顧客心理を掴む心理学

【ついで買いの心理】テンション・リダクション効果とは?

投稿日:2016-11-17 更新日:

テンション・リダクション効果

買い物しようとコンビニでお会計をしているときに、レジ横に置いてあるおまんじゅうを、ふとカゴの中に入れてしまったという経験はありませんか?

店内の別の棚に陳列してあったとしら、わざわざ買わなかったものでも、なぜだかつい買ってしまうことがありますよね。これは、「テンション・リダクション効果」という心理現象を巧みに使ったセールス手法です。

人は緊張状態から解放された瞬間には、気がゆるんでしまう性質をもっています。

この心理現象をマーケティングに応用することで、購入点数を増やす「ついで買い」をしてもらい、売上アップを図ることができます。悪用すると人を騙すこともできてしまう、危険な心理効果とも言えます。

この記事を読めば、テンション・リダクション効果とマーケティングへの応用がわかります。あなたのビジネスの参考にしてみてください。

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テンション・リダクション効果とは

テンション・リダクション効果とは、何か大きな決断をしたり、難しい目標を達成した直後に訪れる、緊張状態が消滅して気がゆるんでしまう状態のことを言います。

テンション・リダクションには、次のような意味があります。

  • テンション(Tenshion):緊張・不安
  • リダクション(Reduction):減少

人は重大な出来事があると、その出来事が終わるまでは緊張した状態が続きます。そして、その重大な出来事が終わると、緊張状態が解けて心理的に無防備な状態になるんですね。

いわゆる「緊張の糸が切れる」というやつです。

気がゆるんだ状態は、注意力や判断力が低下してしまいます。ですのでテンション・リダクション状態は、体調を崩したり、怪我や事故を起こしたり、騙されやすい危険な状態だと言えます。

わかりやすいテンション・リダクション効果の例え

例えば『刑事コロンボ』では、このテンション・リダクション効果を使った事情聴取で犯人のウソを見破ります。『古畑任三郎』や『相棒』など、犯人との駆け引きを描いた刑事ドラマではよく見る光景ですので、一度は目にしたことがあるのではと思います。

コロンボ刑事は、犯人と思われる容疑者に対して、事件についてあれこれと聴き出そうとします。

ですが容疑者である犯人は、犯行がバレないように必死でウソをつきます。「どんな質問だってうまくかわしてやる・・・」と細心の注意をしているので、完璧なウソで質問をかわします。

犯人にとっては緊張状態が続きます。

コロンボ刑事は犯行のシッポをつかめないと判断すると「じゃあこれで帰ります」と、事情聴取を終えて帰る素振りを見せます。犯人は思わず「よし、やった・・・」と胸をなでおろします。

そしてコロンボ刑事は、帰る間際に振り返ってこう言います。「そうそう、これは事件とは関係ないとは思うんですがね・・・」

緊張状態が解けて気がゆるんだ状態の犯人は、思わず口をすべらしてしまうというわけです。

校長先生の言葉はテンション・リダクション効果への注意だった

小学生時代を思い返せば、遠足の時に校長先生が「家に着くまでが遠足です」と言っていませんでしたか?

当時は「そんなわけあるかいな」と思っていましたが、あの言葉は、楽しい遠足が終わったと思った瞬間に油断して、怪我や事故に遭わないように「家に着くまでは緊張状態を保っておきなさい」という、テンション・リダクション効果に陥らないための注意喚起だったんですね。

校長先生に感謝です。

テンション・リダクション効果は「ついで買い」の心理

テンション・リダクション効果は、買い物の場面では「ついで買い」をしやすい心理になります。

「お金を支払う」という行為は、大切なお金を失う瞬間でもあります。

ですので、商品を検討する時には

  • 「これは自分にとって本当に必要か?」
  • 「この商品を買って失敗しないか?」
  • 「騙されていないか?」

など、“買う” という決断に至るまでは、いろんな考えや不安が頭をよぎって緊張状態が続きます。

そして悩んだ結果、購入を決断すると緊張状態から解放されて、テンション・リダクション状態になります。

この瞬間に関連商品を紹介されると、気がゆるんでいるので、思わず「ついで買い」をしやすくなってしまうというわけです。

「またお店に来て買い物するのは手間だし、また悩むのも面倒だもんな、“買う” ことは決めたんだから、どうせなら一緒に買っておくか・・・」という考えが浮かびやすくなる瞬間なんですね。

「ついで買い」の身近な例

身近にあるマーケティングの例としては、冒頭でお話ししたように、スーパーやコンビニのレジ横に置いてあるお菓子や電池などの日用品が、「ついで買い」を利用したクロスセルです。

ファミリーレストランでレジ横におもちゃが売っているのも、ついで買いをしてもらいやすいからですね。

普段なら、子供にねだらておもちゃを買うことはなかったとしても、会計時では「たいした値段じゃないし、ついでに買ってやるか・・・」と、ついで買いをしやすくなります。

家族サービスをしたいという、親心をついたセールスとも言えますね。

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「ついで買い」をしてもらうテクニック

テンション・リダクション効果を販売に応用するには、お客さんが商品の購入を決意したタイミングで関連する他の商品をおすすめします。

例えば、洋服屋さんで2万円のジャケットを薦めて購入を決めてもらえば、そのタイミングで、ジャケットにコーディネートしやすい9000円のシャツや、5000円のベルトを薦めます。

テンション・リダクション効果を使うときのポイント

同時に関連商品を買ってもらうためには、価格の一番高い商品から薦めるのがポイントです。

これはアンカリング効果を働かせるためです。アンカリング効果とは、一番最初に見た数字が基準となって、その後の判断に影響する心理作用のことです。

最初に一番高い価格の買い物を決断してもらえば、その後に見る安い価格は、たいした価格ではないように感じる効果があります。

ですので、テンション・リダクション効果を応用して「ついで買い」をしてもらうためには、お客さんがお金を払う決断をした商品よりも、安い価格の商品であることが大切なんですね。

2万円のジャケットの購入を決断した後で、3万円のベルトを薦められても「ついで買い」の感じはしないですよね。

ですので、「ついでだから・・・」と感じてもらいやすい価格の関連商品を薦めることが、テンション・リダクション効果を利用したクロスセルのコツです。

重大な出来事ほどテンション・リダクション効果も強くなる

テンション・リダクション効果は、緊張状態になる出来事が重大なほど強くなります。

例えば、簡単に購入を決断できない「車」や、一生の買い物になる「家」を購入するような機会には、大きな緊張をともないます。

ですので、車の購入という大きな決断をした後のテンション・リダクション効果では、カーナビの設置やホイールのグレードアップの提案には、比較的簡単に応じやすくなります。

これにはコントラスト効果も働いています。コントラスト効果とは、最初に見たモノと後に見たモノの差が大きいほど、違いも大きく感じる心理作用のことです。

例えば、300万円という大きな価格の買い物をした後では、15万円の追加は小さな価格のように感じます。

Webマーケティングへ応用するテンション・リダクション効果

通販サイトの場合は、商品をカートに入れた段階が、購入を決意したタイミングです。

このタイミングで次のような案内を出せば、テンション・リダクション効果を利用できます。

  • 「あと◯円の購入で、送料が無料になります」
  • 「あと◯円の購入で、△%割引が適用できます」
  • 「この商品を購入した人は、このような商品も購入しています」
  • 「この商品と関連のある商品紹介」

これには、「あと少しの購入で得をするなら、しなきゃもったいない・・・」と感じるコンコルド効果も手伝っています。

まとめ

テンション・リダクション効果とは、緊張状態が終わった後に訪れる、気のゆるんだ状態を指した心理現象です。

マーケティングにおいては、“買う” という決断をした時は、財布の紐がゆるみやすい瞬間でもあります。「こちらも合わせていかがですか?」とおすすめするだけで、「ついで買い」をしてもらいやすい瞬間なんですね。

もしもあなたが扱っている商品・サービスがひとつだったとしたら、関連する商品も合わせて販売してみてください。売上が上がる可能性を高くすることができます。

さらに心理学をマーケティングに応用する方法は、こちらを参考にしてください。
行動心理学で顧客心理を掴む!マーケティングテクニック【37選】

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高木浩一

心理学と脳科学が好きなWeb集客の専門家。 大企業のマジメな広告デザインから男性を欲情させるアダルティな広告デザインまで、幅広いデザインを経験した元グラフィックデザイナー。心理面をカバーしたマーケティングとデザインの視点をもつ。 個人が個人として好きなことして生きていく時代に向けて「使えるマーケティング」をモットーに情報発信中。

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