新しい市場の開拓を目指すブルー・オーシャン戦略では、今までの顧客層以外の人たちに目を向け、新しい価値を付け足す必要があります。
新しい価値を付け足してブルーオーシャンを見つけためには、今までにはない視点で商品・サービスについて考える「6つのパス(経路)」があります。
あなたのビジネスがレッド・オーシャンで疲弊しないためには、「6つのパス」と「戦略キャンバス」を使って、ライバルの消去ができないかを考えてみてください。
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ブルーオーシャンを見つける6つのパス
次の「6つのパス(経路)」を辿れば、バリュー・イノベーションを起こして、ライバルだらけの市場を一気に抜け出すアイデアが生まれやすくなります。
6つのパス(経路)
- 代替品となる間接競合に学ぶ
- 直接競合の戦略に学ぶ
- 買い手と近い存在に目を向ける
- 補完する商品・サービスに目を向ける
- 提供する価値を変える
- 未来を予測する
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6つのパス 1:代替品となる間接競合に学ぶ
1つ目のパスは、 商品・サービスの代替品になる間接競合からヒントをもらう方法です。
間接競合とは、別ジャンルの商品・サービスでありながら、同じニーズを満たす競合のことですね。
例えば、ラーメン屋さんの間接競合は、牛丼屋、カレー屋、ファミリーレストランなど、飲食店全般になります。あるいは、コンビニ弁当も間接競合になります。
もしもあなたがラーメン屋さんだったとしたら、
- 「なぜお客さんは自分の店ではなく隣りの牛丼屋を選ぶのか?」
- 「何を決め手にしてファミリーレストランを選んでいるのか?」
といったことを考えることで、新たな顧客層を生み出すヒントが得られます。
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6つのパス 2:直接競合の戦略に学ぶ
2つ目のパスは、直接競合の戦略からヒントをもらう方法です。
直接競合とは、同じジャンルの商品・サービスを提供している競合のことですね。
例えば、ラーメン屋さんの直接競合はラーメン屋さんです。
たとえ同業者であったとしても、いろいろな戦略で経営しているはずです。高級志向・低価格志向・回転率志向など、直接競合の戦略を見てみることで、新たな市場を開拓するヒントを得られます。
6つのパス 3:買い手と近い存在に目を向ける
3つ目のパスは、買い手と近い存在に目を向けることでヒントをもらう方法です。
商品・サービスを利用する買い手には、商品・サービスを利用する際に関わっている存在がいます。相談する人、影響を与えている人、販売店、友達、恋人、家族などです。
例えば、子供向けのオモチャの場合、オモチャで遊ぶのは子供でも、実際にお金を払うのは親御さんだったり、おじいちゃんだったりしますよね。
ネクタイを身につけるのは男性でも、プレゼントをするのは女性だったりします。
ラーメン屋さんであれば、お客さんと一緒に来ている連れの人に目を向けたり、顧客層が読んでいる雑誌に目を向けることでヒントを得られるかもしれません。
買い手と関わる存在に目を向けることが、新たな市場を開拓するヒントになります。
6つのパス 4:補完する商品・サービスに目を向ける
4つ目のパスは、扱っているビジネスを補完する商品・サービスに目を向けることでヒントをもらう方法です。
多くの商品・サービスは、単体ではなく組み合わせたり補完することで成り立っています。
例えば、インターネットを使って検索をするためには、スマホやパソコンが必要になりますよね。さらに通信会社と契約して、検索するためのブラウザも必要になります。
補完する商品・サービスに目を向けることで、お客さんが求めているモノ・コトがわかるようになります。自分のビジネスに欠けている要素を見つけることができれば、新たな市場へのヒントになります。
ラーメン屋さんであれば、麺に使っている素材、トッピング、サイドメニュー、ラーメンを入れる器、店内の雰囲気などに視野を広げてみることで、バリュー・イノベーションのヒントが得られるかもしれません。
6つのパス 5:提供する価値を変える
5つ目のパスは、提供する価値を変えられないかを考えてみる方法です。
提供する価値とはベネフィットのことです。
例えば飲食店なら、「早い・安い・うまい」といった機能的な価値を提供しているのが一般的です。これを「心地よい・楽しい・人に自慢したい」といった感情的な価値に転換できないかを考えてみます。
ラーメン屋さんであれば、ラーメンの見た目を珍しいものに工夫して、「おいしい」という機能的価値に加えて、「楽しい」という感情的な価値を提供できるかもしれません。
違う視点から見てみて、提供する価値を変えることができれば、ブルー・オーシャンのヒントが得られます。
6つのパス 6:未来を予測する
6つ目のパスは、未来を予測することでヒントをもらう方法です。
世間の流行り廃りや、止めることができない時代の流れには、新しい市場へのヒントが隠れています。
例えば、日本では高齢化と少子化が進み、人口も徐々に少なくなっています。それとは反対に、日本へ訪れる外国人観光客は年々増加を辿っています。次々に登場する SNSを分析すれば、どのような機能が追加されて進化しているのかを読み解くことができます。
世の中の変化を先取りすることができれば、誰も手をつけていないブルー・オーシャンへのヒントを得られます。
戦略キャンバスとバリュー・イノベーションの例え
例えば、激戦区にあるラーメン屋さんがブルー・オーシャンを目指すとします。バリュー・イノベーションを起こすために、まずは現状の戦略キャンバスを作ってみます。
あるラーメン屋の現状の戦略キャンバス
現状の戦略キャンバスでは、ライバル店との差別化はあまりできておらず、ライバル店より優れているところもあまり見当たらないようです。
バリュー・イノベーションを実現するための戦略キャンバス
「6つのパス」で考えてみたことで、次のようなバリュー・イノベーションの構想を描いてみました。
激戦区に外国人観光客が多くなったことを受けて、今まで対応していなかった外国人観光客を呼び込むことを考えます。
お店のコンセプトにテーマ性を追加して、看板メニューの見た目を大胆に変えてオリジナリティーの追及をします。「楽しい!」という感情的な価値を提供することで、SNSで多くの人にシェアしてもらうことを狙います。
オペレーションはなるべく簡単にしたいので、注文の際に店員さんとのやりとりが必要になるトッピングやサイドメニューを思い切って取り除きます。これによって回転率を上げ、コストダウンを図ります。
簡単な例えではありますが、このようなバリュー・イノベーションを考えることができます。
まとめ
以上、「6つのパス」を使ったブルーオーシャンの見つけ方を解説しました。
ブルー・オーシャン戦略では、低コスト化と差別化を同時に行うバリュー・イノベーションが成功のカギになります。
今までの顧客層以外の人たちに目を向けて、セグメンテーションを仕切り直すためには、「6つのパス」以外にも切り口はいろいろあります。
今までの業界内の常識にとらわれないように、たくさんのアイデアを考えてみてください。
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