マーケティング術

【イノベーター理論】市場に普及させる5つのマーケティング戦略

投稿日:2016-10-11 更新日:

イノベーター理論

新製品や新サービス、新しいライフスタイルが世の中に浸透する過程を5つのグループに分類した理論を、イノベーター理論と言います。

5つのグループは次のとおりです。

  1. イノベーター(Innovators):革新者
  2. アーリーアダプター(Early Adopters):初期採用者
  3. アーリーマジョリティ(Early Majority):前期追随者
  4. レイトマジョリティ(Late Majority):後期追随者
  5. ラガード(Laggards):遅滞者

商品を販売する際には、それぞれの特徴に合わせたマーケティングをすることが、最も簡単にビジネスが成功する方法だと言えます。

どんな人に向けて、どんなメッセージを発信するのかは、イノベーター理論から学ぶことができます。

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イノベーター理論とは

イノベーター理論(Innovator theory)は、スタンフォード大学の教授で社会学者であるエべレット・M・ロジャース(Everett M. Rogers)氏が、1962年に『Diffusion of Innovations』(新版:『イノベーションの普及』)で提唱した理論です。別名を「普及学」とも言います。

イノベーターの由来であるイノベーションとは、「新しい切り口、新機軸、技術革新」といった意味があります。

イノベーター理論において、ロジャース氏は「新しい商品・サービス、新しいライフスタイルや考え方」などが世の中に浸透する過程を、下図のようなベルカーブ(釣鐘型)で5つのグループに分類しました。

どんな価値観を持った人に受け入れられていくのかを、採用(購入)の早い順で表しています。

イノベーター理論の図

イノベーター理論の図

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イノベーター理論の5つのグループの特徴

では、5つのグループのそれぞれの特徴と、グループに訴えるポイントを解説していきます。

  1. イノベーター(Innovators):革新者
  2. アーリーアダプター(Early Adopters):初期採用者
  3. アーリーマジョリティ(Early Majority):前期追随者
  4. レイトマジョリティ(Late Majority):後期追随者
  5. ラガード(Laggards):遅滞者

イノベーター(Innovators):革新者

イノベーター

  • 冒険的で、新しいモノが出ると進んで採用するグループ
  • オタク系の新しいモノ好き
  • 市場全体の2.5%を構成する

イノベーター理論におけるイノベーターは、商品の目新しさ、商品の新しい技術など、「最先端」という部分を重要視します。世の中の誰よりも先に手に入れることに価値を感じるので、商品の細かいメリットなどはあまり興味がありません。

すでにシリーズ化されている商品の場合は、熱狂的なファンであれば「発売する」という情報だけで購入を決定します。例えば、新しい iPhone の発売日には、一番最初の列に並びたいと思う人たちのことです。

イノベーターに訴えるポイント

イノベーターに訴えるには、「新技術」「最先端であること」をアピールすることがポイントです。

アーリーアダプター(Early Adopters):初期採用者

アーリーアダプター

  • 市場のトレンドに敏感で、常にアンテナを張って自ら情報収集を行い判断するグループ
  • オシャレ系の新しいモノ好き
  • 市場全体の13.5%を構成する

イノベーター理論におけるアーリーアダプターは、「イノベーター」とは違って、新しい商品の具体的なメリットについて着目します。そして、良いと判断したものを積極的に購入します。

このグループは、次のグループ層であるアーリーマジョリティやレイトマジョリティへの影響力が大きく、「オピニオンリーダー」とも呼ばれます。わかりやすいところで言えば、モデルや芸能人、影響力や発信力のある情報通の人などですね。

新商品や新サービスのメリットが多くの人に受け入れられるかどうかは、このアーリーアダプターに浸透することがカギとされています。

アーリーアダプターに訴えるポイント

アーリーアダプターに訴えるには、「流行の兆しがあること」「流行をつくる優越感」「従来のモノと比べて何が良いのか」をアピールすることがポイントです。

アーリーマジョリティ(Early Majority):前期追随者

アーリーマジョリティ

  • 新しいモノを採用することには比較的慎重なグループ
  • 慎重ではあるものの、全体の平均よりは早く新しいモノを取り入れる
  • 市場全体の34%を構成する

イノベーター理論におけるアーリーマジョリティは、オピニオンリーダーからの影響を強く受ける人たちです。新商品や新サービスが市場へ浸透するための媒介層であることから、「ブリッジピープル」とも呼ばれます。

例えば、流行に敏感な中高生などは、話題の商品や、憧れの芸能人が持っている商品を欲しがったりしますよね。

アーリーマジョリティに訴えるポイント

アーリーマジョリティに訴えるには、「流行が始まっていること」「商品がもたらすメリットについて」をアピールすることがポイントです。

レイトマジョリティ(Late Majority):後期追随者

レイトマジョリティ

  • 新しいモノを採用することには懐疑的なグループ
  • 周囲の大多数が使用しているという確証があって初めて購入を選択する
  • 市場全体の34%を構成する

イノベーター理論におけるレイトマジョリティは、新市場の採用者数が過半数を超えたあたりから採用を始めるため、「フォロワーズ」とも呼ばれます。

周りの動向を伺い、周りと同じ選択をすることで安心を得るバンドワゴン効果によって、行動を決定する人たちとも言えます。

レイトマジョリティに訴えるポイント

レイトマジョリティに訴えるには、「多くの人が採用していること」「採用しないことは少数派であること」をアピールすることがポイントです。

ラガード(Laggards):遅滞者

innovator-theory-05

  • もっとも保守的なグループ
  • トレンドや世の中の動きに関心が薄く、イノベーションが伝統になるまで採用しない
  • 市場全体の16%を構成する

イノベーター理論におけるラガードは、伝統主義者とも訳されるとおり、最後までなかなか新しいモノを受け入れない人たちです。中には最後まで不採用を貫く人もいます。

頑固者や、「みんなと同じになりたくないから、流行っているなら逆に買わない」といった天の邪鬼にも通じる部分がありますね。

ラガードに訴えるポイント

ラガードに訴えるには、「すでに世の中の大多数が採用していること」「他の新しいモノと比べて安心できること」をアピールすることがポイントです。

普及のカギを握る「普及率16%の論理」

ロジャース氏は、イノベーターとアーリーアダプターを合わせた2つのグループの16%にまで浸透することが、商品が普及するかどうかの分岐点になるとして「普及率16%の論理」を提唱しています。

イノベーター理論の分類の中では、イノベーターはわずか2.5%と少数です。新しい商品を購入する理由は「新しさ」です。商品がもたらすメリットについてはあまり注目していないため、新しい市場で受け入れられるかどうかについては、大きな影響力はありません。

それに対してアーリーアダプターは、商品の新しいメリットについても注目します。

オピニオンリーダーとして、他のグループへ情報を発信してくれるので、新しい市場に浸透するかどうかのカギを握っていると言われます。

そのため、アーリーアダプターへの対応が重要だと説いています。

「普及率16%の論理」に但し書きを追加したキャズム理論

この「普及率16%の論理」に対して、マーケティングコンサルタントのジェフリー・A・ムーア(Geoffrey A. Moore)氏は、アーリーアダプターへのマーケティングだけではなく、アーリマジョリティへのマーケティングが重要だとする「キャズム理論」を提唱しました。

利用者の生活が一変するようなハイテク製品においては、アーリーアダプターとアーリマジョリティの間には、簡単に超えられない大きな溝(Chasm:キャズム)があることを示唆しています。

まとめ

イノベーター理論では、次の5つのグループの順番で、新しいモノが市場に浸透していくとされています。

  1. イノベーター(Innovators):革新者
  2. アーリーアダプター(Early Adopters):初期採用者
  3. アーリーマジョリティ(Early Majority):前期追随者
  4. レイトマジョリティ(Late Majority):後期追随者
  5. ラガード(Laggards):遅滞者

商品を販売する時には、イノベーター理論のどのグループに対してマーケティングを行うのかを意識することが大切です。新しい商品を市場に登場させるのであれば、まずはイノベーター、アーリーアダプターに浸透させることがカギになります。

あなたの扱っている商品が革新的なモノの場合は、売上の伸び悩みを解決するために、キャズム理論を押さえておいてください。
Next⇒「【キャズム理論】マーケティングの深い溝を乗り越えるには?

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高木浩一

心理学と脳科学が好きなWeb集客の専門家。 大企業のマジメな広告デザインから男性を欲情させるアダルティな広告デザインまで、幅広いデザインを経験した元グラフィックデザイナー。心理面をカバーしたマーケティングとデザインの視点をもつ。 個人が個人として好きなことして生きていく時代に向けて「使えるマーケティング」をモットーに情報発信中。

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