マーケティング心理学

ハロー効果とは?マーケティングで使える第一印象操作テクニック

ハロー効果

人の容姿や服装、年収や学歴、肩書きなど、ひとつの特徴によって、無意識に全体像の評価まで決定してしまう心理作用を、社会心理学ではハロー効果と言います。

見た目の第一印象が良いだけで「性格が良さそうな人だな」と、内面まで良い評価をしてしまうことってありますよね。

このハロー効果を意識して使えば、第一印象を操作して、人間関係や恋愛の場面で高評価を獲得することができます。また、マーケティングや商品を販売する際のランディングページにも応用することができます。

ハロー効果を知らずにいると、「知らない間にネガティブな評価をされていた」なんてことがあるかもしれませんので、ぜひ知っておきたい心理学です。

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ハロー効果とは

ハロー効果(halo effect)は、アメリカの心理学者エドワード・L・ソーンダイク氏(Edward L. Thorndike)が、1920年に発表した論文『A Constant Error in Psychological Ratings』によって提唱されました。

ある対象を評価するときに、目立ちやすい特徴に引きずられて、他の特徴についての評価をポジティブ、あるいはネガティブに歪められる心理作用のことを言います。評価する対象ではなく、他の要素の影響によって判断を歪めてしまう「認知バイアス」のひとつです。

例えば、容姿が良ければ「仕事ができそう」「性格が良さそう」と全体的にポジティブに評価されやすく、容姿が悪ければ「仕事ができなさそう」「性格が悪そう」と、全体にネガティブに評価されやすい傾向があります。

ハロー効果の『ハロー:halo』とは、聖人の頭上などに描かれる後光や光輪を意味していることから、「光背効果」「後光効果」とも呼ばれます。

ハロー効果の例:外見

ハロー効果が起こりやすいのは、一番目立ちやすい見た目の特徴です。見た目の特徴によって、評価を引っ張られてしまいます。

人が五感から情報を受け取る時には、視覚が占める割合が約87%だと言われています。(ちなみに、聴覚7%・触覚3%・嗅覚2%・味覚1%)

人の第一印象は7秒で決まるとも言われていますので、初対面の場合などは、まずは見た目で判断されやすいということになります。

例えば、パリッとしたスーツに、高そうな腕時計をしていて、綺麗に髪を整えて、ピカピカの靴を履いている男性を見たら、こんな風に感じるのではないでしょうか?

  • スーツを着ている彼は、ビジネスマンだろうか?
  • きれいな身なりに高そうな腕時計を持てるということは、収入も良いに違いない
  • 彼はきっとエリートなんだろう
  • 人格も優れているに違いない

一方、ボサボサの髪の毛で、無精ひげを生やしていて、ヨレヨレの服を着ている男性を見たら、こんな風に感じるのではないでしょうか?

  • 見た目に気遣いができない人は、人付き合いも苦手そうだ
  • 仕事もできないんじゃないだろうか
  • 何をさせてもダメな人かもしれない

このように、実際に話したことがなかったとしても、ハロー効果によって、外見だけで勝手に人間性まで判断してしまいます。

ハロー効果の例:肩書き

目立ちやすい特徴には、肩書きもあります。肩書きによって、評価が引っ張られてしまうことがあります。

例えば、先ほどのボサボサの髪の男性が、実は一流大学の教授だと知ったら、こんな印象に変わりませんか?

  • 一流大学の教授ということは、立派な人物に違いない
  • 見た目にかまっている暇がないほど、研究に没頭しているんだろう
  • ボサボサの髪は、偉人の証しなんだな

先ほどは、見た目に引っ張られて男性を悪く評価したのに、今度は肩書きに引っ張られて、見た目の印象さえ良い評価をしてしまいます。

ハロー効果の実験例

ある実験では、試験の解答を、汚い文字で書いたものと、同じ内容をきれいな文字で書いたものを試験管に提出しました。試験管には、字の綺麗さを無視して中身で判断するように求めました。

ですが実験結果は、字がきれいな解答のほうが、平均して評価が高い結果になりました。

ハロー効果は、人の外見、肩書きだけでなく、文字のきれいさでも影響されるんですね。ですので、面接や試験のような短時間で評価される場面では、特に見た目の第一印象に気をつける必要があります。

ハロー効果は別の分野についても影響する

ハロー効果の特徴は、ある目立った特徴が全体にまで影響することにあります。

例えば、先ほどの大学教授が、まったく違う分野のことについて語ったとしても、ハロー効果の影響で、もっともらしく聞こえたりします。

よく見かけるのは、テレビで見かけるコメンテーターです。弁護士や政治家という肩書きを持った人物が発言すると、専門分野とは違う内容について語ったとしても、専門家の意見であるような錯覚をします。

ハロー効果が起こる原因

なぜ、ハロー効果が起こるのでしょうか?

ハロー効果には利点があります。それは、物事の一面を捉えただけで、一瞬で判断が可能になることです。太古の時代の人間は、生きるか死ぬかを一瞬で判断しなければいけない状況にありました。敵か味方かを判断するのに、時間をかける余裕はありませんでした。

キバを生やした獣に遭遇 ⇒ キバを生やした獣はたいてい危険な動物だ ⇒ この獣も危険な動物に違いない ⇒ 今すぐ逃げなければ!

このような判断を一瞬でする必要があったんですね。そのため、経験則から一瞬で判断できるハロー効果は、遺伝的に受け継がれていると考えられています。

ただし経験則で判断すると、こんな場合があります。

ハロー効果の問題

例えば、一般的にイケメンは、女性から好感を得やすい特徴があります。

ところが、イケメンにイヤな思いをさせられた経験がある女性は、イケメンを見ると「この人も性格が悪いに違いない」と、嫌悪感を抱くことがあります。これは過去の経験則から、自分の身を守るために無意識で判断されるものです。

実際には過去の経験と現在とは因果関係がないために、ひとつの特徴で全体を判断することに意味はありません。

ハロー効果を防ぐには

意味のないハロー効果に陥らないためには、それぞれの特徴ついて、別々に評価をくだすことが大切です。目立った特徴に引っ張られて、他の特徴についても同じような判断をしていないかを確認します。

例えば、外見が良いからと、性格まで良いと判断していないか? たいした肩書きではないからと、人間性までたいした人物ではないと判断していないか?

それぞれを個別に考えることが大切です。

ハロー効果を人間関係や恋愛に使うには

ハロー効果を使って、人間関係や恋愛関係を良くしたいのなら、まずは見た目を整えることが大切です。そのためには、相手に「印象付けたい《象徴》を見せる」ようにします。

ハロー効果で与える印象とは、いわば《象徴》のようなものです。例えば、“整った髪” は「清潔」を印象付ける《象徴》です。“無精ひげ” は「不潔・だらしなさ」を印象付ける《象徴》です。

他にも、

「パリっとしたスーツ⇒仕事ができる人」
「高級腕時計⇒高収入」
「高級車⇒成功者」
「ミニスカート⇒男性を意識した女性」
「白い服⇒清潔」

といった《象徴》があります。

どんな《象徴》を使うのかによって、与える印象が変わります。

もしも相手に気に入られたいのだとしたら、相手が求める《象徴》を使うことで、相手に好感を持ってもらうことができます。大切なことは、自己主張ではなくて、相手に合わせることなんですね。

ですので、相手が真面目な人が好きだったとしたら、いくらポリシーがあったとしても、初対面で “金髪” や “タトゥー” を見せるのは控えた方が無難です。(ただし何度も会う予定があるのなら、ギャップのコントラスト効果を狙って、あえて外すテクニックもあります)

ハロー効果をマーケティングに応用するには

ハロー効果は、マーケティングやコピーライティングに頻繁に使われます。

例えば、CMや広告で有名人を採用するのは、有名人が持っている良いイメージを、一瞬で商品に伝染させるためです。ですので、有名人が不祥事を起こして好感度が下がると、商品にまで悪いイメージが移らないように、CMを打ち切ります。

また、売上数、受賞歴、創業年数、専門家の推薦、口コミもハロー効果です。「創業◯十年の実績と信頼」なんて書いてあると、「長い歴史があるということは、それだけ良い商品を扱っているんだろうなぁ」という好印象な判断をしやすくなります。

“人気があることを見せることで良いモノに感じる” バンドワゴン効果とも似ていますが、わかりやすい権威を見せることで、扱う商品全体の評価を上げる効果があります。

そのため、Webサイトのランディングページでは、ファーストビューに権威や人気度を象徴するワードを盛り込み、全体の印象を良くするハロー効果を狙います。

まとめ

ハロー効果とは、外見や肩書き、話し方や字の綺麗さといった一部の印象から、全体の印象の判断をしてしまう心理作用です。

人間関係や恋愛の場面で使うには、相手の好みの象徴を身につけることで、好印象を与えることができます。マーケティングに使うには、お客さんが好む象徴を最初に提示することで、全体の印象を良くすることができます。

いろいろな心理学を知ることで、人間関係やマーケティングを有利に進めることができます。たくさんの心理学を知って、あなたのビジネスで活用してみてください。

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