顧客心理を掴む心理学

認知的不協和とは?矛盾を解消する2つの方法とマーケティング利用法

投稿日:2017-01-28 更新日:

認知的不協和 をマーケティングに応用する

自分の中で矛盾する2つの認知(事柄)を同時に抱えた場合、不快な感情を引き起こします。この状態を心理学では、認知的不協和と言います。

 例えば、“タバコを吸うと心地よい。だけど、タバコは体に悪い。” といった矛盾です。

人はこの不快感を解消するために、次のどちらかを選びます。

  • 「新しい認知を肯定するために、今までの自分を否定する」
  • 「新しい認知を否定するために、今までの自分を肯定する」

この心理学は、恋愛の場面やマーケティング、コピーライティングなど、様々な場面で応用することができます。

もしもあなたが、「なぜ自分の商品は売れないんだろう・・・?」「どうしたら注意を引くブログ記事のタイトルが作れるだろう・・・?」という疑問があったとしたら、認知的不協和をテクニックとして使ってみてください。

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認知的不協和とは

認知的不協和(Cognitive dissonance)は、1957年にアメリカの社会心理学者レオン・フェスティンガー(Leon Festinger)氏の著書『認知的不協和の理論―社会心理学序説(原題:A Theory of Cognitive Dissonance)』によって提唱されました。

例えば、『肥満は健康の大敵だ』という情報を知って、ダイエットを決意したとします。ですが、冷蔵庫には大好きなチョコレートケーキが入っています。

この場合、「食べたい! けど、食べちゃいけない!」という2つの矛盾(不協和)が生まれます。

これが認知的不協和です。

そこで、この矛盾を解消するために、次のどちらかを選びます。

  • 「ケーキはやめておこう・・・ ケーキには糖分と脂肪分がたっぷり入ってるし、体に良くないもんな」と、今までの自分(大好きなケーキ)を否定する
  • 「ケーキを食べちゃおう・・・ ケーキが腐ったらもったいないし、肥満じゃなくても不健康な人もいるもんな」と、新しい認知(ダイエット)を否定する

認知的不協和は、対象とするモノ以外で評価が歪められたり、自分の希望に沿った方向に考えが歪められたりする「認知バイアス」のひとつです。

この認知的不協和理論は、つぎのような実験結果から導き出されました。

フェスティンガーとカールスミスの実験

被験者である学生たちには、単調な作業を1時間してもらいました。作業内容は、一人で12個の糸巻きを容器に並べては取り出す作業か、留め金のついたボードを回しては元に戻すという作業です。

この後、実験担当者から「つぎに実験を行う学生には、この作業が面白い作業だったことを告げるように」と指示されます。そして、本意に反する発言の謝礼として、1ドルもらうグループと20ドルもらうグループに分けられます。

本当の実験内容は、「つまらない作業」という認知と「楽しさを伝える」という矛盾した認知とで不協和が発生した場合、報酬の違いで楽しさがどのように異なるかを確かめるものでした。

実験結果は、20ドルもらった学生は作業に対して評価が低く、1ドルもらった学生は作業に対して評価が高くなりました。

なぜこのような結果になったのでしょうか?

認知バイアスで結果の捉え方が変わる

20ドルもらった学生は、「つまらない作業をしたのだから20ドルもらう」という状況を正当化するには十分でした。それに対して1ドルもらった学生は、つまらない作業をしたのに報酬が1ドルでは正当化ができませんでした。

そこで、「作業は楽しい部分もあった」と思い込むことで、1ドルの報酬を正当化しようとしたのでした。

このように、人は2つの矛盾を認知した時には、矛盾差のギャップを埋めるために、事実が変えられない場合は自分の思考を変えることで解消しようとします。

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認知的不協和を解消する2つの方法

事実や行動が変えられない場合は、次の2つの思考法で認知的不協和を解消しようとします。どちらも自分自身を守るために行います。

  • すっぱい葡萄の理論:不快な結果の重要性を、不当に低くして納得する
  • 甘いレモンの理論:不快な結果の評価を、不当に高くして納得する

すっぱい葡萄の理論

すっぱい葡萄の理論とは、簡単に言えば「アイツが悪い理論」です。

イソップ寓話『すっぱい葡萄』に由来します。次のようなストーリーです。

ある日、木に実ったおいしそうな葡萄を、キツネが取って食べようとしました。ところが、葡萄は高いところにあって、必死に飛び上がっても手が届きませんでした。

やがて、キツネは葡萄を取るのをあきらめ、「どうせあの葡萄は酸っぱいのさ、誰が食べてやるもんか」と捨てゼリフ吐いて立ち去るのでした。

これは「葡萄が食べたいのに食べられない」という矛盾を、「あの葡萄は酸っぱいに違いない」と思い込むことで、食べられなかったことを正当化して、認知的不協和を解消したというお話しです。

目標を達成できなかった理由を、対象物を不当に低く評価することで自分自身を守ろうとします。

学生だった頃を思い出してみてください。

テストで悪い点数を取った時に、「あの先生の教え方が悪いんだよなぁ・・・」と他人や外部のせいにしたり、「今回のテストは重要じゃないし・・・」と、テスト自体の重要度を低くしたことはありませんか?

認知的不協和を解消するために、すっぱい葡萄の理論を使っていたんですね。

僕は昔、バイトの選考で落ちた時に、「あの仕事は本気でやりたかったわけじゃないから、落ちて逆にラッキーだったわ」なんて感じたことがあります。これもすっぱい葡萄の理論ですね。

甘いレモンの理論

甘いレモンの理論とは、簡単に言えば「私は正しい理論」です。

『すっぱい葡萄』に続きがあったら、甘いレモンの理論を表す、こんなストーリーが想像できます。

葡萄が取れずに帰る途中、キツネは崖の下に落ちていたオレンジを拾って食べました。ところが、拾ったのはオレンジではなく、実はレモンでした。

それでもキツネは「きっとさっきの葡萄よりも、こっちのレモンの方が甘いはずさ」と負け惜しみを言うのでした。

これは「苦労して手に入れたのにおいしくなかった」という矛盾を、「手に入らなかった葡萄よりも、手に入れたレモンの方が良かった」と、レモンを必要以上に高く評価することで、自分自身の行動を正当化して認知的不協和を解消したという例えです。

たとえイマイチな結果でも、それが最良だったと正当化できる理由を探し出して、自分自身を守ろうとします。

こちらもテストを例にあげれば、「一夜漬けのわりには、マシな点数だったよな・・・」なんて、自分を褒めたことはありませんか? 悪い点数を正当化していたとしたら、甘いレモンの理論を使って認知的不協和を解消していたことになります。

認知的不協和のコピーライティングでの応用

「認知的不協和に陥ると、不快感を解消するための行動を取る」ことを考えれば、コピーライティングでの応用が見えてきます。

商品を紹介する時や、ブログ記事のタイトルでは、お客さんの頭の中に矛盾を作り出すことで、商品(ブログ記事)が気になるようにすることができます。

矛盾とは、お客さんが持っている信念や価値観、常識についてです。

例えば、次のようなタイトルです。

例え

  • 「イビキをかいて寝ているだけで年収1,000万円」
  • 「長生きしたければ病院へは行くな」
  • 「嘘つきだから愛は育つ」
  • 「学校というコミュニティーが人をダメにする」

今まであなたが持っていた常識や価値観と異なることが書いてあると、思わず気になってしまいませんでしたか?

汗水を流すからこそお金が手に入る、という価値観を持っている人には、『寝ているだけで年収1,000万円』なんて聞くと、違和感を覚えるのではないかと思います。「詐欺か何かか?」と、嫌悪感さえ抱くかもしれません。

体を治すためには病院に行くことが常識だと思っている人にとっては、『長生きしたければ病院へは行くな』なんて言われると、「どういうこと?」と疑問に感じるのではないでしょうか。

認知に違和感や疑問が生まれれば、それを解消するための行動(読む・購買)をしようとします。自分の持っている価値観・信念が強いほど、不協和も強くなります。

認知的不協和を使った簡単なタイトルの作り方

認知的不協和を簡単に作り出すには、「今までの常識、価値観と相反する新しい提案」を「けれど・だけど・なのに・でも・しながら」といった接続詞でつなげます。

『今までの常識』+ だけど +『新しい提案』

実際にある書籍でも、認知的不協和を使ったタイトルを見ることができます。

一般的な常識とは、かけ離れたことを言うわけですから、多くの人にとっては信じられないタイトルであり、気になるタイトルになります。

ただし、認知的不協和を使ったタイトルは、ただの胡散臭いタイトルに受け取られる可能性もあります。すっぱい葡萄の理論のように、対象物(商品)を不当に低く評価することで、今までの自分を守るためです。

ですので、ブログ記事やセールスコピーで使う時には、内容が伴っていることが大切です。

認知的不協和のマーケティングでの応用

消費者は、自ら進んで商品を購入したにもかかわらず、購入後に「本当にこの商品を買ってよかったんだろうか?」と後悔することがあります。

この認知的不協和を解消するためには、例えばサンクスレターで、購入したことを歓迎する言葉を贈るなどして、安心感を持ってもらうようにします。

また、Webサイトやフォローメールなどで、商品の使い方のレクチャーや、商品購入1ヶ月後のお客さんの喜びの声を記載するようにします。お客さんとコミュニケーションを取ることで、商品を購入した後でも安心を得られるようにします。

甘いレモンの理論のように、新しく商品を買った消費者に対して、「この買い物は正しかった」と思ってもらえるような情報を多く提供することが大切ですね。

まとめ

認知的不協和とは、矛盾する二つの認知を抱えた時に感じるストレスを、自分の思考か行動を変化させることで納得しようとする心理現象です。ストレスの強さは、自分の信念・価値観の強さに比例します。

コピーライティングで認知的不協和を作り出せば、思わず気になってしまうブログ記事のタイトルを作ることができます。

セールスの場面では、購入前には価値観を揺るがす違和感を与え、購入後には安心感を与えるようにすることが大切です。

あなたの書くブログ記事や、扱う商品には、お客さんの信念を揺るがすような事実はありますか? その事実を宣言すれば、認知的不協和によって気になる存在になることができます。

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高木浩一

心理学と脳科学が好きなWeb集客の専門家。 大企業のマジメな広告デザインから男性を欲情させるアダルティな広告デザインまで、幅広いデザインを経験した元グラフィックデザイナー。心理面をカバーしたマーケティングとデザインの視点をもつ。 個人が個人として好きなことして生きていく時代に向けて「使えるマーケティング」をモットーに情報発信中。

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