仕事術

興味を引くプレゼンができる5W1H(8W3H)の順番

2020-03-22

相手の興味を引き出す5W1H(8W3H)の順番

情報を整理整頓するために使われるフレームワーク 5W1H(8W3H)は、相手の興味を引き、行動を促す時にも使うことができます。

この記事では、相手の興味を引くための 5W1Hの順番を解説します。

意図的に相手の興味を引くことができれば、たとえあなたがセールス活動に苦手意識を持っているとしても、プレゼン・スピーチ・デートの誘いなど、いろいろな場面で影響力を強めることができます。

情報伝達のための基本的な 5W1Hの順番との違いを意識して、話の構成を考える際に役立ててください。

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興味を引くプレゼンができる5W1H(8W3H)の順番

興味を引くプレゼンができる5W1H(8W3H)の順番

相手の興味を引き、行動を促したいなら、意識するべき5W1H(8W3H)は次の4つのカテゴリー順です。

興味を引く5W1H(8W3H)

  1. なぜ行動するべきか?を訴える
  2. どのような能力か?を紹介する
  3. なにをするべきか?を提案する
  4. いつ・いつまでに・どこで・だれが・だれと・だれに・どのくらい・いくらでの具体的な行動を提示する

この『なぜ ⇒ どのように ⇒ なにを』の順番は、ゴールデンサークル理論と呼ばれます。

ゴールデンサークル理論とは

ゴールデンサークルの図

ゴールデンサークルの図

ゴールデンサークル理論とは、アップルの創業者である故スティーブ・ジョブズ氏が iPhoneのプレゼンで使っていたとされるトーク術です。

人に行動を促すリーダーのためのゴールデンサークル理論は、マーケティングの一環となるプレゼンやセールスコピーだけではなく、共感を生み、ファンを増やすブランディングにも効果的なトーク術です。

『なぜ ⇒ どのように ⇒ なにを』の順番がリーダーシップに効果がある心理学的な理由は、「ゴールデンサークル理論に学ぶ、人を熱狂的にさせるコピーづくり」の記事で解説しています。人間心理の理解を深めたい場合は、併せて読んでみてください。

では、ひとつずつ解説していきます。

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1. 『Why:なぜ』行動するべきか?を訴える

まずは、聞き手に『Why:なぜ』行動するべきなのか? を訴えます。

行動を促すための『なぜ』を訴える方法は、2つあります。

  1. 問題提起をする
  2. 価値観に共感してもらう

1-1. 問題提起をする

「問題提起をする」とは、聞き手の頭の中に疑問をつくることで、興味を引き出す方法です。

人は疑問を投げかけられると、興味を抱きやすい傾向があります。あなたもきっと、なぞなぞを出されて答えが分からないと、モヤモヤするのではないでしょうか?

この心理傾向を利用します。

例えば、ダイエットに興味を持ってもらいたければ

例え

あなたは今、思いどおりの人生を歩めていますか? もしも歩めていなかったとしたら、それは何が原因だと思いますか?

思いどおりの人生を歩む方法とダイエットには、ある共通点があります。ダイエットに成功できれば、思いどおりの人生を歩めるようになります。

なぜ、ダイエットの成功が人生の成功につながるのか? 今日はそのお話をします。

というような問題提起をすることで、興味を引き出しやすくできます。

人間の脳は、「わからないことはわかるようになりたい」という性質を持っています。ですので、最初に『なぜ?』という疑問をつくることで、聞き手の興味を引き出せるんですね。

そしてこの『なぜ?』は、相手の価値観に響く内容であることが大切です。

1-2. 価値観に共感してもらう

「価値観に共感してもらう」とは、話し手の価値観を打ち明けることで聞き手に共感してもらい、積極性をもって話を聞いてもらう方法です。

『なぜ行動するのか?』という問いは、行動の原点となる価値観の部分にあたります。いやいや行動するのか、自ら進んで行動するのかは、価値観に起因するということです。

ですので、最初に話し手の価値観に共感してもらうことで、積極性をもって話を聞いてもらうようにします。

例えば、ダイエットに興味を持ってもらいたければ

例え

私は以前、ダイエットに苦労していました。「今度こそは成功させよう!」という気持ちで取り組むものの、いつも1ヶ月も続かずに失敗していました。

「ダイエットは苦しいものだ」という意識があったせいか、逃げることばかり考えていたからだと思います。でも今は違います。無理なく苦労なく、健康的に痩せることこそがダイエットだと思っています。

こんなふうに考え方が変わったのは、あるダイエットに出会ったからです。

というような、話し手の価値観を伝えます。

人は自分の信念・価値観に基づいて行動を取ろうとします。自分の信念・価値観に合わない行動を促されても、自ら進んで行動しようとは思いません。

ですので、話し手の信念・価値観に共感できれば、話し手のメッセージに対して「自ら行動しよう!」という気持ちになりやすいんですね。

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2. 『How:どのような』能力か?を紹介する

次に、聞き手が『How:どのように』して理想的な変化が訪れるのかを語ります。

話し手が提案したい内容は、

  • どんな能力を持っているのか?
  • 他のモノとどんな能力の違いがあるのか?

を語ることで、さらに興味を高めます。

課題と解決策を語り、解決することで得られるメリットベネフィットを感情的に訴えることで、未来への期待感を高めます。

自分語りや商品紹介はしないこと

人は基本的に、自分のことにしか興味がありません。ですので、聞き手を中心にして話を進めることが大切です。

必要以上に自分語りをするのではなく、聞き手が得られるメリットや、聞き手が失敗しそうな要因にスポットを当てて話すようにします。

商品を紹介する場合でも、商品の特徴にスポットを当てるのではなく、商品の特徴からどんなメリットが生まれるのかを、聞き手のために語ることが大切です。

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3. 『What:なにを』するべきか?を提案する

『What:なにを』すれば理想的な未来が訪れるのかを語ります。

『なぜ?』で価値観を共有し、『どのような』能力があるのかを語り、『なにを』すればよいのかを語ることで、自発的な行動を促します。

例えば、商品を紹介したいなら、商品の具体的な特徴を説明します。

4. 『When by:いつまでに』『Where:どこで』『Who:だれが』の具体的な行動を提示する

最後に『When by:いつまでに』『Where:どこで』『Who:だれが』行動すれば良いのかを語り、具体的な行動を促します。先ほどの『What:なにを』を補足する内容です。

積極性を伴って話を聞いてもらい、未来への期待感を抱いてもらうことで、促された行動を実行してもらいやすくなるんですね。

例えば、商品を紹介するのであれば、価格の発表やオファーの内容を紹介して、今すぐ行動するべき理由を強化します。

新商品の発表の場合は、発売日・販売場所・キャンペーンなどの告知です。

行動喚起の後押しで行動してもらう

人は自分の価値観に合わない行動は、自発的には行動しない生き物です。

促したい行動のメリットをどんなに伝えても、「◯◯してください」という行動喚起をしなければ、なかなか行動してくれません。

ですので、一般的な説得の場合は、具体的に行動を促す明示的説得が大切です。

例えば、次のような文言です。

  • ぜひ、一度お試しください
  • 今すぐお電話ください
  • キャンペーンは◯日までですので、お早めにお申し込みください

価値観の共感があれば自発的に行動してくれる

ただし、最初に価値観を共感してもらった場合は、行動喚起の念押しをしなくても行動してくれる可能性が高くなります。

自分の価値観に合った行動なら、自発的に行動しようと感じるからですね。ですので、最初に話し手の価値観を伝えて共感してもらえれば、自然と行動してくれる期待を持てるというわけです。

あなたがセールス活動やゴリ押しの説得が苦手な場合は、『なぜ ⇒ どのように ⇒ なにを』の順番は、特に効果的なんですね。

まとめ

以上、興味を引き出し、行動を促す 5W1H(8W3H)の順番を解説しました。

興味を引く5W1H(8W3H)

  1. なぜ行動するべきか?を訴える
  2. どのような能力か?を紹介する
  3. なにをするべきか?を提案する
  4. いつ・いつまでに・どこで・だれが・だれと・だれに・どのくらい・いくらでの具体的な行動を提示する

相手の興味を引き出し、積極的に行動してもらいたければ、最初に話し手の信念・価値観を語るようにします。

話し手の信念・価値観は、聞き手が共感できるものであることが大切です。

ですので、あなたが上司の立場などでリーダーシップを取りたい場合は、相手がどんな価値観を持っているのかを知って、メッセージを発信するようにしてみてください。

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  • この記事を書いた人

高木浩一

心理学と脳科学が好きなマーケティング・Web集客の専門家/解脱しかけのゲダツニスト/ 大企業のマジメな広告デザインから男性を欲情させるアダルティな広告デザインまで、幅広い分野を経験した元グラフィックデザイナー。心理面をカバーしたマーケティングとデザインの両方の視点をもつ。個人が個人として活躍する時代に向けて「使えるマーケティング」をモットーに情報発信中。

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