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ニューロ・ロジカル・レベルの使い方|会話・恋愛・褒め方・叱り方

2020-10-05

ニューロ・ロジカル・レベルの使い方|会話・恋愛・褒め方・叱り方

NLP開発の元となったニューロ・ロジカル・レベルの使い方がわかれば、話し下手な人が会話上手になり、相手と仲良くなることができます。

この記事では、コーチやカウンセラーも使う、ニューロ・ロジカル・レベルを使った

  • 親友レベルになれる会話術
  • 恋愛にも使える効果的な褒め方
  • ダメージを残さない的確な叱り方

について解説します。

もしもあなたが「初対面の人と会話がうまく続かない・・・」「上手な褒め方・叱り方を知りたい・・・」といった悩みがある場合は、この記事を参考にしてみてください。

この記事は次の2つの記事を読んだ前提で話を進めますので、もしもまだ読んでいない場合は、先に読まれることをおすすめします。

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ニューロ・ロジカル・レベルの使い方|コミュニケーションの基本

まずは前回の記事でお伝えした、ニューロ・ロジカル・レベルの特徴のまとめです。

ニューロ・ロジカル・レベルの特徴

ニューロロジカルレベルの特徴

ニューロ・ロジカル・レベル

  1. スピリチュアル:自分以外の大きな存在
  2. アイデンティティ:自分のミッション
  3. 信念・価値観:自分が大切にしている考え方
  4. 能力:自分の才能やリソース
  5. 行動:自分の活動
  6. 環境:自分の周りの状況

ニューロ・ロジカル・レベルには、次のような特徴があります。

  • 上の階層ほど:無意識的・主観的・抽象的・本質的
  • 下の階層ほど:意識的・客観的・具体的・現象的

他人とコミュニケーションを図る時には、このニューロ・ロジカル・レベルの特徴を「自分と他人の視点」で表現すると、使い方が分かりやすくなると思います。

次のような図で表せます。

ニューロ・ロジカル・レベルと「ジョハリの窓」的視点

ニューロ・ロジカル・レベルと「自分と他人の視点」

下の『環境レベル』に行くほど「自分が自覚しやすい情報・他人が知りやすい情報」であり、上の『アイデンティティレベル(スピリチュアルレベル)』に行くほど「自分が自覚しにくい情報・他人が知りにくい情報」を表しています。

この時点で疑問を持たれた場合は、下の記事で理由を確認してみてください。

コミュニケーションのポイント

この「自分と他人の視点」から導く、ニューロ・ロジカル・レベルを使ったコミュニケーションのポイントは、次の2点です。

コミュニケーションのポイント

  1. 仲良くなるためには「上の階層」の会話をすること
  2. 初対面の人とは「下の階層」の会話から始めること

順番に解説していきます。

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1. 仲良くなるためには「上の階層」の会話をすること

仲良くなるには「上の階層」がゴール

仲良くなるには「上の階層」がゴール

コミュニケーションの目的のひとつは相互理解です。

あなたや相手が感じる「私のことを理解してほしい」という承認欲求や、「相手のことを理解したい」という親和欲求を満たすためには、ニューロ・ロジカル・レベルの上の階層の会話が大切です。

『上の階層』の会話とは、『アイデンティティレベル』『信念・価値観レベル』の理解です。

なぜなら、上の階層ほど個人を表す本質的な情報であり、自分が自覚しにくく、他人も知りにくい情報だからです。

ですので、自分の信念・価値観を相手に理解してもらうと、「私が気づいていないような内面まで分かってもらえた!」という嬉しい気持ちになり、さらに相手の信念・価値観を理解できると「仲良くなれた!」と感じるようになります。

いきなり『信念・価値観レベル』の話はNG

ただし、あまり親しくない人と、いきなり上の階層の意識レベルから会話を始めようとすると、警戒されたり壁を作られる危険性があります。

例えば、次のようなトピックです。

  • トラウマを持ってますか?
  • 生きがいは何ですか?
  • どんな宗教観を持っていますか?

あなたがこんな質問をいきなりぶつけられたとしたら、きっと「他人の心に土足で入ってくる人だなぁ・・・」という苦手意識が芽生えるのではないでしょうか?

自分の本質を表す信念・価値観とは、「好き・嫌い」の基準を表す概念です。「なぜ好きなのか?」「なぜ嫌いなのか?」という理由は、親しい人以外には話したくない内容が絡んでくる可能性があるんですね。

例えば、家庭の事情やコンプレックス・性癖なんかは、初対面の人には話しづらいと思います。

しかも、上の階層ほど無意識的であり、抽象的な概念です。そのため、本人が自覚していなかったり、うまく言葉にして表現できない可能性もあるわけです。

ですので『信念・価値観レベル』のトピックをいきなりぶつけると、コミュニケーションが失敗に終わる危険があるんですね。

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2. 初対面の人とは「下の階層」の会話から始めること

初対面の人との会話は「下の階層」からスタート

初対面の人との会話は「下の階層」からスタート

ニューロ・ロジカル・レベルを「自分と他人の視点」で見てみると、初対面の人と会話を始める際には、下の階層から始めた方がコミュニケーションが取りやすいことがわかります。

『下の階層』の会話とは、『環境/行動レベル』のトピックです。

なぜなら、個人を表す現象的な周辺情報は普段から自覚しやすく、具体的に表現しやすく、オープンにしやすい情報なので、相手もあなたも答えやすいからです。

例えば、

  • 今日はいい天気ですね
  • どちらから来られたんですか?
  • どんなお仕事をされてるんですか?

のような会話です。

はじめて行った美容室なんかは、まさにこんな会話からスタートしますよね。当たり障りのない世間話ですが、この『環境/行動レベル』の話題からはじめることでお互いが答えやすい会話になります。

『環境/行動レベル』の話題とは

会話で使う『環境/行動レベル』の情報とは、「どこで・いつ・何をする?」を表す次のような客観性の高いトピックです。

今日の天気・世間で話題のニュースや映画・テレビ番組・住所・仕事・出身地・よく行く街・好きなもの・趣味など

徐々に『能力レベル』の会話をすると理解が深まる

『環境/行動レベル』からはじめた会話は、徐々に『能力レベル』の情報に移行すると、コミュニケーションがスムーズに進みます。

『環境/行動レベル』の会話は、上の階層の『能力レベル』に行くためと言ってもいいかもしれません。

『能力レベル』の話題とは

会話で使う『能力レベル』の情報とは、「どのくらい?」を表す次のようなトピックです。『環境/行動レベル』の深掘りと考えればわかりやすいと思います。

仕事の内容・好きなものの度合い・趣味にハマってる度合い・こだわりなど

コミュ障はニューロ・ロジカル・レベルをコントロールできていない

ちなみに、コミュニケーションが下手な人は、ニューロ・ロジカル・レベルの順番をコントロールできていない傾向があります。

いきなり『信念・価値観レベル』の会話をしようとする人は「距離感がわからない人」ですし、『環境/行動レベル』の会話しかしない人は「話がつまらない人」になります。

例えば、

:出身地はどのあたりですか?(環境レベル)
:東北です
:冬は雪がかなり積もる地方ですか?(環境レベル)
:そうです、雪かきが大変なところです
:じゃあ、電車も雪で止まったりするんですか?(環境レベル)
:東京に比べたら、止まりますね
:きっと車移動も大変ですよね(行動レベル)
:真冬はそうですね
:僕の出身は南の方なので、雪は降らないんですよ(環境レベル)
:そうなんですか
:だから車移動は楽なんです(行動レベル)

こんな会話が続いたら、もはや地獄ですよね。

『環境/行動レベル』は個人を表す周辺情報に過ぎないので、本質の理解を深めることができません。ですので『環境/行動レベル』の話しかしないと、実のない会話になるんですね。

逆に言えば、仲良くなりたくない人とは『環境/行動レベル』の会話に留めておけば良いとも言えます。

コミュニケーションの応用1|親友レベルになれる会話術

コミュニケーションの応用1|親友レベルになれる会話術

ニューロ・ロジカル・レベルの使い方の基本がわかれば、親友レベルになれる会話術を身につけることができます。

その方法は、会話の内容をニューロ・ロジカル・レベルの下の階層から徐々に上の階層へと移行して、最終的に信念・価値観が生まれた頃の話をすることです。

信念・価値観は幼少期の頃に形成されることが多いので、「どんな子ども時代を送ったのか?」という昔話をすることで打ち解けることができます。

例えば、次のような感じです。

:出身地はどのあたりですか?(環境レベル)
:東北です
:冬は雪がかなり積もる地方ですか?(環境レベル)
:そうです、雪かきが大変なところです
:じゃあ、子供の頃はスキーしまくりでしたか?(行動レベル)
:そうですね、地元じゃ普通かもしれないですけど
:運動神経はいい方ですか?(能力レベル)
:そうでもないですよ
:じゃあ文科系ですか?(能力レベル)
:そうですね、本を読むのが好きです
:どんな本が好きなんですか?(能力レベル)
:ミステリーなんかが好きです
:謎解きするのが好きなんですね(信念・価値観レベル)
:そうですね、黙々と本を読んでました
:じゃあ、子ども時代はわりと大人しい方でしたか?(信念・価値観レベル)
:そうなんです、1人でいることが好きでした
:1人って、いろいろと想像したり考え事ができていいですよね(理解)

実際はもっと長い会話が必要ですが、こんなふうに子ども時代の話を引き出して、相手の信念・価値観への理解を示します。あなた自身の信念・価値観も打ち明ければ、お互いに理解が深まった感覚になれます。

相手が自分の話をあまりしないタイプの場合は、あなたの方から自分の信念・価値観を打ち明けることで、相手の話を引き出しやすくできます。

これは返報性の原理と呼ばれる人間の心理です。

さらに相手が自覚していないような『アイデンティティレベル』『スピリチュアルレベル』の話までできれば、もっと仲を深めることができます。

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コミュニケーションの応用2|恋愛にも使える効果的な褒め方

コミュニケーションの応用2|恋愛にも使える効果的な褒め方

ニューロ・ロジカル・レベルを理解すれば、恋愛でも有効な褒め方をすることができます。

その方法は、できるだけ上の階層の『アイデンティティレベル』『信念・価値観レベル』について褒めることです。

なぜなら上の階層の意識レベルほど、個人を表す本質的な情報だからです。

効果的に褒める例え

例えば、あなたが次のような褒め方をされた場合、『信念・価値観』や『アイデンティティ』を褒められた方が嬉しく感じるのではないでしょうか?

  • あなたが持ってる服ってオシャレだね(環境)
  • あなたが着てる服ってオシャレだね(行動)
  • あなたのコーディネートってオシャレだね(能力)
  • あなたはオシャレの感度が高いね(信念・価値観)
  • あなたは美的センスがあるね(アイデンティティ)

持ち物や環境を褒められるより、自分自身を褒められた方が嬉しいですよね。それが『信念・価値観』や『アイデンティティ』なんですね。

仕事を褒める場合にも、結果をただ褒めるよりも、人間性を絡めて褒めた方が効果的だということです。

恋愛の場合でも、例えば食事中に意中の人がお茶を入れてくれたなら、「お茶を入れてくれてありがとう」だけではなく、「◯◯さんは気が利くね」と一言添えると好感を抱いてもらいやすくなります。

コミュニケーションの応用3|ダメージを残さない的確な叱り方

コミュニケーションの応用3|ダメージを残さない的確な叱り方

効果的な褒め方がわかれば、効果的な叱り方もわかります。

その方法は、ニューロ・ロジカル・レベルのできるだけ下の階層の『環境レベル』『行動レベル』を叱ることです。

なぜなら下の階層の意識レベルほど、個人を表す現象的な情報だからです。「自分の人間性が悪い」のではなく、「自分の行動や環境が悪い」と感じることでダメージが少なくなるということです。

効果的に叱る例え

例えば、あなたが次のような叱り方をされた場合、『環境』や『行動』を叱られた方がダメージが少なくて済むのではないでしょうか?

  • 遅刻するなんて、お前はバカか!(アイデンティティ)
  • 遅刻するなんて、いい加減な人間だな!(信念・価値観)
  • 遅刻するなんて、ちゃんと急いだのか?(能力)
  • 遅刻するなんて、時間どおりに家を出たのか?(行動)
  • 遅刻するなんて、時計が壊れてたのか?(環境)

『環境/行動レベル』で叱ると具体的な情報になり、改善の方法がわかりやすくなるメリットもあります。

たまに何でもかんでも『アイデンティティレベル』で叱る人がいますが、これはただ相手の人間性を否定しているだけで、何の改善もできず、ただ相手を傷つけるだけなんですね。

ですので、何が悪かったのかを自覚させるためにも、叱るなら『環境レベル』『行動レベル』にすることが大切です。

▼売る商品より大事なもの▼ウェブセールスライティング習得ハンドブックcp-b

まとめ

以上、コミュニケーションにおける、ニューロ・ロジカル・レベルの使い方を解説しました。

相手と仲良くなるためには相互理解が必要です。お互いの『信念・価値観レベル』『アイデンティティレベル』の情報をオープンにして、理解しあえることが大切です。

初対面の人と仲を深めるためには、まずは『環境/行動レベル』の話題から始めるようにします。最終的に、信念・価値観が生まれた子供の頃の話ができれば親近感を抱くことができます。

効果的に褒めるには、相手の信念・価値観やアイデンティティを褒めるようにします。そうすれば、相手はあなたに好感を抱いてくれやすくなります。

効果的に叱るには、相手の環境や行動を叱るようにします。そうすれば、相手はダメージが残りにくく、改善しやすくなります。

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  • この記事を書いた人

高木浩一

心理学と脳科学が好きなマーケティング・Web集客の専門家/解脱しかけのゲダツニスト/ 大企業のマジメな広告デザインから男性を欲情させるアダルティな広告デザインまで、幅広い分野を経験した元グラフィックデザイナー。心理面をカバーしたマーケティングとデザインの両方の視点をもつ。個人が個人として活躍する時代に向けて「使えるマーケティング」をモットーに情報発信中。

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