顧客心理を掴む心理学

ツァイガルニク効果|仕事や勉強に役立つ「続きが気になる」心理学

投稿日:2016-10-06 更新日:

ツァイガルニク効果

中途半端に終わった事柄に対して記憶が残りやすくなる現象のこと、心理学ではツァイガルニク効果と言います。

簡単に言えば、続きが気になる現象です。

例えばある日、あなたは漫画喫茶で初めて見る漫画を手に取ったとします。面白くて、一気に9巻まで読み進めた時に気づきます。全10巻のその漫画の「10巻」だけがないことに!

この時あなたはきっと、最後まで読みたい気持ちでいっぱいになるのではないでしょうか。読めないストレスで、イライラするかもしれませんよね。

「最後までやり遂げたい気持ち」、これがツァイガルニク効果です。

このツァイガルニク効果は、恋愛や仕事や勉強のテクニック、マーケティングやコピーライティングなど、様々な場面で使うことができます。

ポイントは「未完成で終わって続きが気になるようにすること」です。ツァイガルニク効果を上手に使って、ビジネスや勉強に役立ててください。

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ツァイガルニク効果 とは

ツァイガルニク効果(Zeigarnik effect)とは、「人は達成できなかった事柄や、中断している事柄に対して、より強い記憶や印象を持つ」という心理現象です。その度合いは、夢中になり完了間近なものほど強くなります。

この心理現象は、ドイツのゲシュタルト心理学者のクルト・レヴィン氏と、当時留学生だったリトアニア出身でソビエト連邦(現ロシア)の女性心理学者のブルーマ・ツァイガルニク氏の仮説によって始まりました。

人間の記憶について、「人は目標に向かっている時は緊張感が生まれるが、目標が達成されると緊張感は解消する」という仮説です。

1931年にツァイガルニク氏の仮説は心理学実験によって実証され、彼女の名前をとってツァイガルニク効果と名付けられました。「Zeigarnik」の読み方によって、ザイガニック効果とも呼ばれます。

心理学実験は、具体的にはつぎのような内容です。

ツァイガルニク効果の心理学実験

実験では被験者を2つのグループに分けて、簡単な作業や粘土細工、パズルを解く課題を次のような条件でしてもらいます。

  • Aグループ:最後まで課題を完了して次の課題へ移行する
  • Bグループ:途中で課題の邪魔をされて次の課題へ移行する

全ての課題が終わった段階で、それぞれのグループに「今やった課題にはどんなものがあったか?」と質問をします。すると、課題を中断されたBグループの方が、Aグループの倍ほどの数の課題を答えることができたという結果になりました。

さらに「未完成の図形」と「完成した図形」の知覚実験も行いました。こちらの結果は、「未完成の図形」の方が「完成した図形」よりも記憶や印象が強く残ることがわかりました。

これらの結果から「物事は何事もなく完了させるよりも、中断された方が記憶力を向上させる」ということが実証されました。

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ツァイガルニク効果の身近な例

ツァイガルニク効果が一番わかりやすいのは、連続ドラマです。

一話分の最後では「この後どうなるの?」という、続きが気になるところで終わるように作られています。さらに、次回予告を少しだけ見せることで、「どんな展開になるんだろう?」と興味を引きつけています。

2時間ほどで一気に観れる映画のストーリーって、意外と詳細を覚えていなかったりしませんか? 映画よりもドラマの方が内容を覚えているのは、ツァイガルニク効果によるものなんですね。

テレビ番組のCM直前のテロップも、ツァイガルニク効果を狙っています。「CMの後、急展開!」などのテロップがあると、思わず続きを見たくなってしまいますよね。

失恋が忘れられないのもツァイガルニク効果

失恋した経験があればよく分かると思いますが、「別れを告げた人よりも、フラれた人の方が未練が残る」というのもツァイガルニク効果です。

別れを告げた側は、恋愛を完結させたことでスッキリしますが、フラれた側は、続けたかった恋愛が未完に終わってしまったことで、強く記憶に残ります。

「いつまでも忘れられないなんて、なんて自分は未練たらしいんだ・・・」と思っていたのは、脳の仕組みの問題だから仕方なかったことなんですね。

では次に、この脳の仕組みを活かす方法をご紹介します。

仕事や勉強の効率アップに使えるツァイガルニク効果

ツァイガルニク効果は、仕事や勉強の効率アップに使うことができます。

仕事や勉強などで没頭すると、「ついつい長時間のめり込んでしまった」という経験はありませんか? 長時間集中すると、脳が疲労を感じて、休み時間も長くなってしまいがちです。

そんな場合は、集中する時間と休憩する時間をあらかじめ決めておきます。

一定時間で強制的に一時ストップさせることで、疲労がたまりにくくなり、ツァイガルニク効果の「続きが気になる」特性が発揮して、集中力が途切れにくくなります。

さらに、途中で中断することで記憶力もアップします。

「続きが気になる」特性は、恋愛の場面で使える

「続きが気になる」特性は、恋愛の場面では別れ際に応用できますね。

デート、電話、LINEなどでは、大満足して終わらないようにします。

お腹いっぱいにさせずに腹7分目くらいにしておくことで、「・・・もっとこの人のことを知りたい」と思ってもらうことができれば、次のデートにも応じてもらいやすくなります。

何か質問をして終えることで、相手からの返事をもらいやすくすることもできますよね。

ツァイガルニク効果を利用したビジネスモデル

「最後までやり遂げたい、 続きが気になる」というツァイガルニク効果は、マーケティングではよく使われています。

例えば電子書籍では、小説なら最初の数十ページ、漫画なら最初の1巻を無料で読んでもらうことで、「続きを読みたい」という気持ちを引き出して、購入してもらうようにしているケースがありますよね。

分冊百科と呼ばれる出版社のデアゴスティーニは、創刊号を格安で提供することで多くの顧客を集めるビジネスモデルを展開しています。そして、多くの顧客の中から「最後まで完成させたい」という気持ちになった人に、完成まで商品を購入してもらって利益を上げています。

10万円以上する商品を分割して、1年以上かけて販売をするのは、ツァイガルニク効果がなければ難しいかもしれません。

最初の◯◯を無料で提供、もしくは格安で提供することで、「続きが気になる!」「最後まで完成させたい!」という気持ちを引き出すことができれば、ビジネスとしては成功だと言えます。

Webマーケティングでのツァイガルニク効果の使い方

「人は未達成のものに対して強い記憶や印象を持つ」ということを応用すれば、Webマーケティングでの使い方が見えてきます。

ランディングページでは、CTAは1つのみにする

「申し込み」というコンバージョン(成約)が目的のランディングページでは、ツァイガルニク効果の「未達成のものが気になる状態」にならないように、コンバージョン以外の選択肢(CTAやリンク)は、あらかじめ排除しておくようにします。

コンバージョン以外の選択肢(CTAやリンク)があると、読み手はそちらの方にも意識が傾いて、気になる状態になってしまうからです。

読み手に「申し込み」への情報に集中してもらうためには、目的以外の情報はなくし、CTAは1つのみにして、リンクは必要最低限数に抑えて、さらに目立たないようにしておきます。

クリックされるCTAについては「【決定版】CTAボタンのデザイン改善でCV率を上げる7つの方法」の記事で詳しく解説しています。

ベネフィットを語って、オファーを焦らす

同じくランディングページでは、これでもかというくらいにベネフィット(商品の満足感)を語ることで、商品・サービスに対する期待感を高めます。ですが、商品の全貌やオファーについてはなかなか紹介しないことで、読み手を焦らします。

焦らすことで、最後まで読みたくなるツァイガルニク効果を狙えます。

サイトを回遊してもらうには、続きが気になるようにする

ランディングページとは反対に、いろんな記事を読んでもらいたいブログ記事では、テレビドラマの終わり方のように、続きが気になるようにします。

例えば、ブログ記事では1つのテーマだけで完結させずに、最後の方で、読み手にとってさらに興味を引く事柄を紹介します。読み手にとって未完の状態をつくることができれば、次の記事へのリンクや、他の関連記事にも興味を示してくれるようになります。

軽めのブログ記事や、メールマガジンであれば、読み手に問題を出して、次の日に解答することを告げることで、「答えを知りたい!」というツァイガルニク効果を狙えます。

ブログ記事のタイトルでは、未完の状態をつくる

読ませるブログ記事のタイトルをつける時には、虫食いや質問型にして、読み手にとって未完の状態を作るようにします。

例え

  • 「【新事実】朝食で摂っておきたい栄養素は◯◯と◯◯!」
  • 「あなたにも起こるかもしれない!本当にあった怖い・・・」
  • 「3位はテレビテニス、2位はバーチャルボーイ、では1位は?」

読み手の頭に疑問が浮かべば、続きを読んで答えを知りたいという、ツァイガルニク効果を狙うことができます。

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まとめ

ツァイガルニク効果とは、「未達成の事柄に対しては強く印象に残る」という現象です。その度合いは、夢中になり完了間近なものほど強くなります。

この脳の特性は、仕事や勉強の効率をアップさせることに利用できます。ぜひ、ツァイガルニク効果の特性を活かして、効率化を実現させてください。

また、Webマーケティングに使うことで、ランディングページでの成約率アップや、読み手の印象に残るブログ記事を提供することができます。

セールスコピーの場合は、禁止されると気になる「カリギュラ効果」と合わせることで、さらに読み手に強い印象を残すことができるようになります。

次の記事では、禁止されると破りたくなる心理とその使い方を解説しています。
Next⇒「カリギュラ効果|禁止されるとやりたくなる誘導テクニックの使い方

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高木浩一

心理学と脳科学が好きなマーケター/Web集客の専門家。 大企業のマジメな広告デザインから男性を欲情させるアダルティな広告デザインまで、幅広い分野を経験した元グラフィックデザイナー。心理面をカバーしたマーケティングとデザインの両方の視点をもつ。 個人が個人として活躍する時代に向けて「使えるマーケティング」をモットーに情報発信中。

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