります。元の積み木に戻りたいなら、今積み上げた積み木を崩して、再び積み直すことになります。

これらを繰り返していると考えれば、時間ロスが生まれることも納得ですよね。

脳のイラスト

なぜマルチタスクをしようとしてしまう?

一般的にマルチタスクと呼ばれているものは、効率が良さそうに感じますよね。そう感じてしまうのは、僕たちは普段から多くの場面で2つ以上のことを同時にしているからです。

  • 歩きながら携帯電話で話す
  • 音楽を聴きながら掃除をする
  • テレビを見ながら食事をする
  • 車を運転しながら隣りの人と会話をする・・・

「だったら仕事だって、同時に2つ以上のことをした方が効率的なのでは?」と考えてしまうのは、すごく自然なことですよね。

ですが、上の例にあげたのは、仕事に関するマルチタスクではありません。普段の生活でなにげなく同時にやっているのは、片方が無意識でできる習慣化された運動です。

習慣化された運動は、おもに小脳(脳の後ろに位置する部位)が司って、自動操縦をしてくれます。歩く時に、いちいち「右足を前に出して、左足を前に出して・・・」と考えなくてもいいのは、小脳が自動操縦をしてくれているからです。

歯を磨く時にも「前歯を磨いて、次は右下奥歯、次は・・・」と考えなくてもできるのは、歯磨きが習慣化された運動だからです。“体が覚えている” というやつですね。

だからこそ、車の運転に慣れているドライバーは、運転しながら隣りの人との会話が楽しめるんですね。

脳はひとつのことしか集中できない

そもそも人間の脳は、ひとつのことにしか集中できないという特性を持っています。

同時に2つのことを考えることはできません。例えば数を数えながら同時に複雑な計算問題を解こうとすると、どちらかがストップしてしまいます。

車の運転に慣れていない初心者ドライバーは、まだ “体が覚えていない” ために、隣りの人と楽しい会話をする余裕がないはずです。また、車の運転に慣れているドライバーであったとしても、内容の難しい話には対応しづらくなるはずです。

どんな時にマルチタスクをする?

集中できずに気が散っている時には、ついつい他のことを考えて、マルチタスク(タスク・スイッチング)をしようとしてしまいます。

それは、脳が新しい刺激を好むからです。

新しい小さなタスク(課題)を刺激に感じることで、報酬予感ホルモンであるドーパミンが分泌されます。脳はドーパミンが欲しくて、新しい小さなタスクに気が向いてしまいます。

つまりマルチタスクをすると、「仕事をこなしている」という錯覚に似た満足感を味わって、気持ちよくなってしまうんですね。脳はこの快感を味わいたくて、小さなタスクを達成するために、次々とマルチタスクをしようとします。

マルチタスクは小さな満足感を味わいたがる

タスク・スイッチングはすぐに疲れる

脳はたくさんのエネルギーを使います。

体重の2%ほどの重量(成人男性⇒約1400g、成人女性⇒約1250g)に対して、全身の20%ものエネルギーを消費します。短時間に高速でスイッチを切り替えていたら、すぐにエネルギーを使い切って疲れてしまうんですね。

そして、残されたタスクは常に「未達成」の状態です。未達成のことは気になるというツァイガルニク効果のとおり、常に気になった状態が続きます。

タスク・スイッチングのループ

気になった状態が続くと、ますます気が散りやすくなります。

  1. 多くのタスク(課題)を同時に抱えていると、他のタスクも気になった状態になる
  2. 他のタスクが気になると、集中できずに気が散る
  3. 気が散ると、他のタスクに手を出すことで得られる達成感を味わいたくなる
  4. 小さな達成感は味わうが、タスク自体がなくなったわけではない
  5. 1に戻る

という、マルチタスク(タスク・スイッチング)のループにはまってしまいます。

常に気になった状態が続くと、やがてストレスに変わります。

認知症のリスクさえあるマルチタスク

ストレスが溜まると、ストレスホルモンであるアドレナリンや、コルチゾールが分泌されます。

コルチゾールは、おもにストレスと低血糖に反応して分泌されます。

コルチゾールが長時間に渡って分泌されると、高血糖によって血液悪化、動脈硬化、糖尿病の原因になります。また免疫力の低下、良質な睡眠の妨げ、無気力・無関心、記憶を司る海馬の萎縮、脳の早期老化を引き起こします。
参照サイト:コルチゾールの働き

そのため、習慣的にマルチタスク(タスク・スイッチング)をしていると、認知症のリスクが上がるとも言われています。

マルチタスクはIQを低下させる

ロンドン大学精神医学学科の研究チームの発表では、「メールや電話で集中力を妨げられたビジネスパーソンのIQは低下し、その数値はマリファナを吸引した時の約2倍低下している」という研究報告がされています。

スタンフォード大学での調査研究によると、マルチタスク(タスク・スイッチング)をこなす学生は、マルチタスクをしない生徒と比べて、全ての評価基準で成績が下回ったというデータを発表しています。

思考をタスク・スイッチングしていると、

  • 「あれ、さっき調べたいと思ったキーワードってなんだっけ?」
  • 「この資料のポイントってどこに書いてあったっけ?」

なんてことがありませんか?

結局時間がかかったり、考えがまとまらなくなるのは、タスク・スイッチングの効率の悪さが原因なんですね。

まとめ

マルチタスク(タスク・スイッチング)とは、脳のスイッチを高速で切り替えて、エネルギーを無駄に消費する行動です。

マルチタスクをすると小さな満足感を味わうことができますが、すればするほど集中できなくなり、疲れやすくなり、イライラしやすくなり、判断力は低下し、生産性が下がります。

良いことなんてひとつもないんですね。

もしもタスク・スイッチングをする癖がついていたら、次の方法でやめるように気をつけてみてください。
Next⇒「仕事効率を今すぐアップ!簡単にできる9つの方法

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