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承認欲求がない人になる3つの方法|自由になるアドラー心理学の教え

2018-09-18

承認欲求がない人になる3つの方法|自由になるアドラー心理学の教え

もしもあなたが、「人に嫌われるのが怖い」「好かれたい」「褒められたい」といった気持ちが強いのであれば、承認欲求はなくした方が幸せになれるかもしれません。

精神科医であり心理学者のアルフレッド・アドラー氏は、自身が提唱した個人心理学(アドラー心理学)の中で、人が幸せに生きるためには承認欲求は不要だと説いています。

なぜならアドラー氏は、承認欲求とは他人の期待に応えることであり、他人の期待に応え続けることは自己否定につながり、不自由な人生を送ることになると考えたからです。

アドラー氏が使う「承認欲求」とは、マズローの欲求5段階説での「他者承認欲求」の意味。

つまり、他者承認欲求がない人の方が、自由で幸せな人生を歩めるということですね。

この記事では、承認欲求(他者承認欲求)をなくして自由に生きるために

  1. 自分の世界に生きる勇気を持つ
  2. ありのままの自分を受け入れる勇気を持つ
  3. 普通でいる勇気を持つ

この3つについて解説します。

自分の人生を自由に生きるために役立ててください。

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承認欲求がない人の特徴とは

承認欲求がない人の特徴

承認欲求(他者承認欲求)がない人とは、次のような特徴を持つ人のことです。

  • 他人からどう思われるのかが気にならない
  • 自分の好き嫌いを基準にしてモノゴトを選択できる
  • 流行に踊らされない
  • 他人の意見に縛られない
  • 自分の失敗を他人のせいにしない
  • 他人に褒めてもらわなくても自己満足できる

承認欲求がなくなれば、他者からの評価に依存することがなくなります。

他者の言動に悩まされることがなくなれば、自分の人生を自分の意思で歩んでいる感覚を持つことができます。自分の価値基準でモノゴトを選択できることで、自分への信頼度が高まります。

また、自分の基準で選んだ行動に対して責任を持つことができますので、たとえ失敗しても他人のせいにすることがなく、成功すれば心からの満足感を味わえるようになります。

このような自由な人生を歩むためには、次に解説する3つの勇気を持つことを心がけてみてください。

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承認欲求をなくす方法 1. 自分の世界に生きる勇気を持つ

自分の世界で生きる勇気を持つ

承認欲求をなくして幸せな人生を手に入れるためには、自分の世界に生きる勇気を持つことが大切です。

なぜなら、「人に嫌われたくない」「好かれたい」という思いから他人の期待に応えようとすると、自分を裏切り、他人をも裏切ることになってしまうからです。

他人の期待に応え続けることは、他人の世界に生きるようなものです。ですが、他人の世界はあくまで他人の世界です。あなたが幸せになれる世界ではありません。

他人の承認を得る人生が不自由な例え

例えば、サッカーが大好きな少年Aくんがいたとします。将来はプロサッカー選手になって、日本代表で活躍したい夢を持っています。

ところがお父さんは、「サッカーよりも野球をやってみたらどうだ? お父さんは甲子園に行けなかったけど、お前なら行けるかもしれないぞ」と、自分が叶わなかった夢を押し付けようとします。

さらにお母さんは、「スポーツで成功できる人なんて才能のある一握りの人だけよ。将来は資格を持った仕事につけるように勉強をしなさい。それがあなたのためよ」と、勉強をさせようとします。

両親が大好きなAくんは、両親を困らせたくない思いから、自分の将来を迷ってしまいました。

誰かの期待に応えることは誰かを裏切ることになる

この場合、どちらの期待に応えるにしても、Aくんはサッカー選手の夢を捨てることになってしまいますよね。しかも、どちらかの期待に応えようとすると、どちらかの期待を裏切ってしまうことになります。

このように、他人の承認を得ようとすることは、自分を裏切り、他人をも裏切ることになってしまうんですね。

課題の分離が重要

アドラー氏は、人が幸せに生きるためには「課題の分離」が重要であり、他人の課題に踏み込むことが不幸の始まりだと説いています。

課題の分離とは、アドラー心理学の中心となる考え方で、「自分の課題と他人の課題を切り分けて考える」というものです。

「最終的な責任は誰が負うのか?」を考えることで、課題を分離します。

課題の分離の例え

先ほどの例えを使えば、サッカーを練習してサッカー選手になれるかどうかは、Aくんの課題であり責任です。

ですので両親は、Aくんの課題に介入して、Aくんの行動や思考をコントロールしようとするべきではないということです。

お父さんが甲子園に行けなかったのは、お父さんの課題であり責任です。それを押し付けるのは、Aくんの課題への介入です。

お母さんが「Aくんには勉強してほしい」と願う気持ちは、お母さんの課題です。ですが、Aくんがその願いを聞き入れるかどうかはAくんの課題であり、Aくんの人生に責任を持てるのはAくんだけです。

ですので、たとえAくんが聞き入れなかったとしても、責任が取れないお母さんはその答えに介入するべきではありません。

「説得したのにわかってくれない・・・」という悩みは、他人をコントロールして自分を満足させることしか考えていない証拠なんですね。

さらに、両親がガッカリするかどうかは、両親の課題であり責任です。Aくんは両親の課題に介入するべきではありません。Aくんは両親の承認を気にせずに、自分の信じた道をひたすら進めば良いということです。

課題の分離とは相手を尊重し合うこと

課題の分離の理解が曖昧だと、「思いやりのない自分勝手な考え方だな・・・」と感じるかもしれません。ですが、正しい『課題の分離』は、お互いを尊重し合う行為の入り口です。

相手の課題に介入しなければ、問題はシンプルに扱うことができるんですね。

大切なことは、「他者からの評価を気にして他者に気に入られることではなく、自分がこれからどうしたいのか」です。

そして、他者からの評価を気にしないためには、ありのままの自分を受け入れることが大切になります。

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承認欲求をなくす方法 2. ありのままの自分を受け入れる勇気を持つ

ありのままの自分を受け入れる勇気を持つ

「褒められたい」という承認欲求をなくすためには、ありのままの自分を受け入れる勇気を持つことが大切です。

ありのままの自分とは、例えば「運動神経が良い」「コミュニケーション能力が高い」といったポジディブに感じる面だけではなく、「背が低い」「仕事の成績が悪い」といったネガディブに感じる面も含めて自分を受け入れることです。

アドラー氏はこれを「自己受容」と呼びました。

自己受容が大切な理由は、承認欲求とは、ありのままの自分を受け入れられない「劣等感」から始まるからです。

承認欲求が生まれる流れ

  1. 劣等感を感じる
  2. 優越性を求める
  3. 優越感に浸るために他人に承認を求める

承認欲求の元になる劣等感とは?

アドラー氏は、「劣等性」「劣等感」「劣等コンプレックス」という3つの言葉を使い分けています。

まずはじめに劣等性とは、例えば “平均よりも身長が低い” “Bさんよりも成績が悪い” といった、事実として劣っている性質のことです。

劣等感とは、この事実を理由に「自分は劣っている」と積極的に思い込むことです。人と比べて優劣を意識することで生まれます。身長が低いことや成績が悪いことを、個性と捉えるか「劣っている」と感じるかどうかは受け止め方次第です。

劣等コンプレックスとは、この劣等感を理由に「・・・だからオレはモテない」「・・・だから私は成功しない」といった、自分を変えるための努力を放棄することです。

「◯◯だから、△△できないはず」という思い込みの文脈です。

劣等感は誰にでもある

そもそも僕たちは、生まれてから成長する過程の中で、自然と劣等感を抱くようになっています。

例えば小さい頃には、お父さんと腕相撲をしても絶対に勝つことはできません。走っても負けますし、知識量だって敵いません。何をしたって大人には負けるんですから、「自分は非力だ」という劣等感を抱くのは当たり前のことなんですね。

また成長過程で、劣っていることを叱られたり笑われたりすれば、『劣っている=悪いこと』『劣っている=恥ずかしいこと』といった信念・価値観が生まれやすくなります。

人は優越性の追求をする

人間は誰しも、「できないことをできるようになりたい」という有能への欲求を持っています。アドラー氏はこれを「優越性の追求」と呼びました。

劣等感は時に、優越性を追求する原動力になります。

例えば、「オレはBさんよりも成績が悪い。・・・悔しいから、一生懸命勉強してやる!」という、努力へのやる気に火をつけます。ですので、アドラー氏も指摘していますが、劣等感自体は悪いものではありません。

そして健全な劣等感とは、「他人との比較」ではなく「理想の自分との比較」から生まれるものとしています。

優越感の思い込み

一方で、劣等コンプレックスの文脈は、「◯◯だったら、△△できるはず」という架空の優越感の思い込みも生まれます。

例えば、“学歴が低い” といった劣等感から、「オレに学歴さえあれば、Bさんよりも認められるはず!」というような架空の優越感が生まれます。

「褒められたい」承認欲求は劣等感の現れ

劣等感を抱いた人が、努力をすることなく架空の優越性を追求した場合は、あたかも自分が優れているように見せかけて、偽りの優越感に浸ろうとします。

アドラー氏はこれを「優越コンプレックス」と呼びました。

承認欲求とは?強い人に潜む5つの欲求と特徴・原因・対処法』の記事でも触れたような、過去の栄光やステータスをアピールしたり、ブランド品を身につけることで承認欲求を満たそうとする行為です。

「褒められたい」という気持ちは、自分自身が抱いた「劣っている」という気持ちをなくしたい思いから生まれる感情なんですね。

ですので「褒められたい」という承認欲求をなくすためには、劣等性を素直に受け止めて「劣っているところがあっても別にいいんじゃない?」と感じる自己受容が大切なんですね。

この自己受容を育てるためには、普通でいる勇気を持つことが大切になります。

承認欲求をなくす方法 3. 普通でいる勇気を持つ

普通でいる勇気を持つ

劣等コンプレックスや優越コンプレックスに陥らないようにして、承認欲求をなくすためには、普通でいる勇気を持つことが大切です。

自分の存在価値を見出す際には、他人より優れている必要も、他人より目立つ必要も、特別な存在である必要もないということです。

自分の存在価値を見出すためには、他人からの評価に頼るのではなく、自分の内側から感じれば良いんですね。

承認欲求をなくすライフスタイルの転換

承認欲求をなくし、普通でいる勇気を持つためには、今までの性格や価値観を変える必要があります。例えば、ついつい自分をよく見せようとする癖や、人の目を気にしてしまうといった性格のことです。

アドラー氏はこのような性格や価値観のことを、ライフスタイルと呼びました。多くの人が持つ「性格や価値観は変えられない」というイメージを払拭するためです。

次の3つの固定観念を変えることが、ライフスタイルを変えることになります。つまりは、承認欲求をなくすことにつながります。

  1. 自己概念を変える
  2. 世界像を変える
  3. 理想自己を変える

1. 自己概念を変える

自己概念とは、「私は◯◯である」という固定観念です。

例えば、

  • 「私は話がつまらない」
  • 「私は能力がない」
  • 「私は人から好かれない」

といった、自分自身に対する思い込みです。

この自己概念は、あなたの過去に基づいた経験則かもしれません。ですが、ただの思い過ごしかもしれませんし、あなたの未来とは無関係です。

人と比べて優劣をつけた自己概念になっていませんか?

もしも劣等感が含まれているのなら、「私は◯◯だったかもしれない。だけど、今日からは違うかもしれない」という意識を持ってみてください。

2. 世界像を変える

世界像とは、「世の中の人たちは◯◯である」という固定観念です。

例えば、

  • 「世の中の人たちは学歴で人を評価する」
  • 「世の中の人たちは能力のない人間を相手にしない」
  • 「世の中の人たちは魅力のない人間を嫌う」

といった、世間に対する思い込みです。

この世界像も、あなたの過去に基づいた狭い範囲の経験則であり、全ての世界に共通する概念ではないことに気づく必要があります。

優劣を基準にした思い込みで世界像を作っていませんか?

もしも劣等感が含まれているのなら、「世の中の人たちは◯◯であるかもしれないし、違うかもしれない」という意識を持ってみてください。

3. 理想自己を変える

理想自己とは、「・・・だから、私は◯◯であらねばならない」という固定観念です。

例えば、

  • 「私は話がつまらない。だから、私は人と接する仕事を避けなければならない」
  • 「私は能力がない。だから、私は目立ってはいけない」

といった、自分の未来に対する思い込みです。

この理想自己も、誤った自己概念に基づいた思い込みである可能性があります。

思い込みの強い理想自己に囚われていませんか?

もしも劣等感が含まれているのなら、「私は◯◯かもしれないけど、私は△△である必要はない」という意識を持ってみてください。

3つの勇気を持ってライフスタイルを変えることができれば、承認欲求をなくすことができます。

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アドラー心理学の理解を深める本『嫌われる勇気』

「課題の分離」を実践して、自分に自信を持つためには、アドラー心理学が提唱する『共同体感覚』を身につける必要があります。

共同体感覚とは、無条件で他者を仲間だと感じ、そこに自分の居場所があると感じることです。アドラー氏は、承認欲求ではなく他者貢献が重要であり、貢献感を持つことが人が幸せになる唯一の方法だと説いています。

2013年に発売された『嫌われる勇気』は、人生に悩んだ一般の青年が、アドラー心理学を実践する哲学者に質問をする会話形式で進むストーリーの書籍です。

アドラー心理学は一般的な考え方とはかなり異なりますので、一般人である青年の目線でストーリーを読み進めることで、理解しやすくなると思います。

承認欲求と自己肯定感の共通点

承認欲求がない人の特徴は、自己肯定感が高い人の特徴と似ています。

自己肯定感とは、どんな状態の自分でもオッケーを出せる感覚のことです。人生の幸福度にもっとも関係している感覚です。

自己肯定感が高い人は、自分で自分の価値を肯定することができます。ですので「承認欲求がない人」とも言えます。自己肯定感が高い人は、常に幸せを選択できる特徴があります。

一方で、自己肯定感が低い人は、他人との比較で自分の価値を肯定しようとします。ですので、常に他人の目が気になる「承認欲求が強い人」とも言えます。自己肯定感が低い人は、常に不幸を選択してしまう特徴があります。

つまり、承認欲求をなくして自由に生きることは、自己肯定感を高めて幸せを感じることにつながるんですね。自己肯定感についてあまり知らなかった場合は、ぜひ次の記事を読んでみてください。

まとめ

承認欲求は、自分に自信をつけるために、他人から良く見られたいと感じる欲求です。自分に自信をつけたい理由は、自分が人と比べて劣っていると感じるからです。劣っていると承認されないと感じるからです。

ですがアドラー氏に言わせると、自分に自信を持つことに承認欲求(他者承認)は不要です。

承認欲求をなくしたいと感じたなら、次の3つの勇気を持つことを心がけてみてください。

  1. 自分の世界に生きる勇気
  2. ありのままの自分を受け入れる勇気
  3. 普通でいる勇気

この3つの勇気を持つためには、ライフスタイルを変えることが重要です。

あなたはどんなライフスタイルを持っていましたか? もしも劣等感が含まれた思い込みがあるようなら、固定観念を取り外してみてください。

固定観念を取り外すには潜在意識レベルで価値観を変える必要がありますが、承認欲求をなくせば自己肯定感が高くなりやすく、人生を幸せに導くことができます。

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  • この記事を書いた人

高木浩一

心理学と脳科学が好きなマーケティング・Web集客の専門家/解脱しかけのゲダツニスト/ 大企業のマジメな広告デザインから男性を欲情させるアダルティな広告デザインまで、幅広い分野を経験した元グラフィックデザイナー。心理面をカバーしたマーケティングとデザインの両方の視点をもつ。個人が個人として活躍する時代に向けて「使えるマーケティング」をモットーに情報発信中。

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