ビジネスで扱うオファー(Offer)とは、「提案する・申し出る」といった意味があります。例えば、テレビや新聞では、次のようなニュースを見かけますよね。
- 「新人女優にCMのオファーが殺到!」
- 「日本代表サッカー選手に海外ビッグチームからオファーか?!」
これは「企業から契約の提案をする」という意味のオファーです。
ビジネス用語のオファーの意味は、「売り手と買い手の取引条件」のことを指します。商品やサービスを販売する時には、買い手に対して、どんな条件で販売するのかを取り決めます。
オファーの内容が違うだけでも成約数は大きく変わります。ですので、マーケティングにとってオファーは非常に重要な要素だと言えます。
この記事では、ビジネスで扱うオファーの意味の解説と、売上アップのためのオファーの種類を紹介します。あなたのビジネスの売上をアップさせるために、確認してみてください。
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オファーの意味と使い方
オファーとは、ビジネス用語としては「売り手と買い手の取引条件」のことを指しますが、ビジネスの中でもセールスの場面に絞れば、一般的に「割引や返金保証」といった特典のことを指します。
例えば、同じ商品だとしたら、あなたは次のどちらの会社から商品を買おうと思いますか?
- A社:商品価格は10,000円。送料500円。翌々日配送。
- B社:商品価格は10%OFFの9,000円。返金保証・送料無料・即日発送。メンテナンスキットのおまけ付きキャンペーン実施中。
これがオファーの違いです。A社よりもB社の内容に魅力を感じませんでしたか?
10,000円という条件で商品を販売することが、ビジネスとしてのオファーです。
10,000円の商品を9,000円という条件にして販売することや、返金保証、送料無料、即日発送、おまけという特典をつけることが、マーケティングとしてのオファーです。
いかに買い手にとって魅力的なオファーを提案できるかどうかが、成約率アップに結びつきます。
Web集客では無料オファーがよく使われる
また、インターネットを使った戦略としてよく使われるオファーに、「無料オファー」があります。
無料オファーとは、見込み客(将来商品を買う可能性のある人)の連絡先(メールアドレス)を教えてもらう条件で、無料で価値のあるものを提供するというオファーです。
例えば、あなたのWebサイトにやってきた人は、少なからずあなたのビジネスに興味がある人たちですよね。その人たちのメールアドレスを知ることができれば、将来お客さんになる可能性のある人に、あなたからアプローチをすることができるということです。
そのために、無料でも価値のあるものを提供します。
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オファーはコピーよりもデザインよりも重要
Web集客で使われるWebサイトやECサイトには、「資料請求の申し込み」や「販売」といった目的があります。ですが、簡単にお客さんが申し込みをしてくれることはありません。
同じような商品が他のサイトにもあった場合、あなたのオファーが魅力的でない限り、あなたのWebサイトから申し込みをしてくれることは難しくなります。そこで、お客さんが申し込みをしたくなるような、魅力的なオファーを用意する必要が出てくるんですね。
世界一のコピーライターと言われたゲイリー・ハルバート氏は、次のように指摘しています。
「強いオファーはコピーをカバーできるが、弱いオファーはどんなコピーもカバーできない」
つまり、商品が売れなかったら、その原因はコピー(文章)ではなくオファーだと言えるほど、オファーは重要な要素なんですね。
多くの企業は大胆なオファーができないので、あなたが大胆で魅力的なオファーをつくることができれば、それだけで業界内でひとり勝ちになる可能性さえあります。
では、売れるオファーはどのように作ればよいのでしょうか?
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売れるオファーの作り方 14種類
売れるオファーを作るには、お客さんが何を求めているのかを考えることが大切です。
「お願いだから、あなたから買わせてくれ!」と、お客さんが抵抗できないほど魅力的なオファーは何かを考えるには、想像力と度胸が必要です。
オファーはアイデア次第でいくらでも考えられるのですが、ここでは代表的な4種類、合計14種類のオファーを紹介します。あなたのビジネスの参考にしてみてください。
- 満足感を増やすオファーにする
- リスクを取り除くオファーにする
- 思わず欲しくさせるオファーにする
- 割引でお得感を増やすオファーにする
1. 満足感を増やすオファーにする
商品そのものだけでなくプラスアルファの価値を加えて、お客さんに大きな満足感を与えるオファーにできないかを考えます。
1-1. 商品を組み合わせる
Aという商品だけでなく、Bという商品も組み合わせて販売するオファーです。
テレビの通販番組でもよく見かける販売方法ですね。例えばフライパンを販売するとしたら、小さなフライパンとセットにしてみたり、お手入れ用品をセットにして販売します。
1-2. ボーナスをたくさん付ける
「これも付けて、さらにこれも・・・」とボーナスをたくさん付けて、お得感を演出するオファーです。
こちらも通販番組でよく見かけますよね。人はおまけに弱いので、「おまけに釣られて買ってしまう」ということも起こります。ただし、全く価値を感じないモノをおまけにつけると逆効果になってしまうので注意が必要です。
1-3. ランクを分ける
A席は10,000円、B席は3,000円といった、商品にランクを分けるオファーです。
新幹線のグリーン車や、コンサート、スポーツ観戦などでは、当たり前に感じるほど身近な販売方法ですね。
ランクによって、さらにプレゼントやサービスなどの付加価値を加えれば、一番良い商品を購入する人は優越感を味わえますし、一番安い商品を購入する人は経済的な満足感を味わえます。
2. リスクを取り除くオファーにする
人はお金を払う時には非常に慎重になります。「お金を払うこと」と「体を痛めつけられること」は、脳が同じ痛みとして感じるほどです。
そのため、できるだけ買い手のリスクを売り手が負うことで、痛みを取り除いてあげるオファーにできないかを考えます。
2-1. 返金保証
「使ってみて気に入らなければ、商品を返品して代金を返金する」という保証をつけるオファーです。
返金を求めるお客さんが一定数出てくるリスクはありますが、それよりも返金保証の安心感で、お客さんが増える数の方が多いので効果的です。
2-2. 分割払い
代金全額を一括で払うのではなく、分割して支払ってもらうオファーです。高額商品の場合によく使われます。
人はお金が出て行く時には、なるべく少額であってほしいと望みます。
例えば、30万円の商品を購入する機会があったとします。すでに手もとに30万円の用意があったとしても、分割払いの方が安心するということはありませんか?
分割払いの選択肢があれば、一括払いのみよりも申し込み率は高くなります。
2-3. ◯日間無料
先に無料で一定期間、商品・サービスを試してもらうオファーです。
キャッシュフローは悪くなりますが、成約率は3倍になるといったケースもあります。サービス業など、内容が分かりにくいものに対して有効です。
キャンセルの可能性はありますが、商品の価値を感じていれば保有効果が働きます。保有効果とは、すでに所有しているモノに対して、愛情に似た価値を感じて手放したくなくなるという心理現象です。
2-4. 成果保証
「満足できなかった場合は、満足するまで対応する」という保証をつけるオファーです。
例えば、あなたが手術を受けることになったとします。手術前にお医者さんから「失敗したら返金しますので、安心してください」と言われたら、どんな気持ちになりますか?
きっと、まったく安心できないですよね。
お客さん自身に何か変化を与えるような商品・サービスの場合は、返金よりも成果を保証することが、重要なオファーになることがあります。
3. 思わず欲しくさせるオファーにする
人は本能的に、希少性の高いものに魅力を感じる性質を持っています。そこで、今のオファーに、希少性や限定性を付け加えることができないかを考えます。
ただし、うそをついて希少性を演出することは厳禁です。本当に希少性のあるものにすることが大切です。
3-1. 期間限定
販売する期間(時間)を限定するオファーです。
- ◯日まで
- ◯曜日のみ
- ◯時〜◯時のタイムサービスなど
例えばケーキ屋さんの場合、期間限定のスイーツを販売することで、「今の時期しか食べることができない!」という希少性を演出できます。
3-2. 数量限定
販売する数量(人数)を限定するオファーです。
- 先着◯名様
- 限定◯個
- お一人さま◯個までなど
例えばラーメン屋さんの場合、『1日限定100食』という数量を限定することで「なくなる前に食べたい!」という希少性を演出できます。
3-3. 条件限定
販売するにあたって条件をつけるオファーです。
- メンバーのみ
- 初回のみ
- 女性限定
- ◯円以上お買い上げの方限定など
例えば飲食店の場合、『会員限定メニュー』という条件をつけることで、「会員だけが食べられる希少性」や「会員でいることの優越感」を演出できます。
3-4. 非売品をおまけに付ける
非売品を商品につけることで、付加価値を高めるオファーです。
例えば音楽CDに、非売品ポスターやポストカードが付いてるやつです。どれだけ希少価値のある非売品をおまけに付けることができるかがカギです。
4. 割引でお得感のあるオファーにする
今のオファーに、割引をすることでお得感を演出できないかを考えます。ただし、単純に割引をするオファーは慎重に考える必要があります。
なぜなら、利益率が下がりますし、お客さんが割引に慣れてしまうと、元の価格では買いたくなくなってしまうからです。割引をする時には、何かの理由を設けることが大切です。
4-1. 買う量に対して割引する
3つ買ったら20%オフ、5つ買ったら30%オフ、といった割引のオファーです。
「あとひとつ買えば割引率が上がるなら・・・」と得をしたい心理が働き、一度に複数個買ってくれる可能性が高くなります。
4-2. メンバーシップのレベルに応じた割引
お得意さんに向けた、早期限定割引をするオファーです。
お得意さんは特別扱いされることに喜んでくれますし、期限間近になると申し込みが増えるという傾向もあります。
お得意さんのレベルを複数設ければ、さらに上のレベルに行きたいという気持ちも生まれるので効果的です。
4-3. 季節限定セール
母の日セール、秋の味覚セール、クリスマスセールなど、季節に応じた特売を提案するオファーです。
いろんなイベントを考え出せば、1年中違うセールを行うことも可能です。ただしセールをしすぎると、定価では買ってくれなくなるので注意が必要です。
ジム・コブス99通りのオファー
日本郵便株式会社のWebサイトに、オファーの具体的な例として有名な「ジム・ コブス99通りのオファー」が載っていますのでご紹介します。
参考サイト:ジム・ コブス99通りのオファー
オファーを考える時のポイント
オファーを考える時には、単純な割引が魅力的なオファーになるわけではないことを心に刻んでおく必要があります。
オファーとは、買い手にとって魅力的なものでなければ意味がありません。
例えば、電気シェーバーが壊れたので買い換えたいと思っていたところ、50%割引で売っていたとします。ですが、その電気シェーバーには動く保証がないとしたら、あなたは買いたいと思いますか?
おそらく90%割引で売っていたとしても、欲しいとは思わないですよね。
当たり前ではありますが、オファーを考える時には、
- 商品が売れる理由は何か?
- 買い手の欲求は何か?
- 買い手が欲しい結果は何か?
- 買い手の不安は何か?
といった、お客さんのことを知っておく必要があります。
まとめ
ビジネスにおいてのオファーとは、売り手と買い手の取引条件のことです。マーケティング用語としては、一般的には特典のことを指します。
成約率をアップさせるためには、お客さんにとって魅力的なオファーをつくることが大切です。
オファーは、広告での写真の見栄えやコピーライティング(文章)よりも重要です。ですので、もしもあなたの商品が売れていないのだとしたら、原因を考える時には、まずはオファーの内容を再確認してみてください。
売上を最大にする方法には他にも、アップセルやクロスセル、フロントエンドやバックエンドといった考え方もあります。あなたのビジネスでは、どんなオファーやセールス方法が有効かを考えてみてください。
追伸
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