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人間の欲求は70種類?マレーの欲求リストでビジネスアイデアを生む

マレーの欲求リスト

人にはどんな種類の欲求があるのかを知っておけば、新しいビジネスアイデアを生み出すヒントになります。なぜなら、ビジネスとは人の欲求を満たすためにあるからです。

例えば、喉を潤すために飲み物を買う。気分転換したいから映画を観る。恋人が欲しいから出会いサービスを利用する。知識を得たいから本を買う・・・。これらは全て、欲求を満たすための行動ですよね。

では、人間の欲求とは何種類あるのでしょうか?

人間の欲求について学んでいくと、必ずたどり着く2人の心理学者がいます。人間の欲求を階層化したアブラハム・マズロー氏と、人間の欲求をリスト化したヘンリー・マレー氏です。

関連記事:マズローの欲求5段階説の解説とマーケティングで陥りやすいミス

この記事では、心理学者ヘンリー・マレー氏の39種類の欲求リストと、「マレーの欲求リスト」を細分化させた59種類の欲求リストをご紹介します。2つのリストを統合すると、合計70種類の欲求リストになります。

人間の欲求を網羅して、ビジネスアイデアを生み出すヒントにお役立てください。

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マレーの欲求リスト

アメリカの心理学者ヘンリー・マレー氏(Henry Alexander Murray)は、心理学史において初めて欲求のリスト化を行った人物です。

1938年に刊行された著書『Explorations in personality』では、人間全体の欲求を、13種類の「臓器発生的欲求」と、27種類の「心理発生的欲求」に分類しました。

  • 臓器発生的欲求:吸気欲求、食物欲求など、人間の臓器と直接関連する第一次的欲求
  • 心理発生的欲求:承認欲求、親和欲求など、臓器とは直接関連しない第二次的欲求

人間の個性はこれらの欲求の強弱で表現できるとして、「マレーの欲求リスト」は、多くの『性格診断テスト』のベースとなっています。

また、マレーの欲求の分類は、提唱後80年近く経った現在でも高く評価され、いろいろな心理学者が研究を続けています。その中で、臓器発生的欲求が11種類にまとめられたり、心理発生的欲求が28種類に増えたりと、様々なバージョンが存在しています。

ここでは、11種類の臓器発生的欲求と、28種類の心理発生的欲求をご紹介します。

11種類の臓器発生的欲求リスト(生理的欲求)

マレー氏は、人間の臓器によって発生する欲求を第一次的欲求として、「臓器発生的欲求」と名付けました。人間が生きていく上で必要な、体が求める欲求です。

一般的には「生理的欲求」と呼ばれます。

欠乏から摂取に導く欲求

  • 吸気欲求:酸素を求めたい
  • 飲水欲求:水を求めたい
  • 食物欲求:食べ物を求めたい
  • 感性欲求:身体的な感覚を求め、楽しみたい

膨張から排泄に導く欲求

  • 性的欲求:性的関係を結び、快楽を得たい
  • 授乳欲求:乳児への授乳をしたい
  • 呼気欲求:息を吐きたい
  • 排尿・排便欲求:尿や便の排泄をしたい

傷害から回避に導く欲求

  • 毒性回避欲求:有毒な刺激を回避して逃れたい
  • 暑熱・寒冷回避欲求:適正な体温を維持したい
  • 傷害回避欲求:痛みやケガ、病気や死を避けたい

28種類の心理発生的欲求リスト(社会的欲求)

マレー氏は、臓器のどの部分から発生するのか把握ができない欲求を第二次的欲求として、「心理発生的欲求」と名付けました。社会生活や人間関係において、心が求める欲求です。

一般的には「社会的欲求」と呼ばれます。

物質に関する欲求

  • 獲得欲求:お金や財産、いろいろなモノを手に入れたい
  • 保存欲求:モノを収集して、傷つけないように保存したい
  • 秩序欲求:モノを整理整頓して、キレイにしたい
  • 保持欲求:お金やモノをいつまでも持ち続けたい、手放したくない
  • 構成欲求:モノを組み立てて、築き上げたい

野心・向上心に関する欲求

  • 優越欲求:他人よりも優れていたい、社会的地位を向上させたい
  • 達成欲求:困難を乗り越えて成功したい、難しいことをうまくやりたい
  • 承認欲求:認められたい、自慢したい、尊敬されたい
  • 顕示欲求:他人の注意を引きたい、楽しませたり、感動やショックを与えたい

自己防衛・保身に関する欲求

  • 不可侵欲求:自尊心を傷つけないようにしたい、批判から逃れたい
  • 屈辱回避欲求:失敗して笑われたくない、屈辱や恥ずかしさを避けたい
  • 防衛欲求:非難や軽視から身を守りたい、言い訳をしてでも自分を正当化したい
  • 中和欲求:失敗をリベンジしたい、弱さを克服して名誉を守りたい

支配・権力に関する欲求

  • 支配欲求:他人をコントロールしたい、影響を与えたり、統率したい
  • 服従欲求:優秀な人を賞賛して彼らに従いたい、協力したい、仕えたい
  • 同化欲求:他人と同一視して感情移入したい、マネしたり見習いたい、信じたい
  • 自律欲求:他人の影響や支配に抵抗したい、独立したい
  • 対立欲求:他人と違った行動をとりたい、ユニークな存在でいたい
  • 攻撃欲求:他人を軽視して意地悪したい、攻撃して奪いたい
  • 屈従欲求:他人に降伏したい、謝罪して罰を受け入れたい、痛みや不幸を楽しみたい

禁止に関する欲求

  • 非難回避欲求:法律やルールに従いたい、処罰や追放を避けたい

愛情に関する欲求

  • 親和欲求:他人と交流したい、集団に加わりたい、仲良くなりたい
  • 排除欲求:他人を無視したい、差別したり他人を排除したい
  • 養護欲求:困っている人を助けたい、同情したい、保護したい
  • 救護欲求:愛されたい、看護されたい、許されたい、慰められたい

遊戯に関する欲求

  • 遊戯欲求:リラックスしたい、気晴らしや楽しみたい、娯楽を求めたい

情報に関する欲求

  • 認知欲求:知識を学びたい、理解したい、好奇心を満足させたい
  • 証明欲求:情報を提供したい、他人を教育したい

荻野七重と斎藤勇の欲求リスト

日本の心理学者である荻野七重氏と斎藤勇氏は、マレーの心理発生的欲求(社会的欲求)をさらに細分化させて59種類としました。

59種類の社会的欲求リスト

このリストを眺めると、「あぁ、あの人って、この欲求の傾向が強いよなぁ・・・」なんて、性格を分析できるようになってきます。

優越支配に関する欲求

  • 自尊欲求:自分を認めて、自尊心が傷つかないようにしたい
  • 競争欲求:他人と争いたい
  • 優越欲求:他人よりも優れていることを証明したい
  • 攻撃欲求:武力を使って、相手を攻撃したい
  • 反発欲求:やられたらやり返したい
  • 流行欲求:流行の先端のモノを手に入れたい
  • 自己顕示欲求:注目を集めて、みんなの評判になりたい
  • 指導欲求:リーダーシップを発揮して、集団をまとめたい
  • 名誉欲求:社会的に名誉のある地位につきたい
  • 支配欲求:人に指示や命令をしたい
  • 権力欲求:社会で活躍できるような、地位と権力が欲しい

情的支配に関する欲求

  • 愛情欲求:愛する人のために行動したい
  • 恋愛欲求:好きな人の望みを叶えて、その人から好かれたい
  • 愉楽欲求:みんなと一緒にワイワイ騒ぎたい
  • 自由欲求:誰にも縛られることなく、自由な生活をしたい
  • 自己表現欲求:自分の個性をアピールしたい
  • 不満解消欲求:ストレス解消のために、思い切り気分転換したい

積極的活動に関する欲求

  • 達成欲求:困難を乗り越えて目標を達成したい
  • 内罰欲求:自分に悪い点はないか反省したい
  • 自己成長欲求:自分自身を充実、成長させたい
  • 持続欲求:最後まで根気よく続けたい
  • 自己実現欲求:人生計画をしっかりたてて、日々努力したい
  • 知識欲求:勉強して知識を増やし、多くのことを学びたい
  • 自己主張欲求:自分が正しいと思ったことは主張したい
  • 批判欲求:人が悪いことをした時は、はっきりと指摘して正したい
  • 趣味欲求:生きがいのために、趣味を持ち続けたい
  • 感性欲求:美しいものを見たり聴いたりして、感動したい
  • 理解欲求:モノゴトの因果関係を理解したい
  • 他者認知欲求:他人の性格やプライベートを知り、理解したい
  • 好奇欲求:新しいことや、珍しいことを経験したい

関係形成に関する欲求

  • 秩序欲求:社会生活において、規則やルールを守りたい
  • 援助欲求:弱い人や困っている人の面倒をみたり、世話をしてあげたい
  • 集団貢献欲求:所属している集団のために、全力をつくしたい
  • 社会貢献欲求:住みよい社会を作るために貢献したい
  • 教授欲求:自分の得意分野について、先生として人に教えたい
  • 自己認知欲求:自分がどんな性格なのかを知り、理解したい
  • 承認欲求:できるだけ多くの人から好かれたい
  • 自己開示欲求:親しい人に、自分のことを知ってほしい

保身に関する欲求

  • 屈辱回避欲求:人前で笑われるようなことを回避したい
  • 同調欲求:仲間と一緒に同じことをしたい
  • 嫌悪回避欲求:人に嫌悪感を持たれたくない
  • 批判回避欲求:人から批判されることを避けたい
  • 服従欲求:上の人の指示に従って行動したい
  • 優位欲求:自分が優位であるために、自分よりも劣った人と仲良くしたい
  • 譲歩欲求:争いを避けるために譲りたい
  • 安心欲求:失敗しそうなことを避けて、安心な方を選びたい
  • 気楽欲求:無理をせずに、のんびりと人生を送りたい
  • 挑戦欲求:危険なことでも挑戦したい
  • 安全欲求:身に危険が生じるような、恐ろしいことを避けたい
  • 拒否欲求:嫌いな人とは付き合わないようにしたい
  • 金銭欲求:お金を確保したい
  • 生活安定欲求:安定した生活を送りたい

協調に関する欲求

  1. 依存欲求:誰かに助けてもらいたい
  2. 親和欲求:友達と交流を深めたい
  3. 協力欲求:仕事や活動はみんなで分担して、協力し合いたい
  4. 孤立欲求:できるだけ一人でいたい
  5. 恭順欲求:信頼できる指導者に従いたい
  6. 自己規制欲求:規則正しい生活を送りたい
  7. 迷惑回避欲求:人に迷惑をかけないようにしたい

欲求リストから生み出すビジネスアイデア

マレーの欲求リストや59種類の社会的欲求リストを見ていけば、世の中にある商品・サービスは、どんな欲求を満たすためのものなのかが分かると思います。

例えば、FXや株といった投資サービスは、「お金を増やして豊かな生活を送りたい」という、獲得欲求、優越欲求、保持欲求、達成欲求を満たすサービスであると言えます。

薄毛治療のようなコンプレックスを扱う商品は、「笑われたくない、いつまでも若さを保っていたい、見た目を整えてモテたい」といった、不可侵欲求、屈辱回避欲求、保持欲求、親和欲求を満たす商品であると言えます。

現在のビジネスに新しい欲求を追加してみる

今現在のビジネスに新しい要素を追加するのであれば、

  • 顧客がまだ満たせていない欲求は何か?
  • どんな欲求を満たすことができそうか?

を考えます。

たとえとして、投資サービスに新しいビジネスアイデアを盛り込むとしたら、どんな欲求を追加すれば良さそうでしょうか?

例えば、一人で投資をしている人に対して、「仲間が欲しい」という親和欲求を追加すれば、投資仲間が情報交換できるSNSを作ることができますよね。

そのSNSで、毎月どれだけ成果があったのかをランキング形式で発表できるようにすれば、「人よりも優れていたい」といった承認欲求や顕示欲求、競争欲求を満たすことができそうです。順位によって勲章を授与したり、レベルアップ要素を追加すれば、ゲーム感覚で楽しめる遊戯欲求も満たせそうです。

さらにSNSの中で、初心者が集まるクラスを設ければ、上級者が初心者に教える証明欲求や、初心者が上級者に教えてもらえる認知欲求も満たせそうです。

こんな風に、現在のビジネスにアイデアを追加することができます。

ゼロから価値を生み出すビジネスアイデアを考えてみる

欲求の種類を知っていれば、全く何もない状態からビジネスを考えることができます。

欲求が満たせていない状態 = 悩み

を解決できれば、それがビジネスになります。

人の悩みは、大きく分けると4つに分類できます。それぞれに関わる欲求も、次のような分類が考えられます。

健康(美容)食物欲求、飲水欲求、傷害回避欲求、感性欲求、不可侵欲求、屈辱回避欲求
お金獲得欲求、保持欲求、優越欲求、承認欲求、遊戯欲求
人間関係(会社・恋愛)優越欲求、承認欲求、顕示欲求、親和欲求、性的欲求、屈辱回避欲求、中和欲求、自律欲求、対立欲求
将来(夢・キャリア)達成欲求、認知欲求、承認欲求

これらの4つは独立しているのではなく、それぞれが影響し合っています。

例えば、健康には美容も含まれますが、美しくありたいと望むのは、コンプレックスを解消して人間関係を良好にしたいためでもあります。また、お金の悩みは将来の不安を引き起こしますし、会社での人間関係の悩みはキャリアと関係していることがあります。

教えて!goo」「yahoo!知恵袋」「OKWave」など、いろいろな質問サイトを見てみることで、どんな人がどんな欲求を満たせていないのかがわかります。質問の数や閲覧数が多ければ、ビジネスとして成り立つ可能性が高い市場であることがわかります。

あなたが今までの人生で培ってきたリソース(資源)に近い悩みであれば、すぐにでも悩み解決のコンサルタントとしてビジネスを始めることができます。まだリソースを持っていなければ、悩みを解決するためには何が必要なのかがわかります。

まとめ

心理学者のヘンリー・マレー氏は、人間の欲求をリスト化し、合計40種類として発表しました。

このヘンリーの欲求リストや、59種類の社会的欲求リストを知ることで、新しいビジネスアイデアが生まれやすくなります。

ちなみに、マレーの欲求リストには「睡眠欲」が見当たりませんが、命の維持のために脳が休息を求めると考えれば、「睡眠欲」は臓器発生的欲求の『傷害から回避に導く欲求』のカテゴリーに入るのではと思います。

まずは街中にある商品・サービスを見渡して、どんな欲求を満たすビジネスなのかを考えてみてください。訓練すれば、新しいビジネスアイデアも浮かびやすくなると思います。

参考文献:
多変量解析からみた心理発生的欲求の分類と構造 (人文・社会科学篇)
wiki.fdiary.net/欲求分類リスト
Wikipedia/Murray’s system of needs

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