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10大認知の歪み|自己肯定感を下げる思い込みをチェック!

2020-10-27

もしもあなたが自分のことが嫌いだったり、うつや不安、無気力など、心の問題を抱えているのであれば、認知の歪みが原因かもしれません。

「認知の歪み」はあなたの魅力を引き下げ、自己否定や自己嫌悪を招き、自己肯定感を下げやすくします。

この記事では、

  • 認知の歪みとは何か?
  • 自己肯定感を下げる思い込み「10大認知の歪み」

を解説します。

この記事で解説する「10大認知の歪み」で、あなたが自己肯定感の下がりやすい思考パターンを持っていないかどうかをチェックしてみてください。

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認知の歪みとは

認知の歪みとは

「認知の歪み」とは、モノゴトの捉え方が不合理(非論理的)な思考パターンのことです。

認知療法の分野で生まれた言葉で、自己嫌悪・罪悪感・怒り・うつ・不安・無気力など、ツラい感情を不必要に生み出す原因になります。

認知療法とは、「認知」の仕方を変えることで心の問題解消を目指す心理療法です。

認知とは、知覚から解釈までの過程のこと

「認知」とは、それが何であるかを判断したり解釈したりする過程のことです。

例えば、タコを食べたことがある日本人であれば、タコを見れば「たこ焼きやお寿司になる食材」と認知しますが、タコの存在を全く知らない外国人がタコを見れば「なんて気持ち悪い見た目の生き物なんだ!こんな生き物を食べるなんて信じられない!」といった認知をします。

つまり、どんな知識・経験があるのか、どう捉えるのかで認知は変わるということです。

認知の歪みで感情が歪む

人は出来事によって反応(感情)が現れるのではなく、捉え方(信念)によって反応(感情)が現れるとした理論があります。

ABC理論

ABC理論

これは論理療法の中核的なABC理論ですが、認知療法でも同じように表現します。

「信念」を「認知」に置き換えて、捉え方(認知)に歪みがあれば、反応(感情)に歪みが生じるということです。

認知療法の場合は、下の図のように「捉え方(認知)」の部分がちょっと複雑になりますが、意味合いはABC理論と同じです。

認知療法での捉え方(認知)の概念

認知療法での捉え方(認知)の概念

認知療法での「認知」の補足

  • 自動思考:無意識に浮かぶ習慣的な思考
  • スキーマ:経験や知識で形成された信念・価値観

出来事はスキーマというフィルターをとおすことで、ある自動思考が浮かぶ。この自動思考によって、反応(感情・思考・行動)が現れる。

例えば、ビジネスの場面で上司から難しい仕事を振られた際に、「上司は私を嫌っているに違いない」というスキーマがあれば、「この仕事は嫌がらせだ」という自動思考が浮かび、「意地悪をされてムカつく・・・」のような感情が現れます。

たまたま難しい仕事を振られただけかもしれないのに、認知の仕方によって不必要に不快な感情が現れたことになります。

現状の自分・他人や社会・未来の自分に対して歪んだ思い込みがあると、無駄にツラい感情を抱いたり、自己肯定感を下げたり、心の病気を患ってしまうことになるんですね。

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【10大認知の歪み】自己肯定感を下げる思い込み

「認知の歪み」の概念は、うつ病の認知療法の創始者である、アメリカの精神科医アーロン・T・ベック(Aaron Temkin Beck)氏によって築かれました。

ベック氏の研究は、弟子であるデビッド・D・バーンズ(David D. Burns)氏が引き継ぎ、代表的な認知の歪みが次の10パターンに分類されました。

10大認知の歪み

  1. 全か無か思考
    モノゴトを両極端に分けて決めつける
  2. 一般化のしすぎ
    わずかな事例だけで「全部同じ」と決めつける
  3. 心のフィルター
    良い面を無視して、悪い面だけを捉える
  4. マイナス化思考
    どんな出来事でも「悪い出来事」にすり替える
  5. 結論への飛躍
    薄い根拠を元にネガティブな結論に飛躍する
  6. 拡大解釈と過小評価
    自分の失敗は大きく、自分の成功は小さく捉える
  7. 感情的決めつけ
    感情を根拠にモノゴトを決めつける
  8. すべき思考
    自分の信念から外れることを許さない
  9. レッテル貼り
    間違った認知に基づいて人間性を決めつける
  10. 個人化
    ネガティブな出来事を自分のせいにする

では次に、それぞれの認知の歪みを解説していきます。

認知の歪みは口癖にも現れますので、あなたの口癖が自己肯定感を下げる口癖になっていないかをチェックしてみてください。

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認知の歪み 1. 全か無か思考(all-or-nothing thinking)

全か無か思考(all-or-nothing thinking)

「全か無か思考」とは、モノゴトを両極端に分けて評価する考え方のことです。白か黒か、100%か0%かといった感じで、モノゴトを二者択一的に分けて考えます。

例えば、健康のために毎日ジョギングすることを目標にしたけど、たった1日サボっただけで「もう失敗した・・・」と感じてしまう思考です。

全か無か思考の例え

  • テストで100点取れなかったら、0点と一緒だ
  • フロントの対応がイマイチだったから、このホテルは最悪だ
  • トップになれないなら、努力しても無駄だ

完璧主義者に多い思考パターン

「ひとつでもミスがあれば全てが台無しになる」と感じてしまうのは、完璧主義者に多い思考パターンです。ちょっとしたミスでも恐れるのは、“完璧でなければ価値がない” という思い込みがあるからです。

ただし、この世には完璧なものなど存在しません。

ですので、モノゴトを両極端に捉えると、いつも憂鬱な気分になるしかありません。他人に対してはストレスを抱えやすくなり、自分に対しては自己否定をしやすくなり、自己肯定感を下げることになります。

口癖のチェック

  • 「完全に◯◯」
  • 「◯◯するのは絶対に無駄」

のような、極端に表現して決めつける口癖がある人は、「全か無か思考」の注意が必要かもしれません。

認知の歪み 2. 一般化のしすぎ(overgeneralization)

一般化のしすぎ(overgeneralization)

「一般化のしすぎ」とは、わずかな事例だけで「全部同じ」と決めつける考え方のことです。1つや2つの経験だけで、この先も同じパターンが繰り返されると思い込みます。

例えば、たった1回フラれただけで、「この先もフラれ続けて、一生恋人ができない・・・」と感じてしまう思考です。

一般化のしすぎの例え

  • 美人の恋人に浮気された。美人は男を裏切るんだ
  • 道を尋ねた警官の感じが悪かった。警官なんてこんな奴らばかりに違いない
  • 面接に落ちた。もう二度と面接なんて受けたくない

拒絶の恐怖からくる思考パターン

「一般化のしすぎ」は、“拒絶されたくない” という拒絶を恐れる心理が影響しています。たった1回でも傷ついたことで同じ目に合うのが怖いから、自分の方から拒絶します。

ですが、1つや2つのネガティブな事例をとってこの先も同じ結果が起こると思い込むと、苦手意識が芽生えます。

苦手な分野が増え続けると「何もできない私はダメだ・・・」と自己否定をしやすくなり、自己肯定感を下げることになります。

口癖のチェック

  • 「みんな◯◯に違いない」
  • 「二度と◯◯したくない」

のような、全てを一括りにして決めつける口癖がある人は、「一般化のしすぎ」の注意が必要かもしれません。

認知の歪み 3. 心のフィルター(mental filter)

心のフィルター(mental filter)

「心のフィルター」とは、良い面を無視して悪い面だけを捉える考え方のことです。いろんな情報があるにも関わらず、ネガティブな情報だけを抽出して、頭の中がネガティブに染まります。

例えば、学生時代を振り返った時に、楽しかった思い出もあるはずなのにツラかった思い出だけをピックアップして、「学生時代は地獄だった・・・」と感じてしまう思考です。

まるで “負の探知機” のようなこの思い込みは、臨床心理学では「選択的抽象化」と呼ばれます。

心のフィルターの例え

  • テストで80点だった。20点も間違えたからもうダメだ
  • この部屋はゴミが1つ落ちていた。だからこの部屋は汚い
  • いろんな人に褒められたけど、1人のマイナス評価が気になって仕方ない

傷つきたくない恐怖に染まった思考パターン

「心のフィルター」も、傷つく恐怖から身を守ろうとする思考パターンです。無意識でネガティブな情報を探し出して、「ほらな、やっぱりネガティブがあったぞ」とネガティブを発見して、殻に閉じこもることで恐怖を遠ざけようとします。

モノゴトには、良い面もあれば悪い面もあります。それなのにネガティブな情報ばかりに注目すると無用の苦痛を引き起こし、自己肯定感を下げることになります。

口癖のチェック

  • 「◯◯が気になって仕方ない」
  • 「◯◯しか思い出せない」

のような、ネガティブな要素ばかりを取り上げる口癖がある人は、「心のフィルター」の注意が必要かもしれません。

認知の歪み 4. マイナス化思考(disqualifying the positive)

マイナス化思考(disqualifying the positive)

「マイナス化思考」とは、どんな出来事でも「悪い出来事」にすり替えてしまう考え方のことです。ポジティブな出来事を無視するだけではなく、ポジティブな出来事をネガティブに解釈します。

例えば、上司に仕事を褒めてもらった際に「誰でもできる仕事をしただけなのに、嫌味のつもりかな・・・」と、素直に受け取れない思考です。

マイナス化思考の例え

  • 友達が心配してくれたけど、どうせ社交辞令だろう
  • 最近順調な気がするが、これは悪いことが起こる前触れかもしれない
  • 「がんばれ」と励まされた。普段はサボってると思われているようだ

自分を低く評価する人に多い思考パターン

常にネガティブな解釈をする「マイナス化思考」は、自分を低く評価する人に多い思考パターンです。

良い出来事を素直に受け入れることができないのは、「私は評価されるような人間ではない」「私は幸せになってはいけない」といったネガティブな強迫観念があるからです。

うつ病患者を励ましてはいけないと言われることがあるのは、どんなにポジティブな言葉をかけてもネガティブに変換してしまうからなんですね。

ネガティブ解釈に囚われると人生が寂しいものに映り、自己肯定感を下げます。

口癖のチェック

  • 「そんなのは誰だってできる」
  • 「大したことじゃない」

のような、謙遜が自己卑下に聞こえる口癖がある人は、「マイナス化思考」の注意が必要かもしれません。

認知の歪み 5. 結論への飛躍(jumping to conclusions)

結論への飛躍(jumping to conclusions)

「結論への飛躍」とは、薄い根拠を元にネガティブな結論に飛躍する考え方のことです。

結論の飛躍には、次の2つのパターンがあります。

  • 心の読みすぎ(mind reading)
  • 先読みの誤り(the fortune teller error)

心の読みすぎ(mind reading)

「心の読みすぎ」は、他人の断片的な言動からネガティブな結論を出す考え方のことです。他人の言動の理由を確認することなく、自分勝手にネガティブな断定をします。

例えば、上司に挨拶しても返事がなかったことから、「私は嫌われたに違いない・・・」と早合点して結論づける思考です。

たまたま自分の声が小さくて聞こえなかったかもしれないことや、たまたま上司が考え事をしていて気づかなかったかもしれない可能性を無視します。

先読みの誤り(the fortune teller error)

「先読みの誤り」は、未確定な未来をネガティブに予想する考え方のことです。誰にもわかるはずがない未来のことを、自分勝手にネガティブに断定します。

例えば、「私は不幸な生活から一生抜け出せない・・・」と、自分勝手にネガティブな未来を結論づける思考です。

現状から未来を予測したつもりでも、ポジティブな未来を一切無視した結論に飛躍します。

結論への飛躍の例え

  • 好きな人にメールしたら返事がなかった。嫌われたに違いない
  • 好きな人にメールしたいけど、何度もメールしたら嫌われるに違いない
  • 地球温暖化って、地球滅亡のカウントダウンじゃないか

ネガティブなフィルターがかかってる思考パターン

ネガティブな結論に飛躍してしまうのは、ネガティブなフィルターがかかっているからです。ポジティブな未来を期待して裏切られたらショックが大きくなるのが怖いので、ネガティブな想像しかできなくなります。

ですが、悪くなる未来しか想像できないと、人生を無駄に暗いものにしてしまいます。人生が暗いものに映れば、自己肯定感が下がりやすくなります。

口癖のチェック

  • 「◯◯に違いない」
  • 「◯◯なはず」

のような、ネガティブに対する決めつけの口癖がある人は、「結論への飛躍」の注意が必要かもしれません。

認知の歪み 6. 拡大解釈と過小評価(magnification and minimization)

拡大解釈と過小評価(magnification and minimization)

「拡大解釈と過小評価」とは、自分の失敗や短所は必要以上に大きく捉えて、自分の成功や長所は必要以上に小さく捉える考え方のことです。逆に、他人の失敗は小さく評価して、他人の成功を大きく評価することもあります。

例えば、小さなミスでも「私はなんてダメな人間なんだ・・・」と激しく落ち込んでしまう思考です。

拡大解釈と過小評価の例え

  • 自分には人に自慢できるような特技は何もない
  • 私の失敗に比べれば、キミの失敗なんて大したことないよ
  • 成功できたのは運が良かっただけ。失敗こそが実力だ

自信の無さが現れる思考パターン

「拡大解釈と過小評価」は、自信の無さが拡大された思考パターンです。または「自信を持ってはいけない」という強迫観念があることで、自分を小さく見せようとします。ネガティブな結果のショックを最小限に抑えるためです。

あるいは、日本人的な謙虚さが極端に現れた思い込みとも言えます。日本では「自分に厳しく、他人に寛容であることは素晴らしい」とされる価値観があるからです。

ですが、自分を小さく見せることがクセになると、積極的に行動できなくなります。積極性を欠くと人生が受け身になり、自己肯定感を下げやすくします。

口癖のチェック

  • 「自分には何もない」
  • 「◯◯もできない・・・」

のような、自己卑下的な口癖がある人は、「拡大解釈と過小評価」の注意が必要かもしれません。

認知の歪み 7. 感情的決めつけ(emotional reasoning)

感情的決めつけ(emotional reasoning)

「感情的決めつけ」とは、感情を根拠にモノゴトを決めつける考え方のことです。論理的に考えることなく、自分が抱いた感情が真実を証明する何よりの証拠だと考えます。

例えば、「こんなにイライラするのは、アイツがとんでもなく悪いことをした証拠だ!」と、自分の感情を理由にモノゴトを断定する思考です。

感情的決めつけの例え

  • あの人と会うとツラくなる。きっと別れた方がいいサインだ
  • なんだか罪悪感があるのは、私が罪を犯してるからなんだろう
  • もう何もしたくない。こんなに無気力なのは、私がダメ人間の証拠だ

感情に支配された思考パターン

激しく怒った時や、激しく悲しんだ時など、感情が思考を支配すると理性的でいられなくなり、「感情的決めつけ」をしやすくなります。

発汗や動悸など、体に起こる反応には理由がありますが、その理由を頭脳は正しく読み取ることができません。

例えば、恐怖でドキドキしたにも関わらず、近くに異性がいればその人が好きでドキドキしたと勘違いしてしまうようにです。

ABC理論のとおり、感情は考え(信念)の反映であり、考え(信念)が間違っていれば感情は間違ってしまいます。ですので、自分の感情を根拠にして出来事の真実を探ろうとすると、真実ではない答えを正しいと思い込んでしまうことがあります。

口癖のチェック

  • 「そう感じるから、絶対に◯◯だ」
  • 「そう感じるから、◯◯に決まってる」

のような、感情を基準にした柔軟性のない口癖がある人は、「感情的決めつけ」の注意が必要かもしれません。

「感情的決めつけ」は先延ばしを生み出す

バーンズ氏は、「感情的決めつけ」は先延ばしを生み出すと述べています。

例えば、「気分が乗らないから今日は掃除をしたくない」という考えでは、いつまでたっても掃除ができなくなるからです。気分を無視してほんのちょっと動けばいいだけなのに、「感情的決めつけ」をしてしまうと、時間という資産を無駄にしてしまうことになるんですね。

先延ばしを悔やむと自己否定をしやすくなり、自己肯定感を下げます。

ちなみに、先延ばしを解決するには5秒ルールが最適です。

認知の歪み 8. すべき思考(should statements)

すべき思考(should statements)

「すべき思考」とは、自分の信念(価値観)から外れることを許さない考え方のことです。「◯◯するべき」「◯◯しなければならない」といったテンプレートを設けて、自分自身や他人を縛りつけます。

例えば、「私は失敗してはいけない」と自分を追い込んで、信念から外れると、自己嫌悪・罪悪感・恥・怒りといったネガティブな感情が生まれます。

すべき思考の例え

  • 私は被害者なんだから、もっと気遣われるべきだ
  • 先生は全生徒に対して公平でなければならない
  • 居酒屋での1発目のドリンクオーダーはビールが常識だ

自分の信念が正義だと思い込む思考パターン

「すべき思考」は、自分の持っている信念や常識こそが一般的であり、唯一の正義だと考えてしまう思考パターンです。柔軟的に考えられず、独りよがりになることで認知の歪みが起こります。

「◯◯して当然だ」のような考え方を自分に向けるとプレッシャーになり、自分自身を追い詰めることになります。また、思いどおりの行動をしても自分を褒めることができずに、自己肯定感を上げることが難しくなります。

他人に向けた場合は、ほぼストレスしか生みません。

なぜなら、世界が自分の思いどおりに動くことはほぼないため、自分で勝手にガッカリすることになるからです。さらに、他人が思いどおりの行動をしても、感謝ができない体質になります。

口癖のチェック

  • 「常識で考えれば」
  • 「◯◯は当たり前だ」

のような、一般論を持ち出して自分の意見を正当化する口癖がある人は、「すべき思考」の注意が必要かもしれません。

認知の歪み 9. レッテル貼り(labeling and mislabeling)

レッテル貼り(labeling and mislabeling)

「レッテル貼り」とは、間違った認知に基づいて人間性を決めつける考え方のことです。1つや2つの事例だけで抽象化した人間性のイメージを作り、そのイメージで評価します。

例えば、「私は人前に出ると緊張して話せなくなる。私はなにもできない人間だ・・・」と、人前で緊張する事例をとって、自分に対して “なにもできない人間” というレッテルを貼ります。

レッテル貼りの例え

  • 私は給料が低い。無能人間だからだ
  • あの人はよく渋谷で遊ぶらしい。ということは、遊び人なんだな
  • ドラマで描かれる医者はたいてい金に汚い。きっと本物の医者も金の亡者だ

一般化のしすぎの人物バージョンの思考パターン

「レッテル貼り」は、少ない事例を元に結論をパターン化させる「一般化のしすぎ」の人物バージョンと言えます。ただし、自分や他人のイメージを単純に決めつけようとしても、たいていの場合は正しく単純化できません。

なぜなら、意識レベルの特徴を解説した記事でもお伝えしていますが、ある人の状況や行動を示す情報は、その人の人間性(アイデンティティ)を表す一部分でしかないからです。

例えば、「Aさんが仕事をミスした」という一部分の情報だけをとって、「Aさんは失敗人間だ」と、Aさんの人間性を決めつけるのは論理的ではないということです。

思考や行動や結果は、状況によって変化するものです。それなのに、一部分の情報を元に他人にネガティブなレッテルを貼るのは、ただ敵意を示すようなものなんですね。

また、自分へのネガティブなレッテル貼りは、自己破壊的な暗示をかけることになります。自分で作った自己イメージに、自ら縛られてしまうからです。

口癖のチェック

  • 「私は◯◯だ」
  • 「あの人は◯◯だ」

のような、自分や他人を単純化して表現する口癖がある人は、「レッテル貼り」の注意が必要かもしれません。

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認知の歪み 10. 個人化(personalization)

個人化(personalization)

「個人化」とは、ネガティブな出来事を理由もなく自分のせいにしてしまう考え方のことです。自分に無関係なことまで自分に関連づけて、罪悪感を抱きます。

例えば、「プレゼンのコンペで不採用になったのは、私のサポートがチームの役に立たなかったからだ・・・」と、チーム全体の問題を自分のせいにしてしまう思考です。

個人化の例え

  • 子供の成績が悪いのは、母親である私のせいだ
  • 私が「あの店に入ろう」と言ったせいで、家族が食中毒になってしまった
  • 友達が離婚したのは、私がうまく間に入ってあげられなかったからだ

責任感が強すぎる思考パターン

「個人化」は、責任感が強すぎるために起こる自己否定の思考パターンです。他人に対する『影響』と『操作』を混同してしまうために、認知の歪みが起こります。

人は他人に対して、何かしらの影響を与えています。

ですが、その影響力をもって他人を操作しているわけではありません。それなのに、自分の影響力が他人の行動を決定しているように思い込んでしまうと、「私が悪いんだ・・・」と自己否定をすることになります。

何でもかんでも自分の責任だと感じると、無駄に傷つくことになり、自己肯定感を下げます。

口癖のチェック

  • 「全部、私が悪いんだ」
  • 「私があの時◯◯していれば・・・」

のような、自分を悔やむ口癖がある人は、「個人化」の注意が必要かもしれません。

個人化の逆パターンは「責任転嫁」

ちなみに、個人化の逆パターンは「責任転嫁」です。自分の責任を他者のせいにして、責任逃れをします。

例えば、「私のプレゼンが失敗したのは、会場の雰囲気が悪かったせいだ」と、自分の問題を自分以外のせいにしてしまう思考です。

「私は完璧な人間だ」「私は失敗してはいけない」のような認知の歪みが強いと、責任転嫁することで自分を守ろうとします。

認知の歪みを改善するおすすめ本

もしもあなたが、うつや無気力などで苦しんでいるのなら、認知行動療法のパイオニアでもあるデビッド・D・バーンズ氏の著書『いやな気分よ、さようなら』がおすすめです。

こちらの本は、アメリカで300万部を超えるベストセラーとなり、「うつ病のバイブル」と言われている一冊です。

バイブル的存在なのは、本書を読んだことで、うつ病に悩む70%の人が4週間以内に症状が改善し、3年後も良い状態が維持しているという、すごい実績を持っているからです。

一点、この本のハードルが高く感じるのは、専門性と有益性が高いがゆえに、容量が700ページを超えることです。

本の分厚さに圧倒されて「読み進めるのがツラい・・・」と感じてしまう恐れがある場合は、コンパクト版をおすすめします。(それでも488ページもある専門書です)

まとめ

以上、自己肯定感を下げる思い込み「10大認知の歪み」を紹介しました。

10大認知の歪み

  1. 全か無か思考
  2. 一般化のしすぎ
  3. 心のフィルター
  4. マイナス化思考
  5. 結論への飛躍
  6. 拡大解釈と過小評価
  7. 感情的決めつけ
  8. すべき思考
  9. レッテル貼り
  10. 個人化

近年では、「認知の歪み」という考え方は古くなってきているようです。なぜなら、認知の仕方には正解がなく、「歪み」と定義する根拠がないからです。

認知とは、人それぞれの個性とも言えるんですね。

とは言え、認知によって苦しみが生まれることは事実です。「認知の歪み」という言葉を使い続けるかどうかは置いておいて、認知によって生まれる苦しみをなくすためには、自分がどのような思考パターンを持っているのかを自覚することが大切です。

自覚できれば、合理的な認知に正すことができます。

合理的な認知ができれば自己肯定感を上げることにつながりますので、「10大認知の歪み」のリストから、あなたがどんな思い込みの傾向があるのかを確認してみてください。

参考:
wikipedia/認知
wikipedia/認知の歪み
『いやな気分よ、さようなら』

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  • この記事を書いた人

高木浩一

心理学と脳科学が好きなマーケティング・Web集客の専門家/解脱しかけのゲダツニスト/ 大企業のマジメな広告デザインから男性を欲情させるアダルティな広告デザインまで、幅広い分野を経験した元グラフィックデザイナー。心理面をカバーしたマーケティングとデザインの両方の視点をもつ。個人が個人として活躍する時代に向けて「使えるマーケティング」をモットーに情報発信中。

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