自分が抱いた感情や自分の価値を肯定できるなら、自己肯定感が高い状態だと言えます。自己肯定感が高い人は、幸福度が高い傾向があります。
なぜなら自己肯定感が高い人は、常に幸せであることを選択できて、人生をどんどん好転させることができるからです。一方の自己肯定感が低い人は、自ら不幸であることを選択して、人生をなかなか変えられない傾向があります。
この記事では、自己肯定感が高い人の特徴を解説します。
自己肯定感が高いと、人生や幸福度にどのような影響を与えるのかを確認してみてください。
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自己肯定感が高い人の7つの特徴
自己肯定感が高い人とは、自分が抱いた感情や自分の存在価値を積極的に肯定できる人のことです。自分で自分の価値を肯定できるので、他人からの評価を気にしないでいられます。
自己肯定感が高い人には、次のような特徴が表れます。
ぜひ「自己肯定感が低い人の7つの特徴」と比較してみてください。自己肯定感が高い人は、常に幸せを選択していることがわかると思います。
自己肯定感が高い人の7つの特徴
- モノゴトを素直に受け入れられる
- モノゴトを肯定的に捉えられる
- 精神が安定している
- 積極的に行動できる
- 自分にも他人にも優しい
- 今日に集中して生きられる
- ストレスに晒されにくい
1. モノゴトを素直に受け入れられる
自己肯定感が高い人は、自分が抱いた感情を素直に受け入れることができます。楽しい時は素直に楽しみ、悲しい時は素直に悲しみ、悔しい時は素直に悔しがります。
ですので同じように、モノゴトも素直に受け入れられる特徴があります。
例えば、人から褒められたら素直に「ありがとう」と受け入れますし、失敗した時には自分の失敗を素直に認められます。
ミスした自分を認められるからこそ、他人からのアドバイスも素直に受け入れることができます。
2. モノゴトを肯定的に捉えられる
自己肯定感が高い人は、自分の感情や存在価値を肯定的に受け入れることができます。ですので同じように、モノゴトも肯定的に捉えられる特徴があります。
例えば、他人の長所を見つけやすく、アイデアが思い浮かんだら成功の可能性に注目できます。
たとえ何かにチャレンジして失敗したとしても成功の糧だと感じ、問題が起きても即座に解決策を講じることができます。
3. 精神的に安定している
自己肯定感が高い人は、どんな自分でも価値があることを認識できるので、自分への信頼度が高く、精神的に安定している特徴があります。
自分への信頼度が高いと、他人の意見に流されたり、環境の変化で自分の姿勢が変わることがありません。例えば、昇格したら急にエラそうになったり、降格したら急にヘコヘコするようなことはありません。
また精神的な安定は、生きることが楽しいことだと実感できます。そのため、ツラいことがあっても必要以上に落ち込むことはありません。
このような姿は周りからすると、堂々として自信があるように映ります。
4. 積極的に行動できる
自己肯定感が高い人は、失敗した自分を受け入れることができるので、不安や失敗を恐れずに積極的に行動できる特徴があります。
また、自分を大切にできますので、自分の意見をストレートに伝えることができます。
他人の意見に流されることなく主体性を持って生きることができますので、自分の人生は自分で決めている感覚を持つことができます。
5. 自分にも他人にも優しい
自己肯定感が高い人は、自分にも他人にも優しくなれる特徴があります。
どんな自分でも大切な存在であることを認識できるからこそ、他人も同じように、無条件に大切な存在だという認識ができるからです。
他人が大切な存在だと認識できるので、たとえ自分と他人の意見が違ったとしても、他人の意見を尊重することができます。
そのためコミュニケーションがうまく運びやすく、良好な人間関係が築けます。他人が成功した時には、自分が成功した時と同じように手放しで喜ぶことができます。
6. 今日に集中して生きられる
自己肯定感が高い人は、未来の目標や希望に向かって今日を集中して生きられる特徴があります。
失敗を素直に受け入れられるので、すぐに改善に向けての行動へと切り替えることができるからです。過去の失敗をいつまでも引きずって、クヨクヨしたりはしません。
希望ある未来のために今日を生きられるからこそ、集中して目の前のモノゴトに取り組むことができます。
7. ストレスに晒されにくい
ここまで紹介した6つの特徴をまとめてみると、自己肯定感が高い人は余計なストレスに晒されにくいことがわかると思います。
ストレスは細胞に影響を与え、うつやアレルギー発症の原因にもなるとされています。ですので自己肯定感が高い人は、精神的にも肉体的にも健康状態になりやすいと言えるんですね。
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自己肯定感が高い人は『私はOK・あなたもOK』な状態
自己肯定感が高い人と低い人の違いは、交流分析という心理療法にある「ライフポジション」を使って説明すると分かりやすいと思います。
ライフポジションとは、自分と他人との関わり方を4つのポジションで表した概念です。
ライフポジション
- 私はOK・あなたもOK
- 私はOK・あはたはOKじゃない
- 私はOKじゃない・あなたはOK
- 私はOKじゃない・あなたもOKじゃない
自己肯定感が高い人とは、『私はOK・あなたもOK』な人です。
自己肯定感が高い人は、自己受容と他者受容を同時にできる人
『私はOK・あなたもOK』とは、「自分の能力や価値観を認められるし、他人の能力や価値観も認められる」という状態にある人のことです。
つまり、自己受容と他者受容を同時にできることが、自己肯定感が高い状態だということです。
一方で、『私はOK・あなたもOK』以外の3タイプは、自分を認めることができても他人を認められなかったり、他人を認めることができても自分を認められない状態の人です。自己受容と他者受容を同時にできないんですね。
これは自己肯定感が低い状態だと言えます。
自己肯定感が高い人は人口の10%?
ライフポジションでは『私はOK・あなたもOK』な人は、社会全体の10%ほどだとされています。
ライフポジションと自己肯定感を同一視すれば、自己肯定感が高い人は世の中に少ししかいないことになります。
あなたの周りには、自己肯定感が高いと感じる人はどれくらいいますか? おそらく数える程度ではないでしょうか。ちなみに僕の場合は、尊敬する友人のTくんぐらいしか思い浮かびません。
もちろん程度の差はありますが、世の中のほとんどは自己肯定感が低い人なんですね。自己肯定感が高い人は、希少な存在とも言えます。
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自己肯定感が高い人の原動力は「愛」
自己肯定感が高い人の特徴を突き詰めると、「愛」が原動力となって積極的に行動できることが分かります。
「愛」とは、自分や他人への信頼・感謝・尊敬・貢献のことです。
- モノゴトを肯定的に捉えられるのは、自分を信頼できるから
- 失敗を恐れずに積極的に行動できるのは、自分を信頼できるから
- 他人に無条件で優しくなれるのは、他人を尊敬できるから
- 非難されても成功のアドバイスだと捉えられるのは、他人に感謝できるから
自分を愛し、他人も愛せるから、このような特徴が表れるんですね。
先ほど紹介したライフポジションの『私はOK・あなたもOK』も、「自分を愛する・他人も愛する」と言い換えることができます。
自己肯定感が高い人は、モノゴトの捉え方に歪みがない状態
認知心理学の分野では、「人は出来事によって反応(感情)が現れるのではなく、捉え方(認知)によって反応(感情)が現れる」とした理論があります。
これをABC理論といいますが、このABC理論を使えば、「愛」が原動力になっている状態とは、モノゴトの捉え方(認知)に歪みがない状態と言えます。
例えば、自己肯定感の高い人が《上司に褒められた》という出来事があった際に、《嬉しい》と反応できるのは、《上司が素直な気持ちを伝えてくれた》という捉え方(認知)ができるからです。
同じ出来事でも自己肯定感が低い人の場合は、《・・・もしかして嫌味か?》のように疑ってしまうことがあります。《上司はいつも嫌味を言う人間だから、今回も嫌味に違いない》というような捉え方(認知)をしてしまうからです。
不要にネガティブな感情を引き出す捉え方を、「認知の歪み」と言います。
つまり、自分や他人への愛(信頼・感謝・尊敬・貢献)があれば「認知の歪み」をすることなく、モノゴトを素直に捉えることができるんですね。
自己肯定感が高い人は自己実現欲求のステージに到達している人と似ている
自分も他人も愛せる人は、人間の欲求を5段階の階層で表した『マズローの欲求5段階説』でいうところの、自己実現欲求のステージに到達している人と通じる部分があります。
高次の欲求とされる自己実現欲求とは、「自分の才能を引き上げたい・自分の限界に挑戦してみたい」という、理想の自分を追求するステージです。
このステージに到達している人は、「誰かに認めてもらえないと自信が持てない」という承認欲求から解放された人であり、自分で自分を認められる、精神的に満たされた状態にある人です。
精神的に満たされた状態になると、他者への貢献にも目が向きます。
つまり、自己実現欲求のステージにいる人は、自分を信頼し、他人にも優しくなれる状態だということです。これまで解説してきた自己肯定感が高い人の特徴と、なんだか似ていますよね。
「自己肯定感が高い人はすべて自己実現欲求のステージにいる」というわけではありませんが、自分の理想を追求し、他人にも優しくなれる人は、自己肯定感が高い状態だと言えるんですね。
“自己肯定感が高すぎる” ように感じる「万能感」とは?
一見すると、“自己肯定感が高い人” と勘違いをする感覚に「万能感」があります。万能感とは、自分が何でもできるような気分に陥る感覚のことです。
「自分にはできる!」と信じられる、自己効力感が強くなったイメージです。
この万能感は、人生が順風満帆で何をやってもうまくいっている時などに訪れる “天狗” とも言える感覚です。言い換えれば、躁うつの “躁” 状態でもあります。
ただし、万能感は自己肯定感とは別物なので注意が必要です。
例えば、ビジネスで成功を収めた人や、スポーツを極めて絶頂期にいる選手が、自分を客観視することなく「私は神に選ばれた特別な人間だ!」というような感覚を持ったとしたら、万能感に陥っていると言えます。
万能感に陥ると喪失感に襲われる
万能感は自信に満ち溢れるため、自分自身や周りの人たちも “自己肯定感が高すぎる人” という感覚を持つかもしれません。ですが実際は、ポジティブが度を越しただけで、自己肯定感とは無関係です。
例えば、スポーツで大成功を収めた人は、年齢を重ねることでやがて肉体が衰えます。
現役引退後に生活が乱れたり、薬物に手を染める人がいるのは、絶頂期だった頃の「何でもできる感覚」を失ったことで起こる喪失感が原因の一つとして考えられるんですね。
本当に自己肯定感が高ければ、ビジネスやスポーツの成績が落ちたとしても喪失感に襲われることはなく、衰えた自分を受け入れることができます。ですので、自分への信頼度は大きく変わりません。
元メジャーリーガーのイチローさんは現役引退後、草野球デビューをされました。
肉体が衰えてピークの成績が残せなくても新たな舞台で野球に打ち込めるのは、衰えた自分を受け入れたうえで、最大限にやりたいことを選択できたからですよね。イチローさんの自己肯定感の高さを表すエピソードだと感じます。
万能感に陥らないためには客観視すること
自己肯定感は気分によっても、上がったり下がったりします。
ですので、「うまくいっている!」「何でもできそうな気がする!」という時こそ、自分を客観視することが大切です。なぜなら、自己肯定感が伴っていないと、思いどおりに行かなくなった時に大きなショックを受けることになるからです。
根拠のない自信を持つことは素晴らしいことですが、うまくいっている時こそ自分を客観視して、うまくいっている原因を冷静に分析することが大切なんですね。
そうすれば、万能感に魅入られることはありません。
自己肯定感が高い人の人生が幸せになる仕組み
自己肯定感が高い人の特徴を知ることで、人生がどのように変化しやすいかが分かりやすくなったと思います。
自己肯定感が高い人は、モノゴトに肯定的で、自分の価値を自分で見出せる人です。ですので、たとえ他人から批判的なことを言われたとしても、あまり気にしないでいられます。
行動の原動力が「愛」なので、たとえチャレンジに失敗しても、自分の存在を肯定することができます。そのため、積極的にモノゴトに取り組むことができます。
他人の失敗も許せるので、余計なストレスに晒されないでいられます。失敗を苦にせず、改善のためのアドバイスを素直に受け入れることができますので、どんどん目標達成をしやすくなります。
また、自己肯定感が低い人のような「幸せになるための条件」を設けませんので、いつでも幸せを感じることができます。
このように、「愛」をもって行動すると、人生は幸せに導かれるんですね。
まとめ
以上、自己肯定感が高い人の特徴を解説しました。
自己肯定感が高い状態の人は、素直・肯定的・精神的に安定・今日に集中できる・自分の人生を自分で決めている感覚を持っている特徴があります。
自分にも他人にも優しくなれて、積極的に行動できるのは、愛(信頼・感謝・尊敬・貢献)が原動力になっているからです。
愛を原動力にできれば、人生をどんどん好転させることができるんですね。
次の記事では、自己肯定感が低い人の特徴を解説しています。高い人との違いを比較してみて、なぜ人生が変わりにくいのかを確認してみてください。
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