顧客心理を掴む心理学

ドア・イン・ザ・フェイスとは?譲歩して要求をとおす3つのポイント

ドア・イン・ザ・フェイス

何かお願いごとをする時に、成功の可能性が高くなる心理テクニックとして、「ドア・イン・ザ・フェイス(譲歩的要請法)」があります。

最初に断られるほどの大きな要求を出して、断られたら小さな要求に変えるという交渉術です。何も考えずに交渉した場合と比べれば、3倍近くの差が出るほど強力なテクニックです。

ビジネスの場面ではよく知られているテクニックですが、恋愛などの人間関係の構築にも役立つ交渉術です。

ドアインザフェイス・テクニックを正しく使うためには、3つのポイントを押さえることが大切です。ポイントを理解して、交渉の成功に役立ててください。

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ドア・イン・ザ・フェイス(譲歩的要請法)とは

ドア・イン・ザ・フェイスの名前は、『shut the door in the face(門前払いする)』という、訪問販売員がお客さんとのドア越しのやり取りを表したフレーズに由来します。

このドア・イン・ザ・フェイスは、日本語で『譲歩的要請法』と名付けられているように、こちらと相手の譲歩を利用したテクニックで、「返報性の原理」を応用しています。

返報性の原理とは?

返報性の原理とは、「何かをされたら、何かを返したくなる」と感じる心理現象のことを言います。

例えば、人に食事をご馳走してもらったとしたら、こちらも何かお返しをしないと申し訳ない気持ちになりますよね。同じように、何かを譲歩されたら、こちらも譲歩したくなる心理が働きます。

つまりドア・イン・ザ・フェイスは、「そちらが譲歩してくれたんだから、こちらもそのお返しをしなくちゃ・・・」と感じる、『譲歩の返報性』が核となっているテクニックです。

返報性の原理とは?ギブから始まる人に好かれる極意」の記事では、返報性の原理を詳しく解説しています。

ドア・イン・ザ・フェイスの実験例

ドアインザフェイス・テクニックは、1975年に社会心理学者のロバート・B・チャルディーニ氏が行なった、次の実験でも効果が証明されています。

まずはじめに、キャンパスを歩いている大学生を呼び止めて、「非行少年のグループを2時間ほど動物園に連れて行くボランティアをしてくれないか?」と頼みました。学生からしてみれば、なんの得にもならない頼みごとです。

結果は予想どおり低く、OKしてくれた学生はわずか17%でした。

次に、別の大学生には、「毎週2時間、二年間にわたって非行少年のカウンセリングをしてくれないか?」と頼みました。かなりハードルの高い頼みごとです。これには全員が拒否しました。

そこですかさず、「だったら、非行少年のグループを動物園に連れて行くボランティアをしてくれないか?」と頼みました。すると結果は、50%の学生がOKしたのでした。

つまり、譲歩する形で要求を下げたことで、承諾率が約3倍になったのです。

なかなか強力なテクニックですよね。

ドア・イン・ザ・フェイスの例え

ドア・イン・ザ・フェイスを恋愛の場面で使うとしたら、こんな風に使います。

例えば、相手を食事に誘いたいんだけど、なかなか良い返事をもらえそうにない場合は、あえて断られそうな大きな要求を最初に出します。

恋愛の駆け引きで使う会話例

A:「今度、温泉旅行に行かない?」
B:「う〜ん、それはちょっと・・・」
A:「いきなり旅行なんて無理だよね、知ってた」
A:「じゃあディズニーランドなんてどう?」
B:「いやぁ、それも・・・」
A:「だったら、軽く食事だけでも行かない?」
B:「・・・ご飯くらいだったら、いいよ」

Bさんにしてみれば、一度断ったことで、少なからず罪悪感が働きます。そして「罪悪感は無くしたい」という心理が働きます。そこで、Aさんが譲歩した形にすることで、「そちらが譲歩してくれるなら、こちらも譲歩しよう」という気持ちになりやすくなります。

さらに、最初は「温泉旅行」だったのが「軽い食事」に変わったわけですから、「軽い食事」が大したことのない要求であるように感じますよね。

このように、ドア・イン・ザ・フェイスは、対象を対比させることで感じ方が変わるコントラスト効果も同時に働いています。

ただし、Bさんにとって最初の要求(温泉旅行)がハードルの高すぎる内容だった場合は、うまくいきません。

ドア・イン・ザ・フェイスの2つのお得な効果

ドア・イン・ザ・フェイスには、相手の「Yes」を引き出しやすくするだけでなく、2つのお得な効果があります。

  1. 責任感が芽生える
  2. 満足感を味わってもらえる

1. 責任感が芽生える

一つ目は、交渉ごとが「自分に有利な条件に変わった」と感じることで、より強い責任感が芽生える効果です。

例えば、明日までに仕上げてほしい仕事を依頼する際に、依頼側が譲歩して「明後日までではどうですか?」「明後日までなら、いいですよ」というやり取りをしたとします。この場合、相手は「必ず明後日までに仕上げよう!」という気持ちになってもらいやすくなります。

自分にとって有利な条件に変わったことで、「この約束は守らなければ!」という気持ちになってもらいやすくなるんですね。

2. 満足感を味わってもらえる

二つ目は、最終的な決定を「自分が取りまとめた」と感じることで、満足感を味わってもらう効果です。

例えば、10万円で販売しているテレビを買おうとした時に、店員さんと交渉して8万円にまけてもらったとします。この時、あなたは満足感を味わうのではないでしょうか?

2万円も得したわけですから、店員さんとの交渉に勝った気分になりますよね。満足感を味わうことで、また同じ店員さんに接客してもらいたいと感じるかもしれません。

でもそれは、店員さんが仕掛けたドア・イン・ザ・フェイスである可能性があります。あなたが交渉で勝ったと思わせるために、譲歩して負けたふりをしてくれたのかもしれません。

そのテレビは「10万円」と表記しているものの、もともと8万円まで値下げしても大丈夫な可能性もあるわけです。もっと言えば、7万円まで下げてもOKだったかもしれません。

ドア・イン・ザ・フェイスを成功させる3つのポイント

ドア・イン・ザ・フェイスを成功させるには、3つのポイントがあります。

  1. 最初の要求で相手に不快感を与えないこと
  2. 最初の要求の後、次の要求はすぐにすること
  3. ダミーを用意しすぎて断りグセをつけられないこと

1. 最初の要求で相手に不快感を与えないこと

最初に出す要求は、相手に不快感を与えないことが大切です。

最初の要求を相手の要望を無視した無理難題な大きさにした場合は、相手に不快感を与えてしまいます。そうなったら、相手は不信感や警戒心を抱きます。そこからいくらハードルを下げたところで、譲歩してくれたとは感じてもらえません。

例えば、知り合って間もない女性に「結婚して!」とわざと大きな要求をして、「じゃあLINE交換だけでも」と小さな要求をしたとしても、気持ち悪がられるのは想像できると思います。

ですので、最初に出す大きな要求は、相手が不快感を抱かない程度の、ちょっと高いハードルにすることが大切です。ちょっと高いハードルであれば、もしかしたら、その条件で相手がOKしてくれるかもしれません。

2.最初の要求の後、次の要求はすぐにすること

ドア・イン・ザ・フェイスは、相手が罪悪感を抱いているうちに、譲歩して小さな要求をする必要があります。

例えば、最初の大きな要求を断られてから1週間後に小さな要求を出したとしても、相手の罪悪感は薄れています。これでは、譲歩の返報性は働きにくくなります。

相手にも譲歩してもらうためには、相手の罪悪感が残っている間に小さな要求をすることが大切です。

3. ダミーを用意しすぎて断りグセをつけられないこと

本命の要求に到達するまでにダミーの要求を用意しすぎて、相手に断りグセをつけないことが大切です。

人は何度も同じことを繰り返すと、慣れる特性をもっています。4つ5つと複数の大きな要求をすると、相手は本命の要求に到達する前に断り慣れてしまいます。

「この人のお願いごとは、断るのが当たり前。」そう思われると、断ることに罪悪感を抱かなくなります。

断ることに罪悪感を抱いてもらうためには、断りづらく感じるような雰囲気を作っておくことが大切です。断りづらく感じる雰囲気とは、「そうですね!」「いいですね!」と、好意的で和気あいあいとした雰囲気です。

ドア・イン・ザ・フェイスはコピーライティングへ応用できる?

ドア・イン・ザ・フェイスは、相手に断られて、こちらが譲歩する必要があります。相手が断ることで、相手の罪悪感を引き出すことが大切です。ですので、1枚のセールスレターとしては応用することが難しいです。

ですが、ステップメールやメールマガジンでは、擬似的なドア・イン・ザ・フェイスを使うことができます。

ステップメールやメールマガジンでは、読み手にとって、これでもかというほどの有益なコンテンツを無料で提供し、同時に商品の案内をします。そして、購入してくれなかった人に対して、譲歩する形のセールスをさらに案内すれば、拒否し続けることに罪悪感を抱きやすくなります。

罪悪感が芽生えれば応用できる

「ドア・イン・ザ・フェイス」ではなく「返報性の原理」として考えれば、セールスコピーでも応用できます。

セールスコピー自体を、有益な情報を入れて楽しいコンテンツにすることで、「このまま何も買わないのは、申し訳ないな・・・」と感じてもらうことができれば、返報性の原理が働きます。

まとめ

ドア・イン・ザ・フェイス(譲歩的要請法)とは、譲歩の返報性を利用した、承諾の可能性が高くなる交渉テクニックです。こちらが譲歩すれば、相手も「譲歩しなければ・・・」と感じてもらいやすくなります。

こちらが譲歩して、相手に「交渉に勝った」と思ってもらえば、相手に満足感を味わってもらうことができます。そのためには、相手に決定権をゆだねることが大切です。

ドア・イン・ザ・フェイスを成功させるポイントは、次の3つです。

  1. 「相手に不快感を与えないこと」
  2. 「次の要求はすぐに出すこと」
  3. 「断りグセをつけさせないこと」

以上を踏まえて、交渉ごとを有利に進めてください。

ドア・イン・ザ・フェイスの対極にあたる心理テクニックとして、「フット・イン・ザ・ドア(段階的要請法)」があります。こちらは一貫性の原理を応用した交渉術です。

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