マーケティングで仕組みづくり

アップセル・クロスセル・ダウンセルの違いと売上アップの使い分け方

アップセル とクロスセルの正しい使い方

ひとりのお客さんに対して売上を上げるセールスの方法に、アップセルクロスセルがあります。これらのセールスは、お客さんの満足度を上げるために行います。

売上を上げることを第一にセールスを行うと、お客さんに不快感を与えてしまう場合があります。

例えば、僕は以前 iPhone の機種変更をしようとした時に、店員さんからアップセルやクロスセルのセールスを受けたことがあります。その結果、「二度とこの店で買い物したくない」と思ったことがあります。

あなたも似たような経験があるのではないでしょうか?

なぜこのような気持ちになったのか。それはまさに、店員さんがアップセルやクロスセル、ダウンセルの間違った使い方をしたからです。

お客さんから感謝をされて売上を上げるためにも、アップセルとクロスセルの違いについて、ダウンセルの正しい使い方についてを、今一度確認してみてください。

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アップセルとは

アップセルとは、ある商品の購入を検討している人に対して、より高い価格の上位商品を薦める販売活動のことを言います。一人あたりの購入点数を変えずに、売上を上げることができます。

アップセル

アップセル

例えば、4万円のデジタルカメラを購入しようと考えている人に、上位商品である高機能な6万円のデジタルカメラを薦めて、上位商品を買ってもらうことがアップセルです。

この場合、何もしなければ4万円の売上だったはずが、アップセルを行うことで顧客単価が2万円も上がります。

ダウンセルとは

アップセルとは反対に、ある特定の商品を検討していた人が、予算などの理由で購入の決断に至らなかった時に、グレードを下げた低価格の商品を薦める販売活動のことを、ダウンセルと言います。

ダウンセル

ダウンセル

例えば、4万円のデジタルカメラを検討していた人が、予算を理由に買うのをやめた場合、機能の劣る2万5000円のデジタルカメラを薦めて買ってもらうことがダウンセルです。

この場合、ゼロになるはずだった売上が、ダウンセルを行うことで2万5000円の売上に変わります。

ダウンセルの注意点

ダウンセルで気をつけたいのは、「値下げではない」ということです。

「高いから買わない」「じゃあ安くします」というやり取りをしたのでは、その場では売上が上がるかもしれませんが、ゆくゆくは自分の首を締めることにもつながります。それに、定価で買った人が値下げを知れば、不信感が生まれますよね。

ですので、ダウンセルは低価格の別商品で行うことが基本です。

クロスセルとは

クロスセルとは、商品の購入を決定した人に対して、別の商品も同時に薦める販売活動のことを言います。一人あたりの購入点数を増やして、売上を上げることができます。

クロスセル

クロスセル

例えば、4万円のデジタルカメラの購入を決定した人に対して、5000円のメモリーカードや2万円の望遠レンズを薦めて、カメラと同時に買ってもらうことがクロスセルです。

この場合、何もしなければ4万円の売上だったはずが、クロスセルを行うことで6万5000円の売上に変わります。

アップセルとクロスセルを行うタイミング

アップセルとクロスセルを行うには、それぞれ適切なタイミングがあります。

このタイミングを間違ってしまうと、お客さんに不快な思いをさせてしまうこともありますので、非常に重要です。

アップセルを行うタイミング

アップセルは、商品購入を前向きに検討している段階で行うのが最適なタイミングです。

特定の商品購入を決定した後でアップセルを行うと、「せっかく買いたい商品が決まったのに、いまさら何?」と、店員が売りたい商品を押し売りしている感じがしてしまいます。反対に、まだ商品を買おうかどうしようかを考えている段階の人にアップセルを行っても、的外れな提案になってしまいます。

まずは、商品が与えてくれるベネフィットを説明をして、購入意欲が高まった時にアップセルを行うことが大切です。

カメラを例にあげると、「カメラが欲しいんだけど、どれにしようかなぁ?」というタイミングです。

クロスセルを行うタイミング

クロスセルは、商品購入を決定した後で行うのが最適なタイミングです。

例えば、どのカメラを買おうかと考えている段階の人に、「ただ今、カメラと一緒に望遠レンズを買うとお得ですよ」とクロスセルをしたところで、魅力的な提案にはなりません。

なぜなら、カメラのグレードについて考えている段階であって、その先に必要になるかもしれない望遠レンズについては考えていないからです。

ついで買いをしやすいクロスセル

商品購入を決定した後なら、「ついでだから買っておこうかな」という気持ちになりやすい傾向があります。

人は意思決定をすると、次の瞬間には気がゆるみがちになります。この心理現象を心理学では、テンション・リダクション効果と言います。「購入」という意思決定をした瞬間は、“財布の紐がゆるみやすくなる瞬間” でもあります。

コンビニやスーパーのレジ横に置いてあるお菓子を、ついでに買ってしまったことはありませんか? それは、テンション・リダクション効果を応用したクロスセルです。

ですので、商品購入を決意したタイミングが、クロスセルを成功させるコツだと言えます。

Webサイトでのアップセルとクロスセル

接客業で頻繁に行われるアップセルとクロスセルですが、Webサイトでも行うことができます。

Webサイトでのアップセルの例

Webサイトでアップセルを行うには、まずは安いバージョンの商品を一番目立つように配置しておきます。あるいは、安いバージョンの商品を広告で紹介しておきます。

そして、安いバージョンの商品の詳しい説明とともに、機能や品質で優れた上位商品を比較紹介します。そうすることで、はじめは安さに惹かれた人でも上位商品の魅力が伝われば、アップセルを行うことができます。

効果的に上位商品を紹介するには、松竹梅の法則やアンカリング効果と呼ばれる心理効果を知っておくと役に立ちます。

Webサイトで行われるワンタイムオファー

またWebサイトでは、購入を決定した直後に行われる「ワンタイムオファー」という方法があります。

「※このページは一度しか表示されません」

という注意書きとともに現れる、特別ページでのアップセルです。

人は購入を決意した瞬間がもっとも欲求が高い状態ですから、「どうせ買うなら、グレードの高い商品の方が良いかも・・・ しかも買える機会が一度きりしかないなら・・・」と、アップセルの効果が期待できます。

ただしワンタイムオファーは、「むりやり買わされた」と感じる場合もあるので、キャンセルが発生しやすくなるオファーでもあります。

購入者に不満を抱かせないためには、アフターフォローが大切です。

Webサイトでのクロスセルの例

ECサイトの場合、カートに入れた直後のページに関連商品を紹介することで、クロスセルを行うことができます。

Amazonなどで見かける、

  • 「この商品を買った人はこんな商品も買っています」
  • 「あと◯◯円の購入で、送料無料になります」

という紹介がクロスセルにあたります。

また、アップセルと同様にワンタイムオファーでクロスセルを行うこともできます。この場合は、特別割引などを用意しておく必要があります。

アップセル、ダウンセル、クロスセルの失敗例

ここまでお読みいただけたなら、アップセルとクロスセルの違いや使い方について理解が深まったと思います。そして、冒頭でお話しした「二度とこの店で買い物したくない」と感じたお店の例についても、わかってもらえると思います。

ある日、僕は携帯ショップで iPhone の機種変更を考えていました。どのグレード(何GB)にしようかと悩んでいたところ、対応してくれた店員さんの一言は、「 iPad との2台持ちがおすすめですよ」でした。

「家にいる時には大きな画面の iPad が使いやすいですし、持ち運びだってカバンに入れれば重くないです。何GBかで悩むくらいなら、2台持ちで用途を分けてみてはどうですか?」という提案でした。

どのグレードの iPhone にしようか検討していた段階で、クロスセルを受けたんです。(正確には、クロスセルというよりも、別の商品パッケージを案内されたことになりますが)

iPadというツールにも魅力はありました。

ですが、「家にいる時はPCを使うし、持ち歩くのに2台は不要。それに想定していた価格よりも高くなる」という考えを伝えました。つまり、僕には iPad は不要だと思ったわけです。するとその店員さんは、「ちょっと待ってくださいね」という一言とともに、店の奥へと消えていきました。

「一体、何を待たされるんだろう?」と思っていると、少しして店員さんは戻ってきました。

何を言うのかと思えば、「安い価格で iPad を持てるプランをご用意できます」と、僕にとって不要な iPad のプランのダウンセルを提案してきたんです。さも苦労して、上司と掛け合ってきたように言われました。

「もう二度とこの店に来ることはないだろう・・・」と思った瞬間でした。

その後、月額プランでのアップセルを受けましたが、このお店に対する不信感が芽生えた僕にとっては、聞き入れる気にはなりませんでした。

ピントの外れた提案は不信感を招く

この店員さんは、僕の希望やライフスタイルを考えずに、お店の売上を上げることしか考えていなかったんですよね。iPad のプランを薦めるように上司から指導されていたんだと思いますが、僕にとってはまったくピントの外れた接客だったわけです。

このように、アップセルやクロスセル、ダウンセルを行う時には、押し売りや見当違いな提案をしないことが大切です。お客さんの要望に沿った提案でないと、満足度を大きく下げてしまうことになります。

そうならないためには、お客さんが何を求めているのかをしっかりと把握することが大切ですね。

お客さんの要望に応えるためには、ダウンセルをすることだってあり得ます。

「お客さんの用途だと、この機能はいらないですから、こちらの安い方でも十分ですよ」という風に接客してもらったら、お客さんは店員さんに対して信頼感が芽生えますよね。そうなれば、一度の買い物では売上が下がったとしても、また来たいと思ってもらえるようになります。

満足度が上がれば、クロスセルで買い物してくれるかもしれません。

Webサイトであっても同じです。ただ商品を紹介するのではなく、どんな人に向いているのか、なぜ向いているのかを説明することが、アップセルやクロスセルを行ううえでも大切なことです。

まとめ

  • アップセル:商品のグレードを上位に変更することで売上を上げるセールス
  • クロスセル:他の商品も同時に買ってもらうことで売上を上げるセールス

どちらも大切なことは、お客さんが求めているものを提案し、満足度を上げることです。

間違った提案をした場合は、たとえ一時的に売上が上がったとしても、お客さんからの信用を失い、長期的には売上を下げることになってしまいます。

「アップセル・クロスセル」という戦術は、「フロントエンド・バックエンド」という非常に重要なマーケティング戦略のために行います。売上を最大にするためには、この2つの使い分けを意識して行うようにしてください。

Next⇒「フロントエンド商品とバックエンド商品|利益を最大にする使い方

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