仕事術

瞑想のやり方|集中力が鍛えられる理由と1日5分で意志力を養う方法

2016-05-03

集中力を鍛える 瞑想

同じ1時間でも「集中できている1時間」と「気が散っている1時間」とでは、仕事での生産性がまるで違いますよね。

1日5分から始められる「瞑想」を行えば、効率よく仕事ができる集中力と、誘惑に負けない意志力を鍛えることができます。

この記事では、次の2つについて解説します。

  • なぜ瞑想で集中力が鍛えられるのか?
  • 1日5分から始められる瞑想のやり方

集中力と意志力を手に入れて、効率よく時間を使うことに役立ててください。

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なぜ瞑想で集中力が鍛えられる?

なぜ瞑想をすると集中力が鍛えられるのでしょうか?

それは僕たち人間が、1日に約4万〜6万回も無意識で思考していることが関わっています。

8時間睡眠をとっているとしたら、起きている間の1分間に約42〜63回も何かを無意識で考え、判断をしていると言われているんですね。

例えば、

  • キーボードの反応が遅い・・・
  • 右手がかゆい・・・
  • さっきメール来てたな・・・
  • 左足を動かそうか・・・
  • ちょっと寒いかも・・・
  • 目が疲れてきた・・・

というような、無意識での思考です。

集中していない脳は誘惑に負けやすい

スタンフォード大学経済学部教授のババ・シヴ氏は「人は気が散っている時ほど誘惑に負けやすい」という研究結果を発表しています。

つまり僕たちは、ひとつのことに集中していなければ、1秒間に1回ほど無意識で考えることを、ついつい実行してしまう生き物なんですね。

「さっきメール来てたな・・・ ちょっと仕事を中断して見てみようか」となってしまうわけです。

集中できないのは当たり前

そもそも、ひとつのことに集中できないのは、生き物としては当たり前のことです。

例えば、サバンナでシマウマが食事に没頭していたら、あっという間にライオンに襲われてしまいますよね。

太古の時代の人間も、いつ獣が襲ってくるかわからない状況では、ひとつのことに集中することは危険でしかありませんでした。そのため、ひとつのことに集中できないのは、人間としては当然の機能なんですね。

誘惑に負けずに効率よく仕事をするためには、人間の本能に逆らって集中力を鍛える必要があるわけです。そのためには、脳の特性を活かすようにします。

脳の特性は「慣れる」こと

脳は同じことを繰り返し行うことで「慣れる」特性を持っています。

例えば、いつもエスカレーターに乗っていると、無意識でエスカレーターを探すようになります。椅子に座る時にいつも脚を組んでいると、無意識で脚を組むようになります。食事の時に左の歯ばかりで食べていると、無意識で左の歯ばかりで食べるようになります。

「無くて七癖」ということわざがありますが、あなたも無意識でしてしまうクセのような行動が、いくつかあるのではないでしょうか?

この「慣れる」特性を活かせば、無意識で集中できるようになります。

つまり、繰り返し集中を行えば、集中しやすい脳になるということです。脳を鍛えることで、自己コントロール力を強化することができるようになるんですね。

そして、簡単に自己コントロール力を強化できるのが「瞑想」です。

瞑想の効果は自己コントロール力の向上

「ひとつのことに集中する」瞑想をすることで、集中するクセがつきます。また、たとえ余計なことが無意識で頭に浮かんだとしても、その無意識を意識することができるようになります。

つまり、集中が途切れたことに気づいて、集中に戻せるということです。

“じっと座り、動かない” 瞑想をすることで、衝動の抑制ができるようになります。衝動の抑制ができるようになれば、「さっきメール来てたな・・・」と無意識で思ったとしても、実行をしないでいられるようにできるんですね。

神経科学者の発見によれば、瞑想を行うようになると、注意力、集中力、ストレス管理、衝動の抑制といった、さまざまな自己コントロールのスキルが向上するとしています。

瞑想をすると、前頭前皮質(注意を払う、考えるといった、やるべきことをやるように仕向けることをつかさどる部分)への血流が増えます。

その結果、脳の潜在能力を最大限に引き出すことができるようになります。

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瞑想のやり方:1日たった5分で誘惑に負けない脳になる方法

霧の森林

一般的な「瞑想」とは、心を静めて神に祈ったり、心静かに思いを巡らすといった広い範囲で用いられています。

僕がおすすめする瞑想は、スタンフォード大学教授で健康心理学者のケリー・マクゴニガル氏の著書『スタンフォードの自分を変える教室』で紹介されている、呼吸に意識を集中する自己コントロールのテクニックです。

1つのことに意識を集中させることで脳が集中することに慣れて、誘惑に負けない意志力を強化することに役立ちます。

瞑想は次の4ステップで行います。

  1. 静かで一人になれる場所を選ぶ
  2. 体を動かさないように座る
  3. 呼吸に集中する
  4. 呼吸をしている感覚をつかみ、気が散りはじめたら意識する

ステップ1. 静かで一人になれる場所を選ぶ

瞑想を行う前の準備として、瞑想を行う時は、ひとりになれる静かな場所で行うと良いです。また服装は、なるべく体を締め付けないゆったりとした服が良いです。

ステップ2. 体を動かさないように座る

  1. 両足が地面につくように椅子に座るか、お尻にクッションを敷いて座禅を組みます。
  2. 背筋を伸ばし、両手はひざの上に置きます。
  3. 体を硬直させないように、力を抜いた状態の姿勢を保ちます。
  4. もしもかゆいところが出てきたら、腕を少しだけ動かすなど最小の動きで、かかずにいられるかを試してみます。

まずは姿勢が持続しやすいように、下半身を安定させて座ります。背筋を伸ばすことで、脳の活動に必要な酸素が届きやすくなります。

瞑想をする時は、そわそわしないことが重要です。

「ただじっと座る」という単純なことが、自己コントロールのトレーニングになります。これによって脳や体が感じる衝動に、いちいち従わないでいられるようになります。

ステップ 3. 呼吸に集中する

  1. 目を閉じるか、壁などの一点を見つめます。そして、呼吸に意識を集中します。
  2. 息を吸いながら心の中で「吸って」と言い、息を吐きながら心の中で「吐いて」と言います。
  3. ひと呼吸には10秒から15秒かけて、ゆっくりと呼吸することを心がけます。
  4. 呼吸は吸う時間よりも、吐く時間を長くするように心がけます。ゆっくりと全ての息を吐き出すことを意識すれば、次にたっぷりと息が吸えるようになります。
  5. できれば腹式呼吸を心がけます。

目を閉じることで余計な情報が遮断され、意識が自分の内側に向きやすくなります。また、一点を見つめることでも集中しやすくなります。

集中力を高めるためにはリラックス状態を作ることが大切ですが、吸う時間よりも吐く時間を長くすることによって、リラックス状態を作る副交感神経が優位になりやすくなります。

腹式呼吸を心がけることで、おなかにある太陽神経叢(たいようしんけいそう)という自律神経を整えるツボが刺激され、副交感神経のスイッチが入りやすくなります。

ステップ 4. 呼吸をしている感覚をつかみ、気が散りはじめたら意識する

  1. 数分経ったら、心の中で「吸って」「吐いて」と言うのをやめます。
  2. 呼吸をしている時の感覚だけに集中してみます。息を吸う時のおなかのふくらみや、わずかな体の動き、鼻から出て行く息の感覚に意識を傾けます。
  3. 気が散り出したら、意識を呼吸に戻すようにします。

気が散ることは自然なことなので、気にする必要はありません。何度も繰り返し呼吸に意識を戻す練習をすることによって、前頭前皮質を活性化させて、脳のストレスや欲求を鎮めることができるようになります。

いつの間にか他のことを考えていることに気づいたら、またステップ2に戻って、心の中で「吸って」「吐いて」と言います。

瞑想をうまくやるコツ

実際に僕が実践しているなかで感じたことを紹介しますと、はじめは1日5分から始めると良いと思います。慣れてきたら1分ずつ増やし、10分から15分と伸ばしてみてください。

初日から15分でやろうとすると、「まだ15分経たないのか?」ばかりが気になって、イライラしてしまいます。二週間ほど続ければ、10分ほどの瞑想に慣れてくると思います。

10分での瞑想に慣れれば、次は一気に15分に伸ばしても、時間の変化は気になりません。

「うまくできない」気づきにも集中への効果がある

自己コントロールの瞑想では、呼吸法や姿勢にこだわる必要はありません。また、「他のことばかり考えてしまって瞑想がうまくできない・・・」と思っても、気にする必要はありません。

なぜなら、「他のことばかり考えてしまう」ことに気がつくだけで、瞑想の効果があるからです。集中したい時に気が散り出したとしても、気が散ったことに気づいて元に戻そうとする力が身につくんですね。

瞑想をやってみると、ずっと同じ姿勢を取ることが難しいということにも気づくと思います。その気づきも大切です。

デスクワークの場合は、ついつい姿勢が悪くなることがあると思いますが、そういったことにも気づいて、姿勢を正すきっかけになるんですね。

瞑想がうまくできたかどうかではなく、瞑想を行った日の集中力の違いに注目してみてください。脳に酸素が行き届くイメージで呼吸ができれば、瞑想後は前頭葉(おでこの辺り)がスッキリする感覚になると思います。

まとめ

集中力を鍛えるには、瞑想という方法があります。瞑想は毎日行うことが理想的です。そのためには、いつ行うのかを決めておいた方が良いですね。

1日の終わりに瞑想することをすすめている人もいますが、はじめは朝(1日の始め)に行う方が良いのではと思います。

なぜなら、新しいことを習慣として取り入れるには、いろんな決断をして疲れている夜(1日の終わり)ではなく、フレッシュな状態の、朝起きてすぐの方が取り入れやすいからです。

慣れてくれば、もちろん夜でも良いと思います。

もしも集中力をアップしたいなら、明日の朝は5分早く起きて瞑想を始めてみてください。頭がスッキリした状態で、1日を始められます。

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  • この記事を書いた人

高木浩一

心理学と脳科学が好きなマーケティング・Web集客の専門家/解脱しかけのゲダツニスト/ 大企業のマジメな広告デザインから男性を欲情させるアダルティな広告デザインまで、幅広い分野を経験した元グラフィックデザイナー。心理面をカバーしたマーケティングとデザインの両方の視点をもつ。個人が個人として活躍する時代に向けて「使えるマーケティング」をモットーに情報発信中。

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