ホイラーの法則とは、1970年代にアメリカで活躍した営業アドバイザーであるエルマー・ホイラー氏が考案した、セールスのノウハウを5つにまとめた法則です。
この法則を使うことでホイラー氏は、大手百貨店やホテルチェーン、石油会社、クリーニングチェーンなど、多岐にわたって顧客の売上向上に貢献しました。
セールスの世界ではとても有名ですので、ホイラーの法則にある「ステーキを売るな、シズルを売れ!」というフレーズを聞いたことがあるのではないかと思います。
ホイラーの法則は、コピーライティングや、ブログを使って集客をする際にも役に立ちます。あなたがマーケティングや販売に携わるなら、ぜひ知っておいてください。
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ホイラーの法則 (ホイラーの5つの公式)とは
ホイラーの法則は、新聞の広告営業を経て営業コンサルタントとなったエルマー・ホイラー氏(Elmer Wheeler)が、10万5000ものセールスコピーを分析して1900万人に実験した結果、
“多くの人が商品を買うには決まったフレーズがある”
ということを発見し、その法則を「ホイラーの5つの公式」としてまとめたものです。
ホイラーの法則は、1937年に出版した著書『Tested Sentences That Sell』によって広まりました。この本は、セールスについて体型的に解説した本として、全米初のベストセラーとなりました。
日本語版では、『ステーキを売るなシズルを売れ』として出版されています。日本では、ホイラーの法則よりも、「シズル感」という言葉の方が有名かもしれません。
ホイラーの5つの公式とは、次の5つです。
ホイラーの5つの公式
- 第一条:ステーキを売るな、シズルを売れ!
- 第二条:手紙を書くな、電報を打て!
- 第三条:花を添えて言え!
- 第四条:もしもと聞くな、どちらと聞け!
- 第五条:吠え声に気をつけろ!
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第一条:ステーキを売るな、シズルを売れ!
ホイラーの法則の「ステーキを売るな、シズルを売れ!」とは、商品自体を売り込むのではなく、商品から得られるメリットをアピールすることが大切だということです。
シズル(Sizzle)とは、英語の擬音語で、肉を焼く時の「ジュージュー」という音のことです。
ホイラー氏は、
「ステーキは肉の質や価格で売れるのではなく、肉が焼ける時のおいしそうな音や匂いが食欲をそそるから売れる。だから商品を売る際には、お客さんが商品を欲しい理由(シズル)をアピールすることが大切」
だと言っています。
シズルはどんな商品にも隠れています。お客さんが商品を買う理由になるシズルを探し出すことが、セールスを簡単にしてくれます。
そして、シズルは人によって変わります。ある人にとってはシズルでも、別の人にとってはシズルにはならないこともあります。
言い換えれば、シズルとはベネフィットであると言えます。ベネフィットとは、マーケティング用語では、お客さんが商品・サービスから得られる「満足感・未来の期待感」のことを言います。
シズルを見つけるユー能力とは
お客さんが商品についてまず考えることは、「それは私にとってどんな役に立つの?」ということです。
これに答えるためには、ホイラー氏は『ユー(You)能力』が大切だと言っています。『シズルのメガネ』をかけて、お客さんの目で自分の商品を見る能力です。
自分の目で商品を見るのではなく、お客さんになったつもりで、お客さんの目で商品を見ることが大切なんですね。
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第二条:手紙を書くな、電報を打て!
ホイラーの法則の「手紙を書くな、電報を打て!」とは、できるだけ少ない言葉(フレーズ)で、お客さんの好意的な注意をつかむことが大切だということです。
人は出会って2秒以内に、第一印象で相手の全体的な評価を決定する傾向があります。心理学ではこれをハロー効果と言います。
ホイラー氏は、
「最初の10語はそれに続く1万語よりも重要」
だと言っています。
最初の言葉でお客さんの心に響かなければ、そのあとに続く言葉を聞いてくれようとはしないんですね。ですのでキャッチコピーでは、できるだけ単刀直入でわかりやすくシズルを伝えて、読み手の気持ちをとらえる必要があります。
Webサイトの場合は、ファーストビューの3秒以内で第一印象が決まると言われています。ランディングページでは、3秒以内でシズルが伝わるようにして、全体的に良い評価を印象づけることが大切です。
ブログ記事の場合は、記事タイトルと最初の書き出しが大切です。
第二条の注意点
「手紙を書くな、電報を打て!」で誤解してはいけないのは、長い文章がダメではないことです。最初から、あれもこれもと盛り込んで、何が言いたいのかわからないダラダラとした文章がダメだということです。
第三条:花を添えて言え!
ホイラーの法則の「花を添えて言え!」とは、あなたの言ったことを証明することが大切だということです。
例えば大切な人の誕生日に、ただ「おめでとう!」と言うよりも、花束を持って笑顔で言う「おめでとう!」という言葉の方が気持ちが伝わりやすく、説得力がありますよね。
ですので商品を紹介する時には、ただ商品の説明をするよりも、実際に商品を使って実演した方が説得力が増します。実演販売が効果的な理由は、「花を添えて言え!」を実践しているからなんですね。
デモンストレーションをする時の身振りや表情すら、説得力を増す「花」になります。さらに、商品は実際にお客さんに触れてもらうと効果的です。
広告やWebサイトの場合は、商品が役に立つ理由を証明することが大切です。
できるだけ写真や動画を使って商品の使用方法を説明したり、実験データやお客さんの声を載せるなどしてシズルを証明します。
第四条:もしもと聞くな、どちらと聞け!
ホイラーの法則の「もしもと聞くな、どちらと聞け!」とは、お客さんに「もしも買っていただけるなら・・・」と、「買うか買わないか」の2択を意識させるべきではないということです。
特にクロージングでは、買うことを前提に「これかあれか」を選んでもらうような質問構成にすることが大切です。
欲しい答えに導く、誘導尋問のような感じですね。
そのためには、お客さんには常に「イエス」と答えやすいような質問を投げかけることも大切です。交渉では『イエス・セット話法』や『フット・イン・ザ・ドア』、『ダブルバインド(誤前提暗示)』といった心理テクニックを使うことができます。
また、お客さんは説得されることが嫌いです。
ですので、お客さんが迷っている時には
- 「絶対にこれを買うべきです!」
- 「私の言うことに間違いはありません!」
といった断定的な言い方はせずに、「迷っている理由は何ですか?」と質問を投げかけることで、お客さんが買わない理由を明らかにしてもらうことが大切です。
買わない理由が明らかになれば、それをなくせばいいだけです。
ちなみに、「もしも」という言葉自体は悪くありません。むしろ積極的に使っても良い言葉です。
「もしお使いいただけたら、こんな素晴らしいことがありますよ」などと、すでに商品を手に入れた状態を想像してもらう時に使います。
第五条:吠え声に気をつけろ!
ホイラーの法則の「吠え声に気をつけろ!」とは、セールスパーソンの話す “声” が重要だということです。
いくらお客さんの心を射抜くシズルを用意できて、10秒以内で話せたとしても、声が小さかったり、話し方が単調であったりすれば、うまくお客さんにシズルが伝わらずに、セールスが失敗してしまう可能性があるからです。
子犬は、「ワン!」という吠え方とシッポの振り方だけで、たくさんの気持ちを伝えることができますよね。
ですのでセールスパーソンも、気持ちを伝えるために、話す時の声の抑揚のつけ方や表情、姿勢にまで気をつける必要があるんですね。
Webサイトでいえば、写真を使ったり、文字を太字にしたり、大きさや色を変えたり、行間を空けることで、気持ちを表現することができます。
ステーキを売るなシズルを売れ/エルマー・ホイラー著
セールスや広告制作などでホイラーの法則を詳しく学びたくなったら、広告制作のバイブルとも言えるエルマー・ホイラー氏の著書をオススメします。
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まとめ
「ステーキを売るな、シズルを売れ!」で有名なホイラーの法則とは、エルマー・ホイラー氏が考案した、セールスのノウハウを5つにまとめた法則です。
- 第一条:ステーキを売るな、シズルを売れ!
- 第二条:手紙を書くな、電報を打て!
- 第三条:花を添えて言え!
- 第四条:もしもと聞くな、どちらと聞け!
- 第五条:吠え声に気をつけろ!
この5つの公式を守ることで、セールスが成功する可能性が高くなります。
もっとも大切なことは、お客さんにとってのシズルとは何かを、お客さんの目線で探すことです。
ユー能力を磨いて、お客さんの心に刺さるシズルを見つ出せるようにしてみてください。そのためには、自分の商品の特徴を洗い出して、ペルソナを想定することが大切です。
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