マーケティング術

R-STP-MM-I-C|売れるマーケティングの手順と戦術プロセス

2018-02-20

R-STP-MM-I-C| マーケティング戦略 と戦術の流れ

マーケティングの進め方がわからなければ、マーケティングの基本手順を5つのステップで表した「R-STP-MM-I-C」を参考にしてみてください。

売れる商品・サービスをつくるための、戦略・戦術プロセスです。

例えば、家を建てるには、設計図をつくってから必要な資材を準備して、実際に建て始めますよね。売れる商品をつくるときにも、まずは設計図をつくることから始めます。

戦略的マーケティングプロセスの5つのステップとは、次のとおりです。

  1. Research:調査
  2. STP:セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング
  3. MM:マーケティングミックス
  4. Implementation:実施
  5. Control:管理

セールス活動を簡単にするためにも、「R-STP-MM-I-C」の流れを確認してみてください。

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R-STP-MM-I-C(STP分析)とは

「R-STP-MM-I-C」とは、マーケティングの世界的権威であるフィリップ・コトラー氏が提唱した、マーケティングの基本手順を5つのステップで表したフレームワークです。

R-STP-MM-I-C

R-STP-MM-I-C

特にSTPが重要なことから、STPだけを抜き出して「STP分析」として扱われることもあります。

この「RSTPMMIC」は、マーケティング戦略である『R・STP』と、マーケティング戦術である『MM・I・C』に分けることができます。

マーケティング戦略の「R・STP」

マーケティング戦略とは、企業のミッションや具体的な目標達成のために立てる、長期的なプランのことを言います。

まずは、「売れるためには、どのような商品をつくるのか?」という戦略的プロセスを考えます。

市場調査(Research)を行い、狙うべき顧客層の細分化(セグメンテーション:Segmentation)、顧客層の選定(ターゲティング:Targeting)、自社の立ち位置(ポジショニング:Positioning)を考えます。

家で例えるなら、設計図を描く段階ですね。

マーケティング戦術の「MM・I・C」

マーケティング戦術とは、戦略を具現化するための方策を指します。

マーケティング戦略を立てたら、次に「どうやって商品をつくり、販売するのか?」という戦術的プロセスを考えます。

マーケティングミックス(Marketing Mix)で商品パッケージ、価格の設定、流通方法、宣伝方法などについて決定し、実施(Implementation)します。

家で例えるなら、資材を準備して実際に建てる段階です。

そして最後に、「思ったように売れているか?」の検証をして、その改善を管理(Control)します。建て終わった家の維持や、補修にあたります。

では、「R-STP-MM-I-C」の5つのステップを順番に解説していきます。

  1. Research:調査
  2. STP:セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング
  3. MM:マーケティングミックス
  4. Implementation:実施
  5. Control:管理

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ステップ1 Research:調査

ステップ1では、市場についての調査を行います。

コトラー氏は、著書『コトラーの戦略的マーケティング』の中で、調査について次のように指摘しています。

「調査せずに市場参入を試みるのは、目が見えないのに市場に参入しようとするようなものだ」

当然ですが、誰からも必要とされていない商品をつくっても、売れることはありません。まずは、どのようなモノが世の中で必要とされているのかを調査する必要があるんですね。

調査は大きく分けると、2種類に分類できます。

  1. マクロ環境分析
  2. ミクロ環境分析

1. マクロ環境分析

マクロ環境分析とは、自社が制御できない社会全体に関する要因についての分析です。世の中の変化や、トレンドを味方につけるために行います。

コトラー氏は、マクロ環境を分析する方法として「PEST分析」を提唱しています。

PEST分析

  • Political(政治的環境):法律、税制、政権などの分析
  • Economic(経済的環境):景気、株価、物価、消費動向などの分析
  • Social(社会的環境):人口動態、世帯、流行、教育などの分析
  • Technological(技術的環境):インフラ、新技術、特許などの分析

2. ミクロ環境分析

ミクロ環境分析とは、自社が制御できる身近な要因についての分析です。ミクロ環境は、外部環境と内部環境に分類できます。

  • 外部環境:競合他社や市場(お客さん)について
  • 内部環境:自社について

有名なミクロ環境分析としては、経営学者マイケル・ポーター氏が提唱した「ファイブフォース分析」があります。

ファイブフォース分析

  • 新規参入業者:参入障壁はどれくらいか?
  • 競争業者:直接競合の脅威はどれくらいか?
  • 代替品:間接競合の脅威はどれくらいか?
  • 買い手:販売先で自社の優位性はどれくらいか?
  • 売り手:供給元で自社の優位性はどれくらいか?

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ステップ2. STP:セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング

ステップ2では、セグメンテーションで市場を細分化し、ターゲティングで狙うべき顧客層を絞り、ポジショニングで顧客層の頭の中に自社をNo.1の存在になるように位置付けます。

  • Segmentation:市場を細分化
  • Targeting:顧客層を絞る
  • Positioning:No.1の場所を陣取る

3つの要素をまとめて「STP分析」「STP戦略」「STP理論」とも呼ばれます。

順番は特に重要ではありません。セグメンテーションとターゲティングを同時に行うこともありますし、ポジショニングを行った後でターゲティングを調整することもあります。

Segmentation:市場を細分化

セグメンテーション

セグメンテーション

セグメンテーションとは、特定の基準をもとにニーズが共通している項目で市場(お客さん)を分割することです。

もっとも買ってもらいやすいお客さんを見つけるために行います。なぜなら、世の中の全ての人が満足するような商品・サービスは存在しないからですね。

セグメンテーション戦略|ターゲティングへ正しく導く4つの軸と注意点」の記事では、セグメンテーションの方法を解説しています。

Targeting:顧客層を絞る

ターゲティング

ターゲティング

ターゲティングとは、セグメンテーションで細分化した市場の中から、狙うべき顧客層を絞ることです。

買ってもらいやすいお客さんに向けた商品をつくり、そのお客さんが注目するような広告や情報を発信するために行います。

また、商品開発や広告費に使えるコストには限りがあるので、コストを最小に抑えて、利益を最大にするためでもあります。

ターゲティング戦略|効果的に顧客層を絞る6つのパターン」の記事では、ターゲティングの方法を解説しています。

Positioning:No.1の場所を陣取る

ポジショニング

ポジショニング

ポジショニングとは、狙うべき顧客層の頭の中に、あるカテゴリーで自社の商品をNo.1の存在に位置付けることです。

競合他社に対しては「戦って勝つ」ことではなく、「戦わずに勝つ」ことを目指します。STP分析の中でも、このポジショニングが一番重要な要素になります。

ポジショニング戦略|マーケティングで重要な差別化と独自化の方法」の記事では、ポジショニングの方法を解説しています。

ステップ3. Marketing Mix:マーケティングミックス

ステップ3では、マーケティング戦略で描いた構想を元に、実際に商品化を進めていきます。

商品をつくって販売を進めるためには、いくつかのマーケティング要素が必要になります。その複数の要素をまとめたものをマーケティングミックスと呼びます。

現在では、「製品のための4P分析」「サービスのための8P分析」「顧客視点の4C分析」に集約できます。

これらの要素は、全て一貫性があることが大切です。

マーケティングミックスとは?4P/8P/4C分析で一貫性の確認!」の記事では、4P、8P、4Cの詳しい解説をしています。

4P:製品のための分析

  1. Product:製品
  2. Price:価格
  3. Place:流通
  4. Promotion:プロモーション

8P:サービスマーケティングのための分析

  1. Product elements:サービス・プロダクト
  2. Price and other user outlays:価格とその他のコスト
  3. Place and time:場所と時間
  4. Promotion and education:プロモーションと啓発
  5. Physical environment:物理的環境
  6. Process:サービス・プロセス
  7. People:人
  8. Productivity and quality:生産性とサービス品質

4C:顧客視点の分析

  1. Customer Solution:顧客ソリューション
  2. Customer Cost:顧客コスト
  3. Convenience:利便性
  4. Communication:コミュニケーション

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ステップ4. Implementation:実施

ステップ4は、実際に計画を実行していくプロセスです。

「いつまでに」「誰が」「どこで」「何をやるのか」を決定していきます。

ステップ5. Control :管理

ステップ5は、マーケティング活動を管理するプロセスです。マーケティング活動が効率的に行われているかを検証し、維持や改善をします。

コントロールを行うのは、おもに次の4つについてです。

  1. 年間計画コントロール:売上分析、市場シェアなどの分析
  2. 収益性コントロール:製品、地域、顧客などの収益性の分析
  3. 効率性コントロール:広告、販売促進、流通などの効率性の分析
  4. 戦略コントロール:マーケティング効果の見直しなど

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まとめ

「R-STP-MM-I-C」は、マーケティングの世界的権威であるフィリップ・コトラー氏が提唱した、マーケティングの基本手順を5つのステップで表したフレームワークです。

  1. Research:調査
  2. STP:セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング
  3. MM:マーケティングミックス
  4. Implementation:実施
  5. Control:管理

このマーケティング戦略の中でも重要なのが、「STP分析」の3つの要素です。STP分析の中でもさらに重要なのが「ポジショニング」です。

売り込まずに売れる商品づくりのためには、この5つのステップでマーケティングを進めているかを確認してみてください。

追伸

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  • この記事を書いた人

高木浩一

心理学と脳科学が好きなマーケティング・Web集客の専門家/解脱しかけのゲダツニスト/ 大企業のマジメな広告デザインから男性を欲情させるアダルティな広告デザインまで、幅広い分野を経験した元グラフィックデザイナー。心理面をカバーしたマーケティングとデザインの両方の視点をもつ。個人が個人として活躍する時代に向けて「使えるマーケティング」をモットーに情報発信中。

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