顧客心理を掴む心理学

アンダードッグ効果とは?同情の心理をマーケティングで使う注意点

アンダードッグ効果

弱い立場にある人や、不利な状況に追い込まれている人を見ると、「がんばれ!」と応援したくなることは、きっと誰もが経験していますよね。

不利な人を応援したくなる心理現象を、心理学では「アンダードッグ効果」と言います。

政治で使われ始めた心理学用語ですが、人づき合いや恋愛の場面では、「弱い一面を見せることで好意を持ってもらう」テクニックとして使われています。

人づき合いにおいて、自分の弱い部分をさらけ出すことは勇気が必要ですし、仲良くなるためには大切な要素でもあります。ですが、マーケティングの場合はどうでしょうか?

同情を誘う “テクニック” としてはおすすめしませんが、使い方によっては有効な場合もあります。アンダードッグ効果をマーケティングで使う時の注意点について、確認してみてください。

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アンダードッグ効果とは

アンダードッグ効果(underdog effect)とは、選挙前の勝敗予測で、不利であると報じられた候補者に対して、多くの同情票が集まり、逆転勝利へとつながる現象を言います。不利な相手を応援したくなるアンダードッグ効果は、「判官びいき効果」「負け犬効果」とも呼ばれます。

アンダードッグとは、「川に落ちた犬」のことを指しています。つまりアンダードッグ効果とは、「かわいそうな犬を助けてあげたくなる」という同情の心理効果です。

ちなみに政治の世界では、アンダードッグ効果とは反対を意味する心理効果もあります。

アンダードッグ効果と逆のバンドワゴン効果

アンダードッグ効果とは反対に、「どうせ投票するなら、勝ちそうな候補者に投票しよう」と、人気がある候補者に投票する心理をバンドワゴン効果(勝ち馬効果)と言います。選挙前の勝敗予測で、有利であると報じられることで、ますます票が集まる現象です。

選挙の予測報道にこのような影響があることは、1940年代アメリカの世論調査データの分析で発見されました。

報道の影響によって結果が左右されるアンダードッグ効果(負け犬効果)と、バンドワゴン効果(勝ち馬効果)は、総称して「アナウンスメント効果」と呼ばれます。

一般的なアンダードッグ効果の例

アンダードッグ効果の心理は、多くの日常の場面でも目にすることができます。

例えば、大相撲で小さな力士が現れると、思わず応援したくなりませんか? 周りの大きな力士たちの中で奮闘する姿を見ると、「大きい力士に負けるな!」と感情移入してしまいます。この気持ちは、僕たち日本人に多いかもしれないですね。

ずいぶん昔のことになりましたが、2000年のシドニーオリンピックでは、競泳男子100m自由形予選で、ギニアのエリック・ムサンバニ選手の姿が感動を呼びました。覚えている人も多いのではないでしょうか。

アンダードッグ効果の実験例

ハーバード大学の実験では、2つの架空会社を181人の学生に紹介して「どちらの商品を買いたいか?」と尋ねました。

  • A社:情熱を持っているのに業績が悪い会社
  • B社:なんの経営努力もしていないのに業績が良い会社

参照図書:[図解] 心理戦で必ず勝てる人たらし魔術

結果は、A社の商品を選ぶ学生の方が多い結果になりました。

余裕で勝つ強者よりも、負けてばかりの弱者を応援しようとするのは、人が集団生活のなかで培ってきた「弱い者=赤ちゃん」を守りたいと思う、本能の表れなのかもしれません。

アンダードッグ効果のマーケティングでの使い方

アンダードッグ効果を単純にマーケティングに応用するなら、「弱い一面」や「負け顔」を見せて、同情を誘うことで消費者に買ってもらうようにすることができます。

例えばコピーライティングで、

「発注ミスしてしまいました、かみさんに怒られてしまいます!50%割引きしますので、どうか買ってください!」

と同情を誘うことができます。

この負け顔を見せるテクニックは、「地域密着型」のマーケティングに向いています。

マーケティングの3タイプ

マーケティングでは、おおよそ「量販店型」「高級店型」「地域密着型」の3タイプのいずれかで進めます。

量販店型とは、大量の品揃えを低価格で提供する、大企業に向いているマーケティングです。高級店型とは、こだわりのある商品を高価格で提供する、ブランド力の高い企業が行うマーケティングです。

そして地域密着型とは、消費者の要望に柔軟に対応しながら販売を行うマーケティングです。

アンダードッグ効果は地域密着型のマーケティングに向いている

同情を誘うようなコピーライティングは、地域密着型のマーケティングで、普段から消費者とコミュニケーションを取っているからこそ成立する手法です。だからこそ、「しょうがないなぁ、今回は助けてやるか・・・」と、応援してもらうことができます。

ですので、初対面のお客さんに同情を求めても、「知らんがな」って思われてしまいます。あなたもきっと、突然やってきた訪問販売員に「今ちょっと困ってまして、どれでも安くしますから買ってください!」と言われたって、戸惑ってしまいますよね。

多くの個人事業や中小企業では、地域密着型のマーケティングが向いています。ですので、もしもアンダードッグ効果を使うなら、普段からコミュニケーションを取っておくことが大切です。

高級店型がアンダードッグ効果を使う場合

グッチやプラダのような高級店は、ある種の威厳があってこそ成り立ちます。そのため、「作りすぎてしまいました!」なんて広告を作ったとしたら、ブランド力は一気に地に落ちてしまいかねません。

ですので、もしもアンダードッグ効果を使う場合は、「負け顔を見せる」のではなく、「顧客に寄り添う」ようなイメージにすることが大切です。

量販店型がアンダードッグ効果を使う場合

量販店型が負け顔を見せる場合は、あるキャラクターを作って、そのキャラクターが負け顔を見せるという方法が考えられます。例えば、ソフトバンクの犬のお父さんが負け顔を見せたとしても、なんだか愛嬌があるような感じがしますよね。

アンダードッグ効果の本当の使い方

コピーライティングのテクニックとしては「負け顔を見せる」でしたが、アンダードッグ効果がもっとも効果を発揮するのは、「一生懸命さ」が伝わった時です。

テクニックで同情を誘う演出をしたとしても、なんだか見え透いたものになってしまいます。一生懸命さ、真剣さが伝わるようなコピーを書ければ、消費者は応援してくれるようになります。

すでにおわかりのとおり、小兵の力士や水泳選手は、ただ弱い立場だから応援されたわけではないんですよね。「一生懸命さ」が伝わるから、応援したくなるんですよね。

まとめ

アンダードッグ効果とは、弱い立場や不利な状況の人を応援したくなる心理状態のことです。

マーケティングで使うには、弱い一面を見せて「同情を誘う」ことができます。その場合は、地域密着型のマーケティングが向いています。ですがそれよりも大切なのは、「一生懸命さ」を伝えることです。

一生懸命さが伝わる方法を、ぜひ考えてみてください。

さらに心理学をマーケティングに応用する方法を知りたい場合は、こちらを参考にしてください。
行動心理学で顧客心理を掴む!マーケティングテクニック【36選】

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