仕事術

怒りと悲しみ【負の感情】をコントロールする方法

2017-11-08

感情をコントロール する知識

毎日楽しい気分で過ごすためには、怒りや憎しみ、悲しみといった負の感情は、できるだけコントロールしたいと感じるのではないでしょうか。

例えば、瞬間的な怒りに支配されると、攻撃的になり、他人を傷つけたくなる衝動に駆られてしまいます。また、長時間悲しみに支配されると、「もう何もしたくない・・・」という無気力感に襲われてしまいます。

この記事では、

  • 負の感情をコントロールする考え方
  • 怒りを鎮める方法
  • 悲しみを和らげる方法

について解説します。

負の感情をコントロールして、ネガティブな感情を抑えることに役立ててください。

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負の感情をコントロールする考え方

感情のコントロールは理想と現実のギャップを小さくする

人間の基本的な感情を大きく5つに分類すると、『楽しみ・嫌気・悲しみ・恐れ・怒り』に分けることができます。

この5つの感情のうち、特にコントロールしたい感情はおもに「悲しみ・怒り」になるのではないかと思います。

感情のコントロールは、理想と現実のギャップを小さくすること

感情とは、理想と現実のギャップで生まれます。

ですので、負の感情をコントロールするためには、理想と現実のどちらかを変えてギャップ差を小さくするようにします。

例えば、ファミリーレストランで子供が騒いでいることに怒りを覚えるとしたら、その理由は

理想と現実のギャップの例え

  • 【理想】静かに食事を楽しみたい ⇒【現実】うるさい
  • 【理想】レストランでは子供はおとなしくしているべき ⇒【現実】騒がしい
  • 【理想】親は子供を注意するべき ⇒【現実】放置している

といった、理想と現実のギャップを感じるからですね。

このギャップ差を小さくできれば、感情はコントロールできるということです。

理想を変えるには、信念を変える

理想とは「信念」だと言い換えることができます。信念とは、意識的にも無意識的にも自分が大切だと思い込んでいるルールです。

ですので、理想を変えるには信念を変えるようにします。

例えば、ファミリーレストランで子供が騒いでいることで怒らないようにするためには、

信念を変える例え

  • 食事を楽しむことに静けさは必要ない
  • 子供はどこでも元気な方がかわいい
  • 注意は親以外でもできる

といった信念に変えることで、怒りの感情そのものが現れなくなります。

ただし、大抵の信念は小さな頃からの経験によって形成されたものなので、簡単には変えにくい可能性があります。どちらかと言えば、理想(信念)よりも現実を変える方が、比較的簡単に感情をコントロールしやすいです。

現実を変えるには、捉え方を変える

起こってしまった現実は、「捉え方」で意味合いを変えることができます。

例えば、ファミリーレストランで子供が騒いでいる現実は、

捉え方を変える例え

  • 騒がしい雰囲気も、たまには楽しいかもしれない
  • 子供が騒ぐのには正当な理由があるのかもしれない
  • 親が注意できない状況があるのかもしれない

といった、「◯◯かもしれない」という他の可能性も含めた捉え方に変えることで、自分の怒りの感情が間違いのように感じることができます。

捉え方を変える方法はABC理論で詳しく学べる

「捉え方」を変える方法は、認知行動療法のルーツとなっているABC理論で詳しく学ぶことができます。

感情が生まれる様子や、自分の思い込みのクセを見つけることにも役立ちますので、ネガティブな感情に支配されることに悩んでいる場合は、次の記事を読んでみてください。

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感情が生まれる要因を知っておくとコントロールに役立つ

感情をコントロールする考え方

感情とはどのような時に生まれるのかを知っておくと、コントロールに役立ちます。

アメリカの心理学者ポール・エクマン氏によると、感情が生まれる要因は9つに分類できるとしています。

感情が生まれる9つの要因をまとめると、感情は次の4つの反応によって生まれることがわかります。

  1. 未知な出来事に対する恐怖心
  2. 過去や未来を想像した時
  3. 他人の言動に影響を受けた時
  4. 自分で表情や姿勢を変えた時

1. 未知な出来事に対する恐怖心

人は未経験のことや知らないことに対して、本能的(無意識的)に恐怖を抱く傾向があります。

ですので、新しいチャレンジに挑戦する際に「失敗したらどうしよう・・・」「やめよっかな・・・」といったネガティブな感情が生まれるとしたら、動物としては当たり前の反応だと言えます。

この事実を知っておくだけでも、感情のコントロールに役立つのではないでしょうか。少なくとも、「自分はなんて臆病なんだ・・・」といった不要な自己嫌悪には陥らなくて済みます。

2. 過去や未来を想像した時

人は過去や未来を想像した時に、感情が生まれます。

例えば、あなたの恋人が「後で話があるんだけど・・・」と言ってきた時に不安な感情が生まれるとしたら、「振られるかもしれない」というようなネガティブな未来を想像してしまうからです。

「恋人と楽しい時間を過ごしたい」という理想に対して、ギャップのあるネガティブな想像をしてしまうんですね。

もしも「後で話があるんだけど・・・」という言葉に対して「今度の連休の相談かな?」という想像をすれば、期待の感情が生まれます。

どんな反応をするにしても、自分の考え方次第で感情は自由に変えられるということです。

3. 他人の言動に影響を受けた時

人は他人の言動に影響を受けて、感情が生まれます。

例えば、店員さんに大声で怒鳴りながらクレームをつけている人を見かけた時に、「イヤな人だな・・・」といった嫌悪感を抱くとしたら、「他人に感情をぶつけるのは良くない」といった信念を持っているからです。

ですが、クレームをつけている人は、怒鳴るほどの正当な理由があるのかもしれません。もしも理由を知っていれば、嫌悪感は抱かない可能性がありますよね。

他人の言動で感情が生まれる場合は、一部分しか知らない可能性を理解しておけば、感情はコントロールしやすくなります。

4. 自分で表情や姿勢を変えた時

人は自分で表情や姿勢を変えた時にも、感情が生まれます。

例えば、気持ちが落ち込んだ時は背中が丸くなって、うつむきがちになります。反対に、気分が弾んでいる時には、胸を張って動作も大きくなりがちです。

感情と表情や姿勢は連動しています。ですので、悲しい時に喜びの表情やポーズを取れば、感情を変えられるようになります。

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感情の持続時間を知っておくとコントロールに役立つ

感情をコントロールするためには、感情の持続時間を知っておくと役に立ちます。

2014年に行われた調査によると、27種類の感情について、次のような持続時間であることがわかりました。

感情の持続時間

感情27種類の持続時間

5大感情の持続時間

  • 悲しみ:120時間
  • 楽しみ(喜び):35時間
  • 怒り:2時間
  • 恐れ:0.7時間
  • 嫌気(嫌悪):0.5時間

悲しみは5日間も続き、怒りは2時間で鎮まることを考えれば、コントロールの対策を考えることができます。

  • 短時間で鎮まりやすい怒りの感情 ⇒ 怒りの瞬間を抑える
  • 長時間続きやすい悲しみの感情 ⇒ 徐々に弱くする

怒りを抑える考え方

「怒り」とは、自分の権利を奪われたり、自分を否定されたり、自分を傷つけられたり、自分の欲求が満たされない時に起こる感情です。

この感情を抑えるには、怒りの原因を分析して、正しい感情なのかを確認することで徐々に抑えることができるようになります。

相手を敵だと認識すると怒りが生まれる

持続時間が2時間ほどの比較的短い「怒り」という感情は、対象のことを『自分の安全を脅かす “敵” 』だと認識することで生まれます。

例えば、

  • ファミリーレストランで騒ぐ子供 ⇒「子供はおとなしくしているべき」というルールを破る敵
  • 子供に注意をしない親 ⇒「親は子供をしつけるべき」というルールを破る敵

このような認識をするんですね。

これは「自分のルールが正しい・相手のルールが間違い」という認識の上に成り立ちます。

自分だけがいつも絶対的に正しい?

人は他人と意見が違うと、自分の意見が正しくて、相手の意見が間違いのように感じる傾向があります。大げさに言うと、自分は『聖人』、相手は『愚人』であると考えがちです。

なぜなら、人間には次のような欲求があるからです。

  • 自分を守ろうとする欲求
  • 自分が重要な存在でありたいと望む欲求

このような理由から、他人と意見が食い違うと自分が正しいと感じ、自己防衛のために間違っている(と感じる)相手を非難したくなるんですね。

ですので怒りを抑えるためには、「自分のルールだけが絶対的に正しいのではなく、相手のルールも正しい可能性がある」ことを考えるようにします。

信念やルールとは「正義」

信念やルールは、「正義」だと考えれば腑に落ちやすいかもしれません。

自分が持っている正義と相手の持っている正義に違いがあったとしても、どちらも「正義」であるという考え方です。怒りの対象が『敵』ではなく、同じ人類としての『仲間』だと認識できれば、怒りという感情は抑えられます。

このような考え方ができる人は、自己肯定感が高い人だと言えます。

自己肯定感とは、自分の存在を肯定できる感覚のことです。自己肯定感が高い人は、自分の意見と他人の意見を同じように尊重することができます。

自己肯定感が高まれば、相手を仲間だと感じることができます。

「人は誰もが凡人」と考えると、相手を尊重しやすくなる

日本には、次のような有名な言葉があります。

「和を以て貴しとなす」

「人は誰もが凡人にすぎない。だから、単独で意見を決定せずに、自分と違う意見の人と交流することで正しい判断へ導きなさい」という教えです。

人は自分と同じ意見の人と仲良くして、違う意見の人と距離を置き、派閥をつくる傾向があります。そうなると、ますます自分の意見だけが正しいという偏った見方が生まれてしまいます。

「自分は凡人であり、誰もがそれぞれ正しいと思う意見を持っている仲間」だという信念に変換できれば、新しい捉え方ができるのではないかと思います。

今までイライラしていた事柄に対しても「なぜ自分はこのことで怒りを覚えるんだろう?」と、自分の信念の原点を見直すこともできます。

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6秒我慢して怒りの瞬間を抑える方法

瞬間的に支配される怒りの感情は、6秒がピークだとする説があります。怒りを感じた時に分泌されるアドレナリンというホルモンが、最初の6秒で強く出ると言われているからです。

ですので、怒りを感じた6秒を我慢することができれば、怒りを抑えることができます。

怒りを鎮める5ステップ

怒りを鎮める5ステップは、次のとおりです。

ステップ1. 自分の怒りに気づく

まずは自分の怒りの感情に気づくことが大切です。

怒りという感情に支配されると、交感神経が優位になります。鼓動が早くなって早口になる興奮状態のことです。

「あ、怒ってる・・・」と気づくことができれば、自分を客観視できるようになります。

ステップ2. 6秒間目をそらす

怒りの感情に気づいたら、6秒間、怒りの対象から目をそらし、深呼吸をします。深呼吸をすることで、リラックス状態の副交感神経が優位になります。

また、口調を遅くすることを心がければ、冷静になりやすくなります。ですので、相手がいるのなら口調を遅くすることを心がけます。

ステップ3. 怒りの点数をつける

怒りの度合いを10段階評価で点数をつけてみます。10点が怒りのMAXなら、どの程度なのかを評価してみます。評価することで冷静さを取り戻すことができます。

ステップ4. なぜ怒ったのか、怒りの原点を考える

なぜ怒ったのか、怒りの原点を考えます。相手がいることで怒ったなら、相手の「正義」も考えてみます。

ステップ5. 怒りがおさまる

ステップ1からステップ4を行えば、怒りの感情を鎮めることができます。

悲しみの感情を徐々に弱くする方法

120時間も持続する「悲しみ」という感情の場合は、徐々に感情の色合いを弱くするようにコントロールします。

その際に憶えておきたいのが、僕たち人間の脳は否定形を理解しにくい特性があることです。

例えば、次の文章を読んでみてください。

「真っ赤なカラスは絶対に想像しないでください」

ついつい「真っ赤なカラス」を想像してしまいませんでしたか?「しないでください」の否定形が、うまく頭に入らなかったことになります。

人間の脳は、単語単位で記憶を呼び起こす傾向があります。

ですので、料理を運ぶお手伝いをしてくれる小さな子どもに、「こぼさないでね、こぼさないでね」と注意をした場合は、子どもの頭の中では「こぼす、しないでね、こぼす、しないでね」が繰り返されることになります。

「こぼさないでね」と注意をした場合は「こぼす」という単語が浮かぶため、余計にこぼしやすくなってしまうんですね。

「悲しんじゃダメ」と思ってはいけない

ですので、何かイヤなことがあった時には、「考えちゃいけない、考えちゃいけない・・・」とは思わない方が良いんですね。「考えるな・・・」と思うことが、余計に考えてしまうことになるからです。

テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』では、主人公の碇シンジが自分を奮い立たせるために

「逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ・・・!」

と、自分自身に繰り返し言い聞かせる有名なセリフがあります。でもこのセリフは、実は逃げることしか考えられなくなる言葉なんですね。

正しく自分に言い聞かせるなら、「戦え、戦え、戦え・・・!」です。

無理やり別のことを考える必要はない

プルチックの感情の輪

プルチックの感情の輪

感情を色相環のように分類したプルチックの感情の輪によると、悲しみの極地にある時には、大喜びをすることは難しいとされています。

ですので、悲しい時には無理やり「楽しいことを考えよう!」と別の感情になることを考えるのではなく、「穏やかな感情になりたい」と、ニュートラルな感情になることを願うことがネガティブな感情を弱めるコツです。

感情が生まれる要因でわかるとおり、

  • 他人の優しい感情に触れる
  • 他人の穏やかな表情を見る
  • 自分自身で笑顔の表情を強制的につくる
  • 自分の姿勢を正す

このようなことでも感情は変化します。

ですので、友達と普通の話をしたり、穏やかな感情になれる映画を観たり、心が落ち着く音楽を聴くといったことをした方がいいんですね。

信念か現実の捉え方を変えて、自分にとっての重要度を下げるようにすれば、感情の持続時間はきっと短くなるはずです。

まとめ

以上、怒りや悲しみの「負の感情」をコントロールする方法について解説しました。

感情は、理想と現実とのギャップで生まれます。理想(信念)か現実(捉え方)のどちらかを変えることができれば、大きな感情が生まれることを抑えてくれます。

すぐに信念を変えることは難しいですから、まずは現実の捉え方を変えて、自分にとっての重要度を下げることができれば良いですね。

怒りを抑えるには、6秒を我慢することが大切です。悲しみを弱めるためには、ニュートラルな感情になることを心がけます。

もしもあなたがツラい感情に支配されがちだとしたら、「認知の歪み」によって不要な感情が現れていないかどうかを確認してみてください。
⇒「認知の歪みチェック!人生がツラくなる10大思考パターンとは?

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  • この記事を書いた人

高木浩一

心理学と脳科学が好きなマーケティング・Web集客の専門家/解脱しかけのゲダツニスト/ 大企業のマジメな広告デザインから男性を欲情させるアダルティな広告デザインまで、幅広い分野を経験した元グラフィックデザイナー。心理面をカバーしたマーケティングとデザインの両方の視点をもつ。個人が個人として活躍する時代に向けて「使えるマーケティング」をモットーに情報発信中。

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