コンテンツマーケティングでは、「お客さんが売り手や商品のことをどれくらい知っているか?」という「認知度レベル」に合わせたコンテンツづくりが大切です。
例えば、初対面の人が知らない商品を見せてきて、第一声で「はじめまして、この商品は◯◯円でお得ですよ!」とセールスをしてきても、きっと欲しい気にはならないですよね。
まずは相手が何者かを知りたいですし、商品についての知識や、自分にとって必要かどうかを考える材料が欲しいと感じると思います。
認知度レベルに合わせたメッセージを伝えるには、一番伝わりやすいコンテンツで届けることが大切です。
この記事では、前回の記事で紹介した「16種類のコンテンツ」が持っている特性を、ユージン・シュワルツ氏が提唱した「商品認知度」にあてはめて、その使い分けを考えてみたいと思います。
コンテンツマーケティングを効果的に行うために参考にしてみてください。
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ユージン・シュワルツの「商品認知度」とは
アメリカの伝説的コピーライターであるユージン・シュワルツ氏は、「商品認知度」を提唱しました。
商品認知度とは、見込み客(商品を買う可能性のある人)があるビジネスについて、どれくらい知っているかという認知度のレベルを段階的に分けたものです。「見込み客がどのレベルにいるかによって、伝えるメッセージを変える必要がある」という指摘をしています。
ユージン・シュワルツ氏が提唱した「商品認知度」は、つぎの5つの段階に分けられます。
- 見込み客は、すでに商品のことを知っているし、欲しいと思っている。
- 見込み客は、商品のことを少しは知っているが、欲しいとは思っていない。
- 見込み客は、商品の機能を必要としているが、あなたの商品は知らない。
- 見込み客は、商品の必要性は感じているが、あなたの商品がその必要性を満たしてくれることに気づいていない。
- 見込み客は、商品を全く知らない。欲しいとも思っていないし、その必要性も感じていない。
16種類のコンテンツとは
商品認知度に合わせるコンテンツの種類は、次のとおりです。
コンテンツの種類 | コンテンツの内容 | |
1 | ポスト | Facebook、google+など長めのSNSへの投稿、軽めのブログ記事 |
2 | レビュー | お客さんからの評価 |
3 | ケーススタディー | 成功事例、失敗事例 |
4 | アーティクル | 自社サイト内でのブログ記事 |
5 | ウェブページ | 自社サイト内に必要な記事 |
6 | ホワイトペーパー | 報告書 |
7 | ポッドキャスト | 音声コンテンツ |
8 | プレゼンテーション | スライドショー、プレゼンの資料 |
9 | 動画 | YouTubeなどの動画コンテンツ |
10 | ウェビナー | リアルタイムでの動画コンテンツ |
11 | 本 | 書籍 |
12 | PDFファイル | ネット上での書籍 |
13 | e-Book | ネット上での書籍 |
14 | 拡散目的のコンテンツ | |
15 | ニュースレター | メールマガジン、会報誌 |
16 | プレスリリース | 新聞社や雑誌社等の報道機関に提供する記事 |
では、「商品認知度」を「16種類のコンテンツ」にあてはめて、どのようにコンテンツを提供していくかを考えてみます。
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1. すでに商品のことを知っているし、欲しいと思っている。
この段階の見込み客(商品を買う可能性のある人)は、商品についての知識をすでに持っています。
欲しいと思っていても購入していないのは、購入のタイミングを失っていることが原因です。この段階の見込み客へは、成約(コンバージョン)へ向けたタイミングを作ってあげることを考えてみます。
購入へ向けて少しだけ背中を押してあげるためには、期間限定のキャンペーンを行うなどして、Facebook や Twitter などの SNS、アーティクル、またはニュースレター・メールマガジンでお知らせするのが良いですね。
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2. 商品のことを少しは知っているが、欲しいとは思っていない。
この段階の見込み客には、まだ「欲しい」という感情がありません。
つまり、商品に対して価値を感じていません。ですので、「欲しい」と感じてもらえるような、具体的なベネフィット(満足感)を伝えるためのコンテンツが必要になります。
感情を動かすという意味では、イメージが伝わりやすい動画や、他人の意見で商品・サービス購入後の追体験ができる、レビューやケーススタディーのコンテンツが有効です。
3. 商品の機能を必要としているが、あなたの商品は知らない。
この段階の見込み客は、まだ自分の欲求がはっきりしていません。
そこで、まずは欲求に気づいてもらうために、問題提起とその解決方法を示してあげる必要があります。
コンテンツとしては、ケーススタディーや報告書、PDFファイル や e-Book でデータに基づいた解決方法の提示をすることが有効です。
4. 商品の必要性は感じているが、あなたの商品がその必要性を満たしてくれることに気づいていない。
3つめの段階と似ています。見込み客には問題意識があるものの、解決方法がわかっていない段階です。ですので、ここではあなたの会社の自己紹介をする必要があります。
自己紹介といっても、会社概要のことではありません。あくまでも、見込み客が知りたがっている情報の紹介です。
ウェブページ、アーティクルや動画といったコンテンツを使って、あなたの会社は何を専門にしているのか、どんなことを解決できるのか、なぜ解決できるのか、その根拠を紹介していきます。
ほとんどのコンテンツマーケティングは、この段階の部分を取り組んでいるかと思います。見込み客にとって役に立つ情報や、面白いコンテンツが作れれば、何度もサイトに訪れてくれるきっかけになります。
5. 商品を全く知らない。欲しいとも思っていないし、その必要性も感じていない。
この段階の見込み客へは、商品を売ることではなく、まずは商品の存在を知ってもらうことを考えなくてはいけません。
商品の詳細はここでは考えず、興味を引くようなインパクトのあることは何かを考える必要があります。
見込み客の注意を引くためには、Twitter などの SNS や、ブログ記事、動画を使って、拡散されるような話題性のある情報を発信する必要があります。
ただし、商品とは全く関係のない内容で興味を引くことは避けた方が賢明です。
テレビCM でもよく見かけますが、たとえインパクトを残したとしても、何の商品のことだかわからなくては、認知度を上げたとは言えないからです。
例えば、ラーメン屋さんなのに「かわいい犬の動画」で話題を集めても、そこに集まってくる人は「かわいい犬」を見たい人です。全く無駄とは言えませんが、労力の割には集客できないということが起こります。
まとめ
コンテンツマーケティングは、見込み客の認知度レベルに合わせたメッセージを発信することが大切です。
メッセージには伝わりやすいコンテンツがあります。見込み客の状態に合わせたコンテンツを提供することで、見込み客は次の段階へと進んでくれます。
ぜひ、順序立てたコンテンツを考えてみてください。
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