入浴時や移動中など、ちょっとした時間の時にでもアイデアを発想するためには、アイデアを出すためのキーワードが頭に入っていると便利です。
SCAMPER法(スキャンパー法)は、7つの質問リストの頭文字をキーワードとして覚えることで、いつでもどこでもアイデアを発想しやすくする方法です。
とは言え、SCAMPER法が使いやすいのは、英語ができる人にとっての話です。
そこで、キーワードを思い出しやすいように、SCAMPER法を日本語にして「アホな俳句へ」にしてみました。
この頭文字を覚えておけば、英語ができない日本人であっても、いつでもどこでもアイデアを出すことができると思います。
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SCAMPER法(スキャンパー法)とは
SCAMPER法とは、9つの質問からなる「オズボーンのチェックリスト」を、より覚えやすく、より使いやすく改良したアイデア発想法です。創造性開発の研究家ボブ・エバール(Bob Eberle)氏によって考案されました。
7つの質問チェックリストの頭文字を取って名付けられたSCAMPER法は、オズボーンのチェックリストと同じく、質問に答えることで強制的にアイデアを連想することができる発想法です。
ちなみに「SCAMPER」とは、『はね回る、ふざけ回る』という意味があります。
オズボーンのチェックリストとは
次の9つの質問リストが、SCAMPER法の元になっているオズボーンのチェックリストです。
- 転用:他に使い道はないか?
- 応用:他からアイデアを借りられないか?
- 変更:変えてみたらどうか?
- 拡大:大きくしたらどうか?
- 縮小:小さくしたらどうか?
- 代用:他のもので代用できないか?
- 置換:入れ替えてみたらどうか?
- 逆転:逆にしてみたらどうか?
- 結合:組み合わせてみたらどうか?
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SCAMPER法 7つの質問リスト
次の7つの質問リストが、SCAMPER法のチェックリストです。
S | Substitute? | 入れ替える? |
C | Combine? | 組み合わせる? |
A | Adapt? | 当てはめる? |
M | Modify? | 変更する? |
P | Put to other Uses? | 他の用途にする? |
E | Eliminate or Minify? | 排除・縮小する? |
R | Rearrange or Reverse? | 並べ替え・逆転する? |
SCAMPER法では、オズボーンの9つの質問リストが7つにまとめられました。
質問リストの頭文字を名前にしたので、英語ができる人にとっては使いやすい内容になっていると思います。ただし英語が苦手な人にとっては、オズボーンのチェックリストと違いはあまりないように思えます。
そこで、日本人にも覚えやすいように、SCAMPER法の質問リストの順番を並べ替えて、日本語にしてみました。
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日本語版 SCAMPER法(アホな俳句へ:あほなはいくへ)
あ | 当てはめる? | Adapt? |
ほ | 他の用途にする? | Put to other Uses? |
な | 並べ替え・逆転する? | Rearrange or Reverse? |
は | 排除・縮小する? | Eliminate or Minify? |
い | 入れ替える? | Substitute? |
く | 組み合わせる? | Combine? |
へ | 変更する? | Modify? |
質問のイメージを膨らませるために、7つの質問リストを補助する質問を追加しました。この7つのキーワードを覚えておけば、いつでもどこでもアイデアが出やすくなると思います。
あ:当てはめる?(Adapt?)
すでにあるアイデアを応用すると、どうなるかを考えます。
- 他のモノを借りてきたりマネするとどうか?
- 過去のアイデアを当てはめるとどうか?
- 他業種のアイデアを当てはめるとどうか?
- 意味が似ているモノのアイデアを当てはめるとどうか?
ほ:他の用途にする?(Put to other Uses?)
現在あるものを、再利用する方法はないかを考えます。
- 他の人に使うとどうか?
- 子供・高齢者が使うとどうか?
- 障害を持つ人が使うとどうか?
- 立場の違う人が使うとどうか?
- 使用目的を変えるとどうか?
- 他の市場や業界で使うとどうか?
な:並べ替え・逆転する?(Rearrange or Reverse?)
順番を並べ替えたり、逆にしてみたらどうなるかを考えます。
- 並び替えるとどうか?
- 逆さにするとどうか?
- 一部を交換するとどうか?
- レイアウトやパターンを並べ換えるとどうか?
- 原因と結果を逆さにするとどうか?
- ペースを変えたりスケジュールを並べ換えるとどうか?
- 裏返すとどうか?
は:排除・縮小する?(Eliminate or Minify?)
一部を削除したり、最小化してみたらどうなるかを考えます。
- 不要なものはないか?
- 簡略化するとどうか?
- 一部を削除するとどうか?
- コンパクトにするとどうか?
- 省略するとどうか?
- 分割するとどうか?
- ルールを排除するとどうか?
- プロセスを取り除くとどうか?
い:入れ替える?(Substitute?)
他のモノや方法などについて、入れ替えるとどうなるかを考えます。
- 一部を交換したり入れ替えるとどうか?
- ルールを入れ替えるとどうか?
- 他の成分や材料に入れ替えるとどうか?
- 他のプロセスや手順に入れ替えるとどうか?
- 人、時間、場所、方法などを入れ替えるとどうか?
- 形を入れ替えるとどうか?
- 色・ディテール・音・匂いを入れ替えるとどうか?
- 名前を入れ替えるとどうか?
- テーマに関する気持ちや態度を入れ替えるとどうか?
く:組み合わせる?(Combine?)
相乗効果が得られないか、2つ以上のモノを組み合わせてみることを考えます。
- 統合するとどうか?
- 合体するとどうか?
- 混ぜ合わせるとどうか?
- 一部を組み合わせるとどうか?
- 目的を組み合わせるとどうか?
- 用途を組み合わせるとどうか?
- 素材を組み合わせるとどうか?
- サービスを組み合わせるとどうか?
へ:変更する?(Modify?)
考えるテーマを変更したり、修正するとどうなるかを考えます。
- 拡大するとどうか?
- 強く、高く、長く、重くするとどうか?
- 縮小するとどうか?
- 弱く、低く、短く、軽くするとどうか?
- 色、形、動作、匂い、意味などを強調するとどうか?
- 複製するとどうか?
- 新たな機能を追加するとどうか?
SCAMPER法を上手に使うポイント
SCAMPER法に限りませんが、アイデアを発想する時は、質より量が大切です。
ひとつの項目で「う〜ん・・・」と考え込むくらいなら、その項目は無視してどんどん次の質問リストへ進むことが大切です。
一見使えないようなアイデアの中に、輝きを見せるアイデアが埋もれています。まずはスピード重視でアイデアを発想してみてください。
また、質より量を重視するためには、出てきたアイデアの判断はその場でしないようにします。まずはどんどんアイデアを出す。アイデアを出し切った後で、アイデアの良し悪しを検討することが発想術を上手に使うポイントです。
問題解決やアイデア発想に役立つツール
問題解決やアイデア発想のフレームワークは、多くの書籍でも紹介されています。
例えば『思考法図鑑』は、アイデアを発想するための思考法を60種類も知ることができる一冊です。
アイデア発想のためのアプローチをたくさん知っておけば、自分やチームに合った方法で最適なアイデアを生み出すことに役立ちます。
ビジネスに役立つフレームワーク
『ビジネスフレームワーク』は、アイデアをカタチにする際に役立つフレームワークを70種類も知ることができる一冊です。
起業アイデアを思いついた時には、問題の乗り越え方や、マーケティングの分析方法などがわかるようになります。社会人1年目や2年目の人であれば、上司に一目置かれる存在になるための企画力や、マネジメント力を鍛えることに役立ちます。
会議をスムーズに進めるリーダーのためのツール
あなたがリーダーとなって問題解決やアイデア発想の会議を進める場合は、会議の雰囲気を良くして、参加メンバーのアイデアを引き出すファシリテーションのスキルが重要になります。
『ファシリテーターの道具箱』は、参加メンバーに「全体像を考えてもらう」「分析的に考えてもらう」「他の視点で考えてもらう」ための技術を49種類も知ることができる一冊です。会議を進行するコミュニケーションに自信がない場合は、手元に置いておくと役に立ちます。
まとめ
SCAMPER法は、オズボーンのチェックリストを覚えやすく、使いやすくしたアイデア発想法です。7つの質問リストに答えることで、短時間に大量のアイデアを創出することができます。
キーワードを思い出しやすくするために、SCAMPER法を日本語にして「アホな俳句へ:あほなはいくへ」にしてみました。
- あ:当てはめる?
- ほ:他の用途にする?
- な:並べ替え・逆転する?
- は:排除・縮小する?
- い:入れ替える?
- く:組み合わせる?
- へ:変更する?
このキーワードを覚えておけば、日本人でも簡単にSCAMPER法を使えるのではと思います。
ちょっとした時間での、アイデア創出のヒントになりましたら幸いです。
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