人はお金を扱う時、メンタルアカウンティング(心の会計)によって、損得の感覚がおかしくなることがあります。
このメンタルアカウンティングをセールスに逆利用すれば、お客さんの財布の紐を緩めることに応用できます。無駄遣いを防ぐ方法を知れば、無駄遣いをさせることもできてしまうということですね。
この記事では、行動経済学を使った「お客さんの無意識の脳に訴えるセールス方法」を8つ紹介します。
あなたのビジネスでは応用できるかどうか、確認してみてください。悪用厳禁の内容です。
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マーケティングに応用するメンタルアカウンティング
メンタルアカウンティングをマーケティングに応用して商品を買ってもらいやすくするには、前回の記事「メンタルアカウンティングとは?お金の心理学で無駄遣いをなくせ!」で紹介した、無駄遣いをなくす方法の “逆の戦略” を取れば良いことになります。
“逆の戦略” として、次の8つを解説します。
- メンタルアカウンティングを開設してもらう
- お金を払いたくなる勘定項目にする
- キャッシュレスで買い物してもらう
- クーポンやバーゲンを利用してもらう
- 関連商品をたくさん紹介する
- 最初に見せる価格を操作する
- 高額の中に少額を忍ばせる
- 期限付きポイントをつける
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1. メンタルアカウンティングを開設してもらう
まずはお客さんに、メンタルアカウンティングを開設してもらいましょう。
メンタルアカウンティングを開設してもらうためには、「どんな名目に使うお金か?」という勘定項目を想定してもらいます。
商品・サービスのベネフィットを伝えることで、「なんの役に立つのか」「なんのために買うのか」を具体的に想像してもらえれば、予算を確保してもらいやすくなります。
また、「買ってもいいかも・・・」と思ってもらいやすくするためには、商品を勧める際にはできるだけ商品を手に取ってもらったり、手に入れた想像をしてもらうようにするといいですね。
そうすることで保有効果が生まれ、財布の紐が緩みやすくなります。
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2. お金を払いたくなる勘定項目にする
商品によってはセールスポイントを変えて、お客さんのメンタルアカウンティングの勘定項目を『生活必需品』から『贅沢品』に変えることができれば、よりお金を使ってくれやすくなります。
なぜなら、人は必需品よりも贅沢品にお金を使いたくなるからです。
また、マズローの欲求5段階説に登場する承認欲求や自己実現欲求を刺激すれば、財布の紐は緩みやすくなります。
- 人に自慢したくなる
- 自分に自信がつく
- 自分が成長できる
このような商品・サービスには、人はよりお金を払いたくなります。
3. キャッシュレスで買い物してもらう
キャッシュレスでの買い物を勧めれば、現金よりも簡単にお金を使ってもらいやすくなります。
なぜなら、クレジットカードや電子マネーなどのキャッシュレスは、お金を扱っている感覚が薄れて、出費の痛みを感じにくいからですね。
キャッシュレスでの買い物に特別ポイントを付けたり、プレゼントをしたり、何かメリットがあれば、キャッシュレスで買い物をしてくれやすくなります。
4. クーポンやバーゲンを利用してもらう
クーポン券の発行やバーゲンを開催すると、財布の紐が緩みやすくなります。
「いつもよりお得!」という感情が芽生えると、「得をして浮いたお金は散財に使ってもよい」というメンタルアカウンティングが開設されやすい傾向があるからです。
ただしクーポンやバーゲンを乱発すると、「いつもの価格で買うのは損する・・・」と思われやすくなり、通常価格での売上が低下する危険があるので注意が必要です。
5. 関連商品をたくさん紹介する
人は新しい情報の入手によって、欲求が膨れ上がります。ですので、関連商品をたくさん紹介すれば、財布の紐が緩みやすくなります。
例えば、ECサイトでは「このアイテムを見ている人は、こんなアイテムも見ています」という案内をよく見かけますよね。
おすすめ商品や関連商品をうまく見せることができれば、個別のメンタルアカウンティングを開設してくれやすくなります。
6. 最初に見せる価格を操作する
人は最初に見る価格を基準にする傾向があります。これをアンカリング効果と言います。この心理効果を応用して、お客さんに最初に見せる価格を操作することで、財布の紐は緩みやすくなります。
例えば、高級をイメージさせるお店の中に少しお買い得の商品を置けば、すごくお得に感じてもらえます。
反対に、少額商品を揃えて「安い」というイメージを抱いてもらえば、「少額商品をいくつか購入しても、総額は大した価格にはならない」というメンタルアカウンティングが働き、たくさん買ってもらいやすくなります。
100円ショップで買い物したら、ついつい5点ほど買ってしまう心理ですね。
また、人は両極端を嫌う傾向があります。商品の価格帯を3段階ほど用意すれば、一番下の価格ではなく、真ん中の価格帯の商品を売ることができます
7. 高額の中に少額を忍ばせる
人は高額のメンタルアカウンティングを開設すると、その中にある少額の感覚が麻痺してしまう傾向があります。これをプロスペクト理論では感応度逓減性と言います。
例えば、300万円の車を購入する際に勧められる2万円ほどのオプションを、ほぼ考えなしで追加購入してしまうようなことです。
2万円という価格だけを切り取ってみれば、他にも使い道はいろいろあるはずです。ですが、300万円の後に提示される2万円は、大した金額ではないように感じてしまうんですね。この感覚はコントラスト効果によるものです。
この心理傾向を逆利用して、高額の商品にたくさんの少額商品を用意すれば、同時に追加購入してもらいやすくなるということです。
8. 期限付きポイントをつける
買い物の際に期限付きのポイントを付与すれば、「ポイントがなくなるのはもったいない・・・」という心理から、リピートしてもらいやすくなります。
また、「◯円以上のお買い上げで◯%オフ」というようなセールスにすれば、「あと少し買い足せば得できる!」という心理から、多めに買ってもらいやすくなります。
これはコンコルド効果の応用です。
まとめ
以上、マーケティングに応用するメンタルアカウンティングを解説しました。
お客さんの財布の紐を緩めるためには、「パーッと使ってもよいお金」というメンタルアカウンティングを開設してもらうことが一番のコツです。
大金を持っている時や、旅行などで気分が解放されている時、あぶく銭を手に入れた時などは、お金を散財しやすい時だからです。
行動経済学やその他の心理学を学べば、お客さんの財布の紐を緩めるアイデアは、まだまだ閃くと思います。ぜひ、あなたのビジネスに合わせてセールス方法を応用してみてください。
追伸
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