マーケティング術

差別化戦略|No.1を勝ち取るための代表的な3つのポジショニング

2018-02-14

差別化戦略 のための3つのポジショニング

マーケティングでは、競合とは差別化することが重要です。なぜなら、差別化されていなければ、その他大勢に埋もれてしまうからです。

例えば、芸能界に大勢いるアイドルや芸人さんが売れない理由の一つは、他の人たちとの差別化ができていないからですね。

個人でもビジネスでも、注目されるためには差別化をすることが大切です。

差別化によってライバルとは違うポジションを築き、お客さんの頭の中で、あるカテゴリーのナンバーワンになる必要があります。

ただし「差別化」という意味は、誤解されやすい一面があります。

この記事では、差別化の正しい意味と、ポジショニングを考える際に参考にできる3タイプの差別化戦略を解説します。

  1. 「業務の卓越性」戦略
  2. 「商品の優位性」戦略
  3. 「顧客との親密性」戦略

あなたのビジネスでの、差別化戦略のヒントに役立ててください。

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差別化の正しい意味とは

差別化を考える際に、多くの人が誤解をしやすい「差別化」の意味があります。

それは「競合他社より優位である」という表現です。

例えば、「うちはA社よりも安いです」「うちは他社よりも機能が充実しています」といった比較表現は、正しい差別化ではありません。

正しい差別化の意味とは、優位性ではなく「独自性」です。

例えば、マクドナルドとモスバーガーの違いを考えた場合、「マクドナルドはモスバーガーよりも安い、モスバーガーはマクドナルドよりも高い」というイメージしか思い浮かばなければ、両社は差別化戦略に失敗していることになります。

ですが、おそらく「マクドナルドは安くて手頃、モスバーガーはこだわりの食材を使っている」というような、特色の違いをイメージされるのではないでしょうか?

もしもそうだったなら、両社は差別化ができていることになります。

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差別化戦略で代表的な3つのポジショニング

アメリカの経営コンサルタントであり起業家のマイケル・トレーシー氏とフレッド・ウィアセーマ氏は、1995年に刊行した著書『ナンバーワン企業の法則』で、ナンバーワンになる企業には、3つの価値基準があることを提唱しました。

価値基準とは、お客さんが求めるベネフィット(満足感)の基準のことです。

つまり差別化戦略は、お客さんが求めるベネフィットの違いによって、大きく分けると3タイプの戦略に分類できるということです。

3タイプの差別化戦略とは、次のとおりです。

  1. 「業務の卓越性」戦略・・・価格の安さや簡便さを重視
  2. 「商品の優位性」戦略・・・品質の高さを重視
  3. 「顧客との親密性」戦略・・・人との関わりや自由度を重視
差別化戦略の3タイプ

差別化戦略の3タイプのイメージ図

トレーシー氏とウィアセーマ氏は、「全ての企業活動は、3タイプのいずれかで競合との圧倒的な差別化を図ればナンバーワンになれる」と主張しています。

あなたが差別化戦略を考える際には、いずれかの戦略を中心に考えてみてください。3タイプの価値提供のうち、少なくとも1つのやり方を徹底して、他の2つは最低限の期待を上回ることが大切です。

それぞれの特徴について解説していきます。

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1. 業務の卓越性(オペレーショナル・エクセレンス)戦略

業務の卓越性戦略

業務の卓越性(オペレーショナル・エクセレンス)とは、顧客に「安さ、便利さ、早さ」といった価値を提供する差別化戦略です。

ターゲットとする顧客層は、手軽さや価格の安さを重視する人です。価格が安ければ、そこそこの品質でも満足する価値観を持っています。

当たり前ですが、“そこそこの品質” と言っても、“悪い” という意味ではありません。いくら価格が安くても、悪い商品にお金を払いたいと思う人なんて誰もいないですからね。

“こだわりの品質” と対比させるために使っています。

「安さ」を実現するためには、大量の仕入れや大量の販売が必要です。また、「便利さ・早さ」を実現するためには、高度なオペレーションシステムが必要になります。

ですので、この「業務の卓越性」戦略は、大企業が得意とする差別化戦略だと言えます。

業務の卓越性戦略の例え

ファストフードで例えるなら、マクドナルドが「業務の卓越性」戦略を取っています。

マクドナルドのハンバーガーを求める場合は、厳選された素材や飛び切りの美味しさではなく、そこそこの価格や手軽感が判断基準になります。ですので、ハンバーガーの価格が高かったり、注文してから商品が出てくるまでに時間がかかると選ばれなくなるかもしれません。

美容室で例えるなら、1000円カットのお店が「業務の卓越性」戦略ですね。めちゃくちゃ上手いカットの技術よりも、安さや早さを求める人たちが通いたいと感じます。

また、ダイエーやイトーヨーカドーといったスーパーマーケットも、安さや手頃な商品が買い物をする際の決め手になります。

2. 商品の優位性(プロダクト・リーダー)戦略

商品の優位性戦略

商品の優位性(プロダクト・リーダー)とは、顧客に「高級感、こだわりの品質、希少性」といった価値を提供する差別化戦略です。「安さ」とは反対の戦略になります。

ターゲットとする顧客層は、メリットを重視する人です。たとえ価格が高かったとしても、商品の性能や品質を第一に考える価値観を持っています。

「高級」を実現するためには、高い製造技術や最新技術、専門性が必要になります。企業の技術やアイデアを重視する、プロダクトアウトの考え方とも言えます。

小さな会社や個人ビジネスでは、この「商品の優位性」戦略を選ぶことが、圧倒的No.1になるひとつのポイントになります。

商品の優位性戦略の例え

ファストフードで例えるなら、モスバーガーやフレッシュネスバーガーが「商品の優位性」戦略だと言えます。

マクドナルドではなくフレッシュネスバーガーを求める場合は、価格が高かったとしても、厳選された素材やこだわりの製法での美味しさが判断基準になります。ですので、こだわりがなくなったり、簡便さを訴えられると選ばれなくなるかもしれません。

美容室で例えるなら、青山や原宿にあるようなカリスマ美容師のいる美容室ですね。憧れの美容師さんに、最高のカットをしてもらいたい人たちが通いたいと感じます。

スーパーマーケットで例えるなら、成城石井や紀ノ国屋にあたります。

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3. 顧客との親密性(カスタマー・インティマシー)戦略

顧客との親密性戦略

顧客との親密性(カスタマー・インティマシー)とは、「顧客との関係性や自由度の高い対応」を価値として提供する差別化戦略です。

ターゲットとする顧客層は、関わりや自由度を重視する人です。商品の性能や品質よりも、自分のわがままに付き合ってもらったり、特別な関係性を大切に考える価値観を持っています。

「お客さんが必要なモノを提供しよう」という、マーケットインの考え方ですね。

顧客との関わりを大切にすることで、たとえ品質はそこそこの商品だったとしても、高価格でも満足してくれることがあります。

カスタマー・インティマシーのポジショニングイメージ図

顧客との親密性戦略は満足度の幅が広い

リピーターやファンになってもらえる可能性は、3つの差別化戦略の中ではもっとも高い戦略です。ですので、小さな会社や個人ビジネスでは、この「顧客との親密性」戦略を採用することがナンバーワンになりやすい戦略だと言えます。

顧客との親密性戦略の例え

ファストフードで例えるなら、サブウェイが「顧客との親密性」戦略を取っています。

サブウェイでは、自分の好きなようにサンドイッチをカスタマイズして注文することができます。ですので、注文する際に店員さんの接客態度が悪かったり、お客さんの要望を無視したラインナップを揃えた場合は、選ばれなくなるかもしれません。

美容室で例えるなら、町の小さな美容室がそうですね。

たとえカットの技術が最高ではなかったとしても、美容師さんとの会話を楽しみ、丁寧な接客をしてもらいたい人が、長年に渡って通いたいと感じます。

スーパーマーケットで例えるなら、町の商店街や、小さな八百屋さんにあたります。顔なじみになって融通のきく対応をしてもらうことで、何度も利用したくなります。

ブログ集客にも応用できる3タイプの差別化戦略

3タイプの差別化戦略は、ブログ集客にも応用することができます。

ブログ集客での業務の卓越性戦略

ブログでの業務の卓越性戦略は、圧倒的な記事の量でアクセスを集める差別化戦略です。

1000ページ以上のブログ記事を投下するためには、外部にWebライターを雇い、ある程度のクオリティで記事作成をしてもらう必要があります。

ブログ集客での商品の優位性戦略

ブログでの商品の優位性戦略は、圧倒的な記事のクオリティでアクセスを集め、信頼を獲得する差別化戦略です。

たとえ100〜200ページのブログでも、専門性に特化させることで信頼を獲得しやすく、想定したブランディングを構築できます。

ブログ集客での顧客との親密性戦略

ブログでの顧客との親密性戦略は、ブログ記事へのコメントを記入してもらい、コメントを返すことで信頼を獲得する差別化戦略です。

読者と交流することは、何度もブログへ訪れてくれるきっかけになるので、ファンになってもらいやすい傾向があります。ただし、一部の心ないユーザーの書き込みの可能性があるなど、ブランディングのコントロールが難しい側面があります。

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まとめ

正しい差別化とは、優位性ではなく独自性のことです。

想定するお客さんに「競合より◯◯」という比較表現だけをイメージされるようでは、正しい差別化ができているとは言えません。

差別化戦略は、お客さんが求めるベネフィットの違いによって、大きく分けると3タイプに分類することができます。

  1. 「業務の卓越性」戦略・・・価格の安さや簡便さを重視
  2. 「商品の優位性」戦略・・・品質の高さを重視
  3. 「顧客との親密性」戦略・・・人との関わりや自由度を重視

この3タイプのいずれか1つを徹底して、他の2つについては最低限の期待を上回れば、ナンバーワンになれる可能性が高くなります。

あなたのビジネスでは、どのような価値を提供するのかを決定して、差別化戦略を進めるようにみてください。

差別化のためのポジショニングが決定したら、次は統一感を持ったプランニングが必要です。

次の記事では、統一感を持たせたマーケティングプランの解説をします。
Next⇒「マーケティングミックスとは?4P/8P/4C分析で一貫性の確認!

追伸

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  • この記事を書いた人

高木浩一

心理学と脳科学が好きなマーケティング・Web集客の専門家/解脱しかけのゲダツニスト/ 大企業のマジメな広告デザインから男性を欲情させるアダルティな広告デザインまで、幅広い分野を経験した元グラフィックデザイナー。心理面をカバーしたマーケティングとデザインの両方の視点をもつ。個人が個人として活躍する時代に向けて「使えるマーケティング」をモットーに情報発信中。

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