顧客心理を掴む心理学

マーケティング心理学|今すぐ顧客心理を掴むテクニック【37選】

2017-07-08

ザイオンス効果 の使い方

マーケティングの効果を高めるためには、人間の心理や思考のクセ、脳の特性を知ることが大切です。

なぜなら、たったひと言の違いでも、人の行動は変えられるからです。何をどんなタイミングで言えば良いのかは、心理学から学ぶことができます。

この記事では、顧客心理を掴むために、マーケティングに使える行動心理学、認知心理学、社会心理学、行動経済学などの心理学を紹介します。

あなたのマーケティング活動や、人間関係を良好にするために役立ててください。

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顧客心理を掴むマーケティング心理学【37選】

顧客心理を掴むためには、次のような種類の心理学を応用できます。

  • 行動心理学:人間の行動を観察することで、人間の心理を研究する学問
  • 認知心理学:人間の知覚や記憶、理解の過程から人間の心理を研究する学問
  • 社会心理学:人との関わりや社会生活において、人間の心理を研究する学問
  • 行動経済学:経済的な決定に、心理的な要因がどのように関連するかを研究する学問

マーケティングでは心理学を厳密に使い分ける必要はありませんので、ここではひとつの「マーケティング心理学」のテクニックとして紹介していきます。

ザイオンス効果

ザイオンス効果 の使い方

ザイオンス効果とは、同じ人や同じモノに接触する回数が増えるほど、その対象に対して次第に好印象を持つようになる心理現象のことです。ザイアンスの法則、単純接触効果などとも呼ばれます。

マーケティングでは、お客さんとの接触回数が増えるほど、選ばれやすくなる可能性が高くなります。

例えば、スーパーマーケットへ買い物へ行った時に、知っている商品と知らない商品があれば、知っている商品の方が安心できたりしますよね。親近感を抱くことで、その商品を買いやすくなります。

インターネットを使って接触回数を増やすためには、メールマガジンを届けたり、ブログ記事を更新してWebサイトに何度も訪れてもらうようにします。

ただし、セールスばかりのメルマガなど、お客さんの迷惑になるような接触は、回数を増やすほど嫌われますので注意が必要です。

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ツァイガルニク効果

ツァイガルニク効果

ツァイガルニク効果とは、未達成の事柄に対しては強く印象に残る心理作用のことを言います。簡単に言えば、続きが気になる現象です。ザイガニック効果とも呼ばれます。

その度合いは、夢中になって完了間近なものほど強くなります。

例えば、テレビを見ている時に、CM前に「90秒後にまさかの展開!?」といったテロップが入ると、思わず気になったりしますよね。

続きが気になる心理を応用すれば、思わず読み進めたくなるタイトルをつけることができます。その方法は、虫食いや質問型で、答えや続きが知りたくなる仕掛けを作ります。

例え

  • 【新事実】朝食で摂っておきたい栄養素は◯◯と◯◯!
  • あなたを非モテにする危険度MAXレベルの習慣とは?

バーナム効果(フォアラー効果)

バーナム効果 とは?エセ占い師と詐欺師に学ぶ、人を虜にするテクニック

バーナム効果とは、誰にでも当てはまるような曖昧な表現の記述でも、「自分に向けたメッセージだ!」と感じてしまう心理現象のことです。フォアラー効果とも呼ばれます。

例えば、次のような表現です。

「あなたは人生の一大事には大胆な判断を下すことができますが、自分では気づかないほど繊細な一面も持っています」

バーナム効果を応用すれば、ブログ記事やセールスコピーで、読者に「自分ごと」のように感じてもらうことができます。「自分ごと」に感じてもらうことで、興味と共感を持って読み進めてもらうことができます。

例え

  • 何をやってもダイエットに失敗してきたあなたへ
  • 最近、体が疲れやすくなったと感じていませんか?

文脈効果

文脈効果 を使って売上アップ

文脈効果とは、前後の文脈や周辺の環境の違いで、対象とするモノの意味合いや印象が変わる認知心理のことです。

この文脈効果をマーケティングに使えば、商品自体を変えることなく商品の価値を変えることができます。

例えば、汚いテーブルの上にある紙コップに注がれたワインと、綺麗なテーブルの上にある高級グラスに注がれたワインでは、同じワインでも印象が大きく異なりますよね。

つまり、商品の周りの環境を変えることや、商品を使う前後や他の良いイメージとくっつけることで、商品価値を上げることができるんですね。

例えば、商品以外の他の良いイメージをくっつけると、次のようなキャッチコピーをつくることができます。

例え

  • 北海道の大自然に恵まれた大地で育ったゴロゴロじゃがいも
  • 英国紳士が愛した革靴

クレショフ効果

クレショフ効果 と モンタージュ理論

クレショフ効果とは、たとえ無関係な写真同士でも、隣り合っていれば無意識に関連づけてしまう心理作用のことです。

例えば、「ケーキ」と「笑顔の男性」の写真が並んだ場合、2枚の写真に関連性がなかったとしても、頭の中では無意識に「男性がおいしいケーキを食べて笑顔になった」というような関連性を持たせて見てしまいます。

クレショフ効果をマーケティングに応用すれば、お客さんに与えたいイメージをコントロールできるようになります。

例えば、商品に優しいイメージを与えたいとしたら、優しさを連想させる「花」などを商品の近くに配置させて見せれば良いということですね。

文脈効果と同じように、対象以外の周辺のモノを変えることで、イメージを変えることができます。

シャルパンティエ効果

シャルパンティエ効果

シャルパンティエ効果とは、同じ重さのモノでも、体積の大きい方が重いと感じる錯覚のことです。転じてマーケティングでは、錯覚を利用した表現方法として使われます。

例えば、次のような表現では、Bの方がすごく食物繊維が摂れそうな気がしませんか?

  • A:これ一本で7.5グラムの食物繊維が摂れる!
  • B:これ一本でレタス3個分の食物繊維が摂れる!

グラム数で伝えるよりも、レタスで例えた方が食物繊維が摂れるイメージがしやすいですよね。

実を言うと、レタスは食物繊維が豊富な生野菜ランキングのトップ10にも入りません。それでも「レタス◯個分!」と表現するのは、レタスにはサラダのイメージがあることで、より健康のイメージと結びつきやすいためです。

みんながすでに持っているイメージを利用することが、シャルパンティエ効果を応用するコツです。

一貫性の原理

一貫性の原理 と コミットメント

一貫性の原理とは、ある立場を明確にすることで、最後までその姿勢を貫こうとする心理傾向のことです。

人は一度小さな要求を受け入れると、その後の要求にも応じやすくなります。

例えば、1分で終わると聞かされてアンケートに協力したのに、「よければこちらの調査にもご協力ください・・・」と調査を追加されても、ついつい断れなかったことはありませんか?

一貫性の原理をマーケティングに応用すれば、お客さんに関心を持ってもらうことに使えます。

例え

  • アンケートに記入してもらう
  • 返信してもらう
  • コメントしてもらう

お客さんに小さな同意と小さな行動をしてもらうことが、関心を持ってもらうきっかけになります。

返報性の原理

返報性の原理

返報性の原理とは、人に何かをしてもらったら、お返しをしないと申し訳ない気持ちになる心理傾向のことです。

例えば洋服屋さんで、何度も試着して丁寧に接客してもらったのに、何も買わなかったとしたら、なんだか悪い気持ちになりますよね。

ビジネスに応用すると、まずはこちらから好意を与えることで、お客さんにも好意のお返し(購入など)を期待することができます。

例え

  • ウェルカムドリンク
  • 無料お試し
  • 無料プレゼント

ただし、好意のお返しをあからさまに要求すると、「詐欺行為」と受け取られてしまうので注意が必要です。

権威への服従

権威への服従とは、権威のある人に対しては無条件で信用してしまう心理傾向のことです。

人は、権威ある人に服従する側面を持っています。たとえ人を傷つける行為でも、権威ある人から「大丈夫、責任は私が持つからやりなさい」と言われれば、嫌々でも従ってしまいます。

「権威のある人が言うんだから、間違いはないんだろう・・・」と思うんですね。

この心理効果は、マーケティングでは人に信用してもらう時に応用できます。

例えば、本のタイトルを見てみれば、

  • 『スタンフォード式◯◯』
  • 『医者が教える◯◯』

など、権威を感じる肩書きが入ったタイトルがありますよね。権威性を高めることで、本の内容の信用度も高める効果を狙っています。

商品を紹介する際には、権威を感じさせる “専門家” であることを伝えることで、説得に応じてもらいやすくなります。

ウィンザー効果

クチコミ効果とも呼ばれる ウィンザー効果

ウィンザー効果とは、当事者からの言葉よりも、第三者の言葉を信じやすくなる心理現象のことです。

例えば、次の二人から同じ内容を言われたとしたら、Bさんの言葉の方を信じやすくなります。

  • Aさん「私の商品は素晴らしいですよ」
  • Bさん「Aさんの商品は素晴らしいですよ」

セールスコピーやランディングページでは、「お客さまの声」を掲載することで情報の信ぴょう性を上げることができます。

ブーメラン効果

ブーメラン効果とは、説得されればされるほど反発したくなる心理傾向のことです。

子供の頃、親から「早く宿題しなさい!」と言われれば言われるほど、意地でも「したくない!」と思ったことはありませんか?

ブーメラン効果を考えれば、人を説得するときにはゴリ押しは逆効果だとわかります。

例えば、呪文のように「この商品はいいですよ!この商品は間違いありません!」と聞かされたら、「いや、けっこうです・・・」と反発したくなるんですね。

ブーメラン効果に陥らないためには、説得相手の知識量や性格に合わせて、明示的説得と暗示的説得を使い分けることが大切です。

カリギュラ効果

カリギュラ効果

カリギュラ効果とは、禁止されることで、その禁止を破りたくなる心理傾向のことです。

例えば、「あなたの人生を激変させてしまうかもしれませんので、ここから先は読まないでください」なんて書いてあると、思わず気になってしまいますよね。

この心理はブーメラン効果と同じく、人から行動を制限されることに反発したくなることで起こります。

カリギュラ効果をコピーライティングに応用すれば、読まずにはいられないタイトルを作ることができます。

例え

  • 【悪用禁止!】40代の私でも派手にモテまくった13の洗脳技術
  • 決して検索してはいけないキーワードとは?

ストループ効果

ストループ効果

ストループ効果とは、「言葉の意味」と「言葉の状態」に矛盾があると、脳が混乱して認知するのに時間がかかる状態を指す心理現象です。

例えば、下にある4つの「文字」を、左から順に声に出して読んでみてください。

ストループ効果のテスト

正解は左から、「くろ」「き」「あか」「あお」ですが、読むのにちょっと時間がかかったのではないでしょうか?

同時に2つの異なる情報がぶつかり合うと、ストレスを感じます。

例えば通販サイトで、激安感のある色使いなのに、価格が高いと違和感を感じます。人は違和感やストレスを感じる環境からは離れようとします。

ですのでWebサイトや広告では、言葉とビジュアルの整合性が取れていることが大切です。

マジカルナンバー

マジカルナンバー

マジカルナンバーとは、人が瞬間的に記憶できる短期記憶の限界数を表した認知心理のことです。短期記憶とは、数十秒から数分で忘れてしまう記憶のことです。

例えば、あなたが奥さんに買い物リストを渡された場合、一瞬で覚えられるのは、7個を中心に5〜9個である可能性があります。これは「マジカルナンバー7±2」という説です。

マジカルナンバーにはもう一つ、「マジカルナンバー4±1」という説もあります。

これらの説を統合すると、人が瞬間的に覚えやすい数は3個未満、覚えにくい数は10個以上であることがわかります。

つまり、セールスする際には、選択肢は3個未満にすることで比較検討してもらいやすくなります。また、商品のアピールポイントを10個以上言うことで、「一度に覚えられない数=いっぱい良いところがある!」というイメージを与えることができます。

決定回避の法則

決定回避の法則とは、人は選択肢が多くなるほど、選ぶことができなくなってしまうという心理傾向のことです。

例えば、Tシャツを買おうと思った時に、カラーバリエーションが100色もあったりすると、どれを選んで良いのか迷ったあげく、結局何も買わずにお店から立ち去るということが起こります。

お客さんに選択の自由を与えたいからと、たくさんの選択肢を用意すると、かえって売れなくなってしまうんですね。お客さんに与える選択肢は、マジカルナンバーが参考になります。

認知的不協和

認知的不協和 をマーケティングに応用する

認知的不協和(にんちてきふきょうわ)とは、自分の中で矛盾する2つの事柄(認知)を同時に抱えた場合に、ストレスを感じる状態を指す心理現象です。ストレスの強さは、自分の信念・価値観の強さに比例します。

例えば、「タバコが体に悪いとわかっているのに、やめられない」という矛盾です。

どうしてもタバコがやめられない時には、タバコを吸っても大丈夫な情報を探し出して、矛盾(不協和)を解決しようとします。

この認知的不協和は、コピーライティングに応用することができます。

お客さんの持っている常識や価値観を否定するような新提案をすることで、読まずにはいられなくさせる文章が書けます。

例え

  • 借金すればするほど大金持ちになる秘密
  • ホントに寝てるだけでも5kg痩せる方法

初頭効果

初頭効果 と新近効果

初頭効果(しょとうこうか)とは、最初に示された特性が印象に残りやすく、後の評価に大きな影響を与えるという心理傾向です。

例えば、人物を紹介する時に「この人は、優しくて、頭の回転が早くて、意地悪な人です」と言えば、最初の “優しい” が印象に残りやすく、“意地悪” の解釈も《優しさが含まれる意地悪》といった印象に変わります。

第一印象が良ければ、その後に多少失敗したとしても、良い印象のままでいられるんですね。

マーケティングでは、興味を持ってもらうためにも、まずはポジティブな情報をアピールすることが大切です。

新近効果

新近効果(しんきんこうか)とは、先ほどの初頭効果とは逆で、最後に示された特性が印象に残りやすく、後の評価に大きな影響を与えるという心理傾向です。

新近効果は、大勢の意見を聞いた時に起こりやすい傾向があります。

例えば口コミサイトで、10人の口コミを読んだなら、最後に読んだ意見が印象に残りやすくなります。

マーケティングでは、好意的に比較検討してもらうためにも、最後にポジティブな情報をアピールすることが大切です。

ハロー効果

ハロー効果

ハロー効果とは、一つの目立った特徴に引っ張られて、他の特徴についての評価が歪められてしまう心理現象のことです。後光効果とも呼ばれます。

例えば面接の場面で、一流大学出身者が黙っていると、「熟考しているのかな?」と思われやすく、学歴のない人が黙っていると、「何も思い浮かばないのかな?」と思われやすくなります。

同じ行動をしても、“学歴” という特徴に引っ張られて評価が変わってしまうんですね。

ハロー効果をマーケティングに応用するには、セールスコピーやランディングページの最初に、売上数、受賞歴、創業年数といった、権威や人気度を象徴するモノを記載するようにします。

一つの良い印象に引きずられて、全体的に良い印象を持ってもらうことができます。

コントラスト効果

コントラスト効果

コントラスト効果とは、直前に何を触れたのかによって、実際の差よりも大きく印象が変わる心理現象のことです。コントラストの原理、対比効果などとも呼ばれます。

2つ以上のモノを相対的に比べた時に起こる現象ですね。

例えば、ジュエリーショップで、10万円の指輪だけを見れば「高い」と感じるかもしれません。ですが、100万円の指輪の隣りに置いてあれば、10万円の指輪が「安い」と感じます。

マーケティングでは、売りたい商品の隣りに価格の高い商品を置くことで、売りたい商品を安く感じてもらうことができます。

アンカリング効果

アンカリング効果とは、最初に提示された特徴や数値が基準になって、その後の判断に影響を与える心理現象のことです。

例えば飲食店のメニュー表では、最初にどの価格を見るのかによって、後に見る価格の感じ方が変わります。

  • 1000円のカクテル ⇒ 5万円のワイン(5万円のワインが高く感じる)
  • 5万円のワイン ⇒ 1000円のカクテル(1000円のカクテルが安く感じる)

商品を安く感じてもらうには、商品の価格よりも大きな数字を最初に見せるようにします。

ゴルディロックス効果(松竹梅の法則)

松竹梅の法則

ゴルディロックス効果とは、三段階の選択肢があった場合、多くの人は真ん中のものを選ぶという心理傾向のことです。松竹梅の法則とも呼ばれます。

例えばレストランで、次のような3つのコースがあった場合は、多くの人は真ん中のBコースを選ぶ傾向があります。

  • Aコース:1万5000円
  • Bコース:8000円
  • Cコース:6000円

この心理傾向を利用すれば、売りたい商品は真ん中の価格にすれば良いことがわかります。

テンション・リダクション効果

テンション・リダクション効果

テンション・リダクション効果とは、緊張状態が解けて、気がゆるんでしまっている状態のことを指します。重大な出来事ほど、気がゆるむ度合いも大きくなります。

例えば、大事な商談がある前は緊張しますが、商談が終われば一気に緊張状態がなくなりますよね。買い物でも同じように、何を買うか選ぶまでは緊張しますが、決まってしまえば気が緩みます。

マーケティングでは、お客さんが商品を選んで気がゆるんだ瞬間に別の商品をおすすめすることで、ついで買いをしてもらいやすくなります。

例え

  • ご一緒にこちらの商品もいかがですか?
  • こちらの商品を買った人は他にもこんな商品も買っています

プロスペクト理論

プロスペクト理論

プロスペクト理論とは、「人は得をしたい思いよりも、損をしたくない思いの方が倍以上強い」という行動心理の理論です。感じる得と損の比率は、「1 : 2〜2.5」とも言われています。

プロスペクト理論を考えれば、マーケティングでは、商品を手に入れることで得することを訴えるだけではなく、手に入れないことで損することも同時に訴える方が良いことがわかります。

コピーライティングでは、次のことについて訴えます。

  • 恐怖:このままでは状況が悪くなる不安を与える
  • 希少性:この機会を逃すと買えないことをアピールする
  • 保証:お金を失う恐怖を負ってあげる

フレーミング効果

フレーミング効果

フレーミング効果とは、表現方法を変えることで、物事の印象が変わる心理作用のことです。

例えば次の商品では、どちらを購入したいと思いますか?

  • A:果汁20%のオレンジジュース
  • B:果汁以外80%のオレンジジュース

どちらも内容は同じですが、どこにスポットを当てるかによって印象が変わりますよね。

フレーミング効果をコピーライティングに応用すれば、興味のなかった人へもメッセージを届きやすくすることができます。

例え

  • A:防犯サービスに登録すれば、安心です!
  • B:防犯対策をしなければ、あなたの財産が狙われ続けます!

コンコルド効果(サンクコスト効果)

コンコルド効果 (サンクコスト効果)

コンコルド効果とは、今まで投資したもの(時間やお金)が無駄になるのがイヤで、やめたくてもやめられない状態を指す心理現象です。コンコルドの誤謬、サンクコスト効果とも呼ばれます。

例えば、UFOキャッチャーで景品を取ろうと1000円を使ったあたりで、取るのが難しいと気づいた場合、使った1000円を無駄にしたくないからと、諦められなくなる状態のことです。

このコンコルド効果は、お客さんに「使った時間やお金を無駄にしたくない!」と思ってもらうことに応用できます。

例え

  • あと◯円の購入で、送料が無料になります
  • あと◯日で、ポイントの有効期限が切れます

保有効果

保有効果

保有効果とは、自分が手にしたモノの価値が上がって、手放したくないと感じる心理傾向のことです。授かり効果とも呼ばれます。

例えば、「もう着ることはないだろうなぁ」と思った服でも、なかなか捨てられなかった経験はありませんか?

お客さんが商品を手にした状態になれば、保有効果が働いて、「手放したくない・・・」という気持ちが生まれやすくなります。ですのでマーケティングでは、返品保証をつけても返品率が高くならない期待が持てます。

コピーライティングでは、「想像してみてください、この商品を使えば・・・」と、すでに商品を手にした状態をお客さんの頭の中に作るようにして、「手放したくない・・・」と感じてもらうようにできます。

ピーク・エンドの法則

ピーク・エンドの法則

ピーク・エンドの法則とは、ある出来事が印象に残るのは、ピークとエンドの2つの場面に左右されるという心理現象のことです。この2つの場面で、良い印象か悪い印象かが決定されます。

例えば、連続ドラマが面白かったかどうかを思い出す時には、一番の盛り上がりのシーンと、主人公のラストシーンだったりしませんか?

ビジネスをストーリーとして置き換えてみれば、お客さんには、ピークとエンドの2つの場面で良い印象を与えることが大切だとわかります。

2つの場面で良い印象を与えることができれば、リピートにつながります。

マッチングリスク意識

マッチングリスク意識とは、商品を購入する前に「この選択が失敗したらどうしよう・・・」と、未来を予測して不安な気持ちになる状態を指します。

例えば、通販サイトで靴を購入したくても「このブランドのサイズ表記って、自分の足のサイズに合うんだろうか?」「パソコン画面で見る色と、実際の色は同じなんだろうか?」と色々と不安な気持ちになることです。

不安が大きくなると、お客さんは購入したい気持ちを抑えてしまいます。

マッチングリスク意識をできるだけなくすためには、前もって不安を取り除くような対策をします。

例え

  • 返品・返金保証
  • 無料お試し
  • 長期保証

バイヤーズリモース

バイヤーズリモースとは、商品を購入した後に訪れる後悔を指します。

お客さんは、購入直後から「自分の選択は正しかったんだろうか?」「無駄遣いをしてしまったんじゃないだろうか?」と、後悔が始まることがあります。

高額な商品に返金保証をつけている場合は、バイヤーズリモースによって返金が多くなることがあります。

バイヤーズリモースをできるだけなくすためには、購入を歓迎するサンクスレターを送ったり、購入後のお客様の喜びの声を届けたりして、「購入が正しい選択だった」と安心してもらうようにます。

バンドワゴン効果

バンドワゴン効果

バンドワゴン効果とは、ある事柄が流行している情報を知ることで、関心がなかった人にも支持される社会心理の現象です。

他人と同じ行動を取ることで、安心感を覚えたい場合に起こりやすい心理傾向です。例えば、街を歩いている時に行列ができているお店があれば、思わず気になってしまいますよね。

この心理現象は、モノ自体の価値ではなく、「他人はどうしているか?」を気にすることで起こります。

バンドワゴン効果をマーケティングに応用するには、商品に人気があることをアピールします。

例え

  • 売れ筋No.1
  • ◯◯賞受賞
  • 今話題の商品

スノッブ効果

スノッブ効果とは、バンドワゴン効果とは反対に、入手困難なほど需要が増えて、大衆化してくるにつれて需要が減る社会心理の現象です。

「他人と同じ行動はしたくない」という心理が働き、他人との差別化を図りたい場合に起こりやすい心理傾向です。例えば、好きだった商品があまりにも流行しすぎると、なんだか気持ちが冷めることってありますよね。

スノッブ効果は、バンドワゴン効果と同じく「他人との関係性」を気にすることで起こります。

スノッブ効果を狙って商品紹介をする際には、希少性や限定性をアピールします。

例え

  • 限定◯個販売
  • 次回入荷未定
  • 当店限定モデル

ヴェブレン効果

ヴェブレン効果とは、商品の価格が高価であるほど、価値を感じる社会心理の現象です。高級ブランドや宝石など、手に入れること自体に特別な欲求が生まれることを指します。

商品・サービスの価値だけではなく、自己顕示欲を満たすために欲しくなる消費行動です。バンドワゴン効果と同じく、他人を気にすることで起こります。

ヴェブレン効果を狙って商品紹介をする際には、高級感をアピールします。

例え

  • 最高に贅沢な一品
  • 本物の違いがわかる大人のあなたへ
  • ハイエンドモデル

アンダードッグ効果

アンダードッグ効果

アンダードッグ効果とは、弱い立場にいる人や、不利な状況に追い込まれている人に手を差し伸べたくなる心理現象のことです。判官びいき効果、負け犬効果とも呼ばれます。

政治で使われ始めた心理学用語ですが、マーケティングやコピーライティングでも使うことができます。

例えば、「支払い期限を忘れていて、今月中にまとまったお金が必要です。思い切って40%オフにしますので、どうか買ってください!」と、お客さんの同情を誘ったセールスをすることができます。

スリーパー効果

スリーパー効果

スリーパー効果とは、時間の経過とともに情報の信用度が変わる心理傾向のことです。仮眠効果とも呼ばれます。

例えば、「あいつ、会社のお金つぎ込んだらしいよ」という出どころが怪しい噂があったとします。はじめは「冗談じゃないの?」と思っていても、1ヶ月ほどすると「本当なのかも・・・」と、情報を信用するようにもなります。

あなたの信用度が低い状態で、発信する情報が正しい場合は、今すぐ信用してもらおうとするのではなく、時間をかけて信用度を上げるようにすることが大切です。

Webマーケティングで言えば、今すぐ購入してくれるお客さんばかりに注目するのではなく、ブログやメルマガで接触回数を増やして、時間をかけることが大切だということですね。

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カクテルパーティー効果

カクテルパーティー効果

カクテルパーティー効果とは、パーティー会場のような騒がしい場所でも、自分の名前を呼ぶ声や、自分が興味のある話などは自然と聞き取ることができる心理現象のことです。

脳は、無意識に自分に関わる情報を集める機能を持っています。

例えば、ニュースを見ている時に自分の住んでいる地名が出ると、思わず注目したことはありませんか?

このカクテルパーティー効果をコピーライティングに応用すれば、相手に深く関係している言葉を使うことで、注意を引くキャッチコピーを作ることができます。

例え

  • 朝6時に起きるのはもう嫌だ!と思ったらする10のこと
  • 年収2,000万まであと一歩の起業家が知るべき法律

そのためには、注目させたい相手のことを深く知ることが大切です。

ディドロ効果

ディドロ効果

ディドロ効果とは、今までとは違う理想的な価値を手に入れた場合、新しい価値に合わせて統一させたいと感じる心理傾向のことです。

例えば、登山を始めようとして本格的なトレッキングシューズを買ってみたら、今度はリュックも本格的なものが欲しくなって、気づけば何から何まで揃えたくなってしまう心理です。

マーケティングに応用するには、商品をシリーズで発売したりして、セットの一部を手に入れてもらうようにします。揃えたい心理が働けば、セット全体で揃えたいと感じてもらえるようになります。

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まとめ

以上、マーケティングに使える心理学のテクニックを紹介しました。心理学をあまり知らなかったとしたら、驚きもたくさんあったのではないでしょうか?

手に入れた知識は今すぐ行動に移して、あなたのマーケティング活動に役立ててください。

追伸

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高木浩一

心理学と脳科学が好きなマーケティング・Web集客の専門家/解脱しかけのゲダツニスト/ 大企業のマジメな広告デザインから男性を欲情させるアダルティな広告デザインまで、幅広い分野を経験した元グラフィックデザイナー。心理面をカバーしたマーケティングとデザインの両方の視点をもつ。個人が個人として活躍する時代に向けて「使えるマーケティング」をモットーに情報発信中。

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