この記事では、ニューロ・ロジカル・レベルを実践するために、理解を深めておきたい5つの特徴を解説します。
5つの特徴を押さえることで、自分と外部(他者・出来事)との間で起こる、いろんな問題解決の応用がわかりやすくなります。
初対面の人と会話が盛り上がる方法や、仲良くなるための会話術、効果的な褒め方・叱り方、自己分析などの理解を深めるために役立ててください。
ビジネスにおいては、ブランディングの重要性の理解を深めることに役立ちます。
スポンサード リンク
ニューロ・ロジカル・レベルを使いこなすための5つの特徴
ニューロ・ロジカル・レベル
- スピリチュアル:自分以外の大きな存在(在り方)
- アイデンティティ:自分のミッション(使命・役割)
- 信念・価値観:自分が大切にしている考え方(動機・許可)
- 能力:自分の才能やリソース(戦略・計画)
- 行動:自分の活動(行動・反応)
- 環境:自分の周りの状況(機会・制約)
問題解決や目標達成、相手と仲良くなる会話術など、ニューロ・ロジカル・レベルを応用するためには、次の5つの特徴を理解しておくと実践しやすくなります。
5つの特徴
- 影響力の大小
- 無意識と意識
- 主観と客観
- 抽象と具体
- 本質と現象
ひとつずつ、解説していきます。
スポンサード リンク
ニューロ・ロジカル・レベルの特徴1|影響力の大小
ニューロ・ロジカル・レベルでは、それぞれの要素は互いに影響しあい、上の要素は下の要素に大きな影響を与え、下の要素は上の要素に小さな影響を与えるとしています。
例えとして、あなたがインテリアコーディネーターの資格試験を受けて合格を目指した場合、ニューロ・ロジカル・レベルがどのように影響し合うのかを解説します。
環境レベル(どこで?いつ?)の例え
『環境レベル』とは、いつ・どこで資格の勉強をするのか、どんなテキストを使うのか、部屋で勉強するなら部屋は片付いているか、騒音はないか、テレビの誘惑はないか、といった外的な要素のことです。
環境レベルは、上の行動レベルに小さな影響を与える
もしも、あなたの部屋がゴミで散らかっているとしたら、勉強したいと思っても環境のせいで勉強する気が出ないかもしれません。『環境レベル』が、上の『行動レベル』に影響を与えるということです。
行動レベル(何をする?)の例え
『行動レベル』とは、資格取得の勉強をすることです。
行動レベルは、下の環境レベルに大きな影響を与える
例えば、「テキストを買う」という行動をすれば、「テキストを使って勉強できる」という環境が変化します。「ゴミを片付ける」という行動をすれば、「部屋が綺麗になる」という環境が変化します。
行動レベルは、上の能力レベルに小さな影響を与える
もしもあなたが勉強という行動をしなければ、『能力レベル』を上げることはできません。『行動レベル』の積み重ねが、上の『能力レベル』に影響するということです。
能力レベル(どうやって?)の例え
『能力レベル』とは、自分のレベルに合わせて、どのような勉強をするのか計画を立てることです。また、資格取得に必要な知識力・暗記力・理解力などが『能力レベル』にあたります。
能力レベルは、下の行動レベルに大きな影響を与える
例えば、「集中する」という能力が高ければ、『行動レベル』の質を上げることができて、環境レベルの在り方にも影響します。
集中すれば勉強時間が短縮できるかもしれませんし、部屋が多少散らかった環境でも気にならないかもしれないということです。
能力レベルは、上の信念・価値観レベルに小さな影響を与える
もしも暗記力や理解力といった能力が低ければ、上の『信念・価値観レベル』に影響を与えて、「勉強は苦手だ」といった価値観を持ちやすくなります。
この場合はどんなに合格したいと思っても、無意識で勉強を避けようとする可能性があります。
信念・価値観レベル(なぜ大切?)の例え
『信念・価値観レベル』とは、「インテリアが好き」と感じることです。好きであれば勉強が楽しくなります。
信念・価値観レベルは、下の能力レベルに大きな影響を与える
例えば、「勉強は苦手だ」という価値観を持っていれば、勉強の計画をなかなか立てられないかもしれません。ですが「勉強は楽しい」という価値観を持てば、生活のスキマ時間をすべて勉強時間にする計画を立てることができます。
能力レベルが変われば「勉強時間を増やす」という行動レベルが変わり、「テレビは無駄な時間だから見ない」といった環境レベルまで変えることができます。
信念・価値観レベルは、上のアイデンティティレベルに小さな影響を与える
もしも「人は他人に影響されない」といった信念を持っていれば、上の『アイデンティティレベル』に影響を与えて、「私は人に影響を与える者だ」のようなアイデンティティを持ちにくくなります。
アイデンティティレベル(私は誰?)の例え
『アイデンティティレベル』とは、「私はインテリアの知識で多くの人の生活を豊かにする者だ」といった使命感を持つことです。
アイデンティティレベルは、下の信念・価値観レベルに大きな影響を与える
例えば、「私は人が苦手だ」というアイデンティティを持っていれば、勉強の意義を見失い、ついついサボってしまうかもしれません。
ですが「私はインテリアの知識で多くの人の生活を豊かにする者だ」というアイデンティティを持てば、資格取得は使命の通過点になり、「勉強は苦手だ」という価値観を持っていたとしても「・・・だけど努力できる」という価値観に変えることができます。
信念・価値観が変われば、能力を上げるために行動が変わり、環境を整えることができます。
前回の記事でもお伝えしたとおり、あなたが何かアクションを起こす際には、心の在り方(アイデンティティや信念・価値観)が重要になります。
スポンサード リンク
ニューロ・ロジカル・レベルの特徴2|無意識と意識
こちらも前回の記事でもお伝えしましたが、ニューロ・ロジカル・レベルは上の図のように、アイデンティティレベルに行くほど無意識的であり、環境レベルに行くほど意識的である特徴があります。
環境レベルや行動レベルは意識的
『環境レベル』や『行動レベル』は、あなたが意識している情報です。「自覚・認知」といった言葉を使った方が分かりやすいかもしれません。
例えば、あなたの住所や仕事、今日の天気、テレビで流れるニュース、通勤で使う道順、家族との会話といった日常の『環境/行動レベル』の情報は、認知している情報ですよね。
認知していなければ、職場へ向かうことも家へ帰ることもできなくなります。
能力レベルは意識的にも無意識的にもなる
『能力レベル』は意識的でもあり、無意識的でもある情報です。
例えば、あなたが仕事をこなす時、自分と他人との違いを認知している場合もあれば、認知していない場合もあると思います。クリエイティブな仕事なら違いを意識するでしょうし、他の人と同じ仕事内容なら意識せずに仕事をこなしているかもしれません。
歩くスピードや、食事の際の噛む回数など、日常にある『能力レベル』は、自覚していたり無自覚だったりするケースがあります。
信念・価値観レベルやアイデンティティレベルは無意識的
『信念・価値観レベル』や『アイデンティティレベル』は、ほぼ無意識的な情報です。
例えば、あなたが仕事をこなす時、「なぜ私は仕事をするのか?」を意識して仕事をすることはあまりないのではないかと思います。
食事や買い物などの日常生活で、自分の信念・価値観やアイデンティティを意識していることはほぼないということです。
目標達成・問題解決のヒント
だからこそ、あなたがアクションを起こす際には、自分の価値観に合ったことをしないと、なぜかやる気が出なくなったり、モヤモヤして戸惑うことになります。
ニューロ・ロジカル・レベルの特徴3|主観と客観
ニューロ・ロジカル・レベルは上の図のように、アイデンティティレベルに行くほど主観的であり、環境レベルに行くほど客観的である特徴があります。
主観はセンシティブになりやすい特徴もあります。
環境レベルや行動レベルは客観的
例えば、あなたの「住所・職場」や「今日の天気・ニュース」といった『環境レベル』の情報は、自分以外の他人も同じ情報を共有することができますよね。
『環境レベル』は客観的な情報であるということです。
あなたの「仕事の内容・趣味はゴルフ」といった『行動レベル』の情報も、少し仲の良い人なら知っている客観的な情報です。
能力レベルは客観的であり主観的でもある
次に、「仕事の能力・ゴルフのうまさ」といった『能力レベル』の情報は、間柄が深い関係でないと知らない情報です。
ただし、たとえあなたが自分で「オレはゴルフがうまい」と思っていても、他人は「あの人のゴルフの実力はイマイチだ」と思っているかもしれません。
客観的な情報は上の階層に行くに従って、徐々に主観的な情報になるということです。
信念・価値観レベルやアイデンティティレベルは主観的
そして、あなたの信念・価値観やアイデンティティは、あなたの主観的な考えです。あなた以外のほとんどの他人は共有できない情報です。
『信念・価値観レベル』や『アイデンティティレベル』の情報は、主観的な情報であるということです。
また、主観的な情報はセンシティブな情報になりやすく、「知られたくない・恥ずかしい」といった感情が起こりやすい情報とも言えます。自分のコンプレックスやトラウマ、フェチといった価値観は、あまり公開したくない情報ですよね。
会話術のヒント
この主観と客観の特徴は、仲良くなる会話術に活かせます。まずは情報を共有しやすい『環境レベル』の話題から始めると、会話が進みやすいということです。
ニューロ・ロジカル・レベルの特徴4|抽象と具体
ニューロ・ロジカル・レベルは上の図のように、アイデンティティレベルに行くほど抽象的であり、環境レベルに行くほど具体的である特徴があります。
環境レベルや行動レベルは具体的
例えば、自分の「住所・仕事」といった『環境レベル』の情報は、具体的に答えられますよね。「どんな交通手段を使って職場へ向かうのか?」「今日は何を食べたか?」といった『行動レベル』の情報も、具体的で簡単に答えられる情報です。
「いつ・どこで・何をする?」を表す『環境レベル』や『行動レベル』の情報は、表現しやすく、具体化しやすい情報であるということです。
能力レベルは具体的であり抽象的でもある
例えば、「あなたの仕事の能力はどの程度なのか?」を、具体的に話すことは少し難しくなると思います。趣味のゴルフはスコアを数値化できても、他人とのスイングの違いは説明しづらくなるはずです。
「どうやって?」を表す『能力レベル』の情報は、具体的でもあり、抽象的でもあるということです。
信念・価値観レベルやアイデンティティレベルは抽象的
例えば、「なぜ自分は今の仕事をしているのか?」「自分は何のために生きているか?」を具体的に言い表すことは難しいと思います。逆に、いろいろな考えを一言でまとめて、抽象化して表現すると思います。
「興味のある分野だから」「楽しい人生を過ごしたい」のような、抽象的な表現です。
「なぜ大切?」「私は誰?」を表す『信念・価値観レベル』や『アイデンティティレベル』の情報は、表現することが難しくなりやすく、抽象的な情報であるということです。
会話術のヒント
この抽象と具体の特徴も、仲良くなる会話術に活かせます。簡単で具体的な『環境レベル』の情報から会話を始めることで、会話が弾みやすくなるということです。
ニューロ・ロジカル・レベルの特徴5|本質と現象
最後に、ニューロ・ロジカル・レベルは上の図のように、アイデンティティレベルに行くほど本質的であり、環境レベルに行くほど現象的である特徴があります。
本質は変化しにくく、現象は変化しやすい特徴もあります。
環境レベルや行動レベルは現象的
『環境レベル』や『行動レベル』は、個人を表す現象的な情報です。
例えば、あなたの住所・職業・年齢・出身地・持ち物といった『環境レベル』の情報は、あなたがどんな人かを表現するための周辺情報に過ぎません。
- 「◯◯の仕事をしている」
- 「◯◯のブランドの服をよく着ている」
- 「◯◯の場所へよく遊びに行く」
といった情報は、あなたのアイデンティティや価値観に従った部分的な結果ではありますが、あなた自身を表す本質的な情報ではないですよね。
逆に、
- 「◯◯の仕事をしているから、△△な人だ」
- 「◯◯のブランドの服をよく着ているから、△△な人だ」
- 「◯◯の場所へよく遊びに行くから、△△な人だ」
のように、決めつけや誤解を生みやすい情報でもあります。
また、『環境/行動レベル』の現象は、変化しやすい特徴があります。遊び場所や持ち物は簡単に変えられますし、引っ越せば住所が変わり、転職すれば仕事が変わります。
能力レベルは本質的であり現象的でもある
『能力レベル』は、個人を表す現象的でもあり、本質的でもある情報です。
例えば、仕事や趣味の能力は、その人にどんな才能があるのか、何が好きなのか、どれほど取り組んでいるのかを表す情報になります。
『環境/行動レベル』に比べると、本質的であると言えます。
信念・価値観レベルやアイデンティティレベルは本質的
『信念・価値観レベル』や『アイデンティティレベル』は、個人を表す本質的な情報です。
例えば、「私は誰?」を表す『アイデンティティレベル』は、まさにあなたの本質を表現する情報ですよね。あなたが大切にしている信念や価値観も、あなたを表す本質です。
また、『信念・価値観レベル』や『アイデンティティレベル』の本質は、簡単には変化しにくい特徴があります。信念・価値観やセルフイメージは、蓄積された人生経験のフィードバックだからです。
会話術のヒント
この本質と現象の特徴も、仲良くなる会話術に活かせます。
最終的に『信念・価値観レベル』の話をすることで、お互いを理解し合える気持ちになるということです。さらに、相手の本質を褒めれば効果的な褒め方になり、相手の現象を叱れば効果的な叱り方になります。
ブランディングが重要な理由は本質と現象でわかる
ブランディングがなぜ重要なのかは、本質と現象の特徴からわかります。
一般的な商品・サービスは、購入した人の『環境/行動レベル』を変えるだけに過ぎません。そのため、より性能の良いライバル商品が出現した際には、簡単に乗り換えられることになります。
ですが、ブランディングを考えた商品・サービスであれば、購入した人の『信念・価値観レベル』や『アイデンティティレベル』に響くようになります。購入した人の本質に響けば、簡単に他の商品に乗り換えられなくなります。本質は簡単に変わらないからです。
ですので、商品・サービスが溢れる先進国では、価値観に訴えるブランディングが重要なんですね。
まとめ
以上、ニューロ・ロジカル・レベルの5つの特徴を解説しました。
5つの特徴
- 影響力の大小
- 無意識と意識
- 主観と客観
- 抽象と具体
- 本質と現象
ニューロ・ロジカル・レベルの5つの特徴をまとめると、次のとおりです。
下の階層の『環境レベル』や『行動レベル』の情報は、普段から意識していて、客観的であり、具体的であり、現象的な情報です。現象的な情報は変化しやすい特徴もあります。
上の階層の『信念・価値観レベル』や『アイデンティティレベル』の情報は、主観的であり、本質的な情報です。本質的な情報は変化しにくい特徴もあります。
だからこそ、上の階層の意識レベルの影響力は大きいんですね。
ただし、無意識的で抽象的でもあるために、たびたび意識と無意識の間でギャップが起こり、思いどおりにモノゴトが進まないことがあります。ギャップを起こさないためには、自分の信念・価値観を理解することが大切です。
次の記事では、ニューロ・ロジカル・レベルを使ったコミュニケーション術を解説します。
Next⇒「ニューロ・ロジカル・レベルの使い方|会話・恋愛・褒め方・叱り方」
NLPを学びたい人にオススメのわかりやすい本
スポンサード リンク