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プルチックの感情の輪|人間の感情は色で分類すると関連性がわかる?

2017-10-28

プルチックの 感情の輪

人間の感情の分類は、色の分類と似ている。このような考えで作られたのが、人間の感情を色相環のように分類した「プルチックの感情の輪」です。

色は基本となる「赤・青・黄」の三原色から、いろいろな色を作り出すことができます。

プルチックの感情の輪も、基本となる8つの感情から、感情同士が混ざり合うことでいろいろな感情が誕生すると考えられました。

例えば、アイスランドブルー、アカプルコブルー、アミーゴブルーなど、特定の色に名前を付ければ何色でも増やせるように、感情を細分化して名前をつければ、1000種類でも2000種類でも感情は作り出せる可能性があるということです。

感情の輪は、感情同士の関連性がわかりやすいので、人の気持ちを理解するのに役立ちます。

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プルチックの感情の輪

感情の輪(Wheel of Emotions)とは、感情の分類について、1980年にアメリカの心理学者ロバート・プルチック(Robert Plutchik)氏が提唱した、円すいを逆さまにしたような色彩立体の感情モデルです。

下図の大きな花びらのような形は、三次元の色彩立体の感情モデルを展開した様子です。

プルチックの感情の輪

プルチックの感情の輪

プルチック氏は、人間にも動物にも共通する8つの基本感情(純粋感情)を一次感情として、2つの基本感情から生まれる混合感情を人間特有の二次感情としました。

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人間の8大感情:8つの基本的な感情(純粋感情)

8つの基本感情とは、『喜び・信頼・恐れ・驚き・悲しみ・嫌悪・怒り・期待』です。

喜び
joy
希望が達成された時や、優しさを感じた時の爽やかな気持ち
信頼
trust
心配することなく、信じて安心できる気持ち
恐れ
fear
害悪や危険な事柄に対して逃避したいと感じる気持ち
驚き
surprise
予期しない事象を体験した時の瞬間的な感情
悲しみ
sadness
物事がうまくいかなかった時や、大切なものを失った時に感じる残念な気持ち
嫌悪
disgust
憎み嫌い、不快に感じる気持ち
怒り
anger
侮辱されたり傷つけられたりした時に起こる不愉快な気持ち
期待《予期》
anticipation
事柄が自分の思いどおりになることを望む気持ち

8つの基本感情は相互関係がある

8つの基本感情(純粋感情)は、それぞれ対になっています。

  • 喜び ⇔ 悲しみ
  • 信頼 ⇔ 嫌悪
  • 恐れ ⇔ 怒り
  • 驚き ⇔ 期待《予期》

対になっている感情同士は、簡単には移行しない様子を表しています。

例えば、悲しんでいる時には喜びの感情は現れにくく、嫌悪の感情を抱いている時には信頼する気持ちは現れません。

感情には強度差がある

感情にはそれぞれ強度差があり、色の濃淡で強さを表しています。プルチック氏は、感情にはグラデーションがあると考えたんですね。

  • 恍惚(ecstasy)> 喜び > 平穏(serenity)
  • 敬愛(adoration)> 信頼 > 容認(acceptance)
  • 恐怖(terror)> 恐れ > 不安(apprehension)
  • 驚嘆(amazement)> 驚き > 放心(distraction)
  • 悲嘆(grief)> 悲しみ > 哀愁(pensiveness)
  • 強い嫌悪(loathing)> 嫌悪 > うんざり(boredom)
  • 激怒(rage)> 怒り > 苛立ち(annoyance)
  • 警戒(vigilance)> 期待《予期》> 関心(interest)

感情の輪では、中央に向かうほど強くはっきりとした感情になることを表しています。また、輪の外側に向かうほど感情は弱くなり、隣り合う感情との違いがわかりにくくなる様子を表しています。

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基本感情の組み合わせで生まれる二次感情(混合感情)

プルチックの感情の輪では、隣り合う2つの基本感情が同時に起こった時には、人間特有の高度な感情である二次感情が生まれるとしています。

基本感情と隣り合う二次感情

基本感情と隣り合う二次感情


喜び+信頼
かわいがり、慈しみ、いたわりの気持ち
服従
信頼+恐れ
命令を受け入れ、素直に従う気持ち
畏怖
恐れ+驚き
おそれおののく気持ち
拒絶
驚き+悲しみ 
相手の頼みや要求を受け付けない気持ち
後悔
悲しみ+嫌悪
過去を振り返り、くよくよする気持ち
軽蔑
嫌悪+怒り 
卑しいもの、劣ったものとして相手を蔑む気持ち
攻撃
怒り+期待《予期》
敵意を持って相手を弱らせたい気持ち
楽観
期待《予期》+喜び
事態が好ましい状態に向かうだろうと気楽に感じる気持ち

一つおきの混合感情

感情の輪は、隣り同士の感情だけではなく、一つおきの感情でも混ざり合うとしています。

一つおきの混合感情

一つおきの混合感情

罪悪感
喜び+恐れ
悪いことをしたと感じて罪を償いたいという気持ち
好奇心
信頼+驚き
珍しいことや未知な物事に興味を持つ気持ち
絶望
恐れ+悲しみ
希望を全て失ってやる気がなくなる気持ち
憤慨
驚き+嫌悪
思いどおりにならないことに、ひどくイライラする気持ち
悲憤
悲しみ+怒り
悲しみといきどおりが混ざり合った気持ち
皮肉
嫌悪+期待《予期》
人を意地悪く、遠回しに非難したい気持ち
自尊心
怒り+喜び
自分の言動に自信を持ち、他からの干渉を排除したい気持ち
運命
期待《予期》+信頼
人間の意志を超えた天命に感じる気持ち

二つおきの混合感情

また、二つおきで感情が混ざり合うと、次のような感情が生まれるとしています。

二つおきの混合感情

二つおきの混合感情

感動
喜び+驚き 
ある物事に深い感銘を受けて心を奪われる気持ち
感傷
信頼+悲しみ
物事に感じて心を痛めたり同情したりする気持ち
恥辱
恐れ+嫌悪
名誉などが傷つけられて恥ずかしく感じる気持ち
憎悪
驚き+怒り
ひどく憎み嫌う気持ち
悲観
悲しみ+期待《予期》
物事を悪い方向に捉える失望の気持ち
不健全
嫌悪+喜び 
心の状態が歪んで、価値観に反することをしたいと感じる気持ち
優越
怒り+信頼
他人よりも優れていることに喜びを感じる自己肯定の気持ち
不安
期待《予期》+恐れ
良くないことが起こるのではと恐れる、落ち着かない気持ち

「感情の輪」の分類で見える人間の本能

プルチックの感情の輪を見てみれば、

  • 「喜び・信頼」は、ポジティブな感情
  • 「恐れ・悲しみ・嫌悪・怒り」は、ネガティブな感情
  • 「驚き・期待」は、まだどちらでもない感情

だと捉えることができます。

そう考えると僕たち人間の感情は、ポジティブよりもネガティブな感情の方が種類が多いことに気づきます。実際のところ、人はポジティブよりもネガティブに強く反応します。

人はポジティブよりもネガティブに反応しやすい

アメリカの社会神経学者ジョン・カシオッポ氏が行った、情報処理を司る大脳皮質での電気的活動を調べる実験によると、「ポジティブな刺激よりも、ネガティブな刺激の方が強く反応する」ことが明らかになりました。

また、行動経済学のプロスペクト理論では、人は「得をしたい」ことよりも「損をしたくない」ことを考える傾向が強いことが証明されています。

ネガティブこそ生きるためには必要な感情?

人がネガティブに反応しやすいのは、動物としての生存本能を考えれば当然かもしれません。

動物が生存するために一番重要なことは、危険を察知することです。

例えば、いくらお腹が空いたとしても、食べ物が安全かどうかは、匂いや味ですぐに察知しなければいけません。毒性のある匂いや味は、「嫌悪」という感情ですぐに遠ざけることができます。

外敵から身を守るためには、「恐怖」という感情で危険を回避できます。

「怒り」は外敵をやっつけるための原動力になります。

「悲しみ」は、動物にとってどのような役割があるのかはまだまだ研究中のようですが、好きなモノを失った代償として同じ過ちをしないための原動力になります。あるいは仲間同士の結束力を深めることに役立ちます。

このように、ネガティブな感情は動物として生存するための原動力になっているんですね。

ネガティブな感情をポジティブに変えるには

ネガティブな感情をポジティブに変えるためには、まずはその感情を和らげることが大切です。無理して楽しいことを考えたって、別の感情へはなかなか変わりません。

例えば、プルチックの感情の輪を見てみれば、大きな悲しみを伴っている時は、反対に位置する大きな喜び(恍惚・歓喜)の感情は現れにくいとしています。

失恋して失意のどん底でお笑い番組を見ても、いつものように素直に笑えなかったのは、こういった理由が考えられるんですね。

また、相手が激しい怒りや強い嫌悪感を伴っている時に何かを説得しようと試みても、相手からの信頼を得ることは難しいことがわかります。

色彩立体モデル

感情の色彩立体モデル

三次元の色彩立体モデルを見てもらえばわかるとおり、感情が弱まれば感情の色は薄くなり、他の感情の色へ移行しやすくなります。

ですのでネガティブな強い感情は、まずは和らげることを考えた方が良いんですね。

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まとめ

心理学者のプルチック氏は、人間の基本的な感情を『喜び・信頼・恐れ・驚き・悲しみ・嫌悪・怒り・期待』の8つとして分類し、感情同士は色相環のようにグラデーションで繋がっていると考えました。

プルチックの感情の輪を見ることで、感情同士の関係性が分かりやすくなります。

例えば、あなたが誰かを説得したいと考えた時には、まずは相手から信頼されることが大切です。そのためには、相手に怒りや嫌悪感を抱かせてはいけないことが分かります。

当たり前ではありますが、感情の輪を見ると分かりやすいですよね。

また信頼は、喜びや恐れの隣りに位置していることを考えれば、相手を楽しませたり不安を与えることが信頼につながることもわかります。不安を与えておいて安心させるのは、詐欺師やエセ占い師もよくやる手口ですよね。

人間の感情は、欲求とは切っても切り離せない大きな関係性があります。ですので、欲求についても知っておくと、自分や他人の感情を理解することに役立ちます。

次の記事では、人間にはどんな欲求があるのかを解説しています。
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  • この記事を書いた人

高木浩一

心理学と脳科学が好きなマーケティング・Web集客の専門家/解脱しかけのゲダツニスト/ 大企業のマジメな広告デザインから男性を欲情させるアダルティな広告デザインまで、幅広い分野を経験した元グラフィックデザイナー。心理面をカバーしたマーケティングとデザインの両方の視点をもつ。個人が個人として活躍する時代に向けて「使えるマーケティング」をモットーに情報発信中。

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