セールスコピーでは、商品の価値を伝えることが大切です。ですが、価値を伝えるための「ベネフィットのつくり方がわからない・・・」と、困った経験はありませんか?
商品・サービスの魅力をどのようにベネフィットにして表現するのかは、「FABフォーミュラ」を使うと便利です。
FABフォーミュラを使うことで、お客さんの心に刺さる魅力的なベネフィットを自由自在に考えられるようになります。
あなたの扱う商品・サービスのベネフィットを的確に見つけることに役立ててください。
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FABフォーミュラ(FAB formula)とは
FABフォーミュラ(FAB formula)とは、商品・サービスの魅力を4つの要素に分解した公式です。
- F:Features(機能・特徴)
- A:Advantages(利点)
- M:Motives(動機)
- B:Benefits(利益)
Features(機能・特徴)・Advantages(利点)・Motives(動機)・Benefits(利益)のうち、F・A・Bの頭文字を取ってFAB formula(ファブフォーミュラ)と呼ばれています。
世界的に有名なダイレクト・レスポンス・コピーライターであるマイケル・フォーティン(Michel Fortin)氏によって、自身のブログで紹介されました。
参考サイト:https://workaholics4hire.com/the-oft-confused-features-and-benefits/
FABフォーミュラは、お客さんの心に刺さるベネフィットを見つけるために使います。
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FABフォーミュラ 4つの要素の解説
FABフォーミュラのそれぞれの要素について、例えとして、一見なんの利点もないような「B4サイズの大学ノート」を使って説明をしていきます。
Features(機能・特徴)
FABフォーミュラのFeatures(機能・特徴)とは、商品・サービスが持っている「機能・特徴・スペック」は何かというものです。プラスもマイナスもない客観的な事実の部分です。
例えば、「B5サイズの大学ノート」は、次のような機能・特徴があげられます。
Features(機能・特徴)
- B5(179mm × 252mm)サイズ
- 重さが130g程度
- 白い紙でできている
- 背が破れにくい特殊フィルムで加工されている
- 薄い罫線が敷いてある
- 40ページ
- 価格は100円ほど
Advantages(利点)
FABフォーミュラのAdvantages(利点)とは、商品・サービスが持っているFeatures(機能・特徴)から、どんな「利点」が生まれるかというものです。多くの人に働くプラスの効果の部分です。一般的には「メリット」と呼ばれる部分です。
例えば、「B5サイズの大学ノート」は、次のような利点が考えられます。
Advantages(利点)
- B5サイズ ⇒ 大抵のカバンに入れられる
- 130g ⇒ 重さを感じないので、持ち運びは苦にならない
- 白い紙 ⇒ どんな色のペンを使って書いても視認できる
- 背が破れにくい特殊フィルムで加工 ⇒ 多少乱暴に扱ってもバラバラにならない
- 薄い罫線が敷いてある ⇒ 文章を書くときには綺麗な列を保てる
- 40ページ ⇒ 多すぎず少なすぎず適量なページ数
- 100円 ⇒ 手を出しやすい手頃な価格
Motives(動機)
FABフォーミュラのMotives(動機)とは、想定する利用者(ペルソナ)が商品・サービスを求める「動機」とは何かというものです。ペルソナがFeatures(機能・特徴)を求める理由です。
例えば、ペルソナを大学生にした場合、「B5サイズの大学ノート」を求める理由は、次のような動機が考えられます。
Motives(動機)
- B5サイズ ⇒ 大きなサイズでは持ち運ぶ時にカバンに入らないが、小さなサイズではたくさんの内容を書きづらいから
- 130g ⇒ 大学に持っていくには軽い方がラクだから
- 白い紙 ⇒ いろんな色のペンを使って書き込みたいから
- 背が破れにくい特殊フィルムで加工 ⇒ 持ち運ぶので頑丈な方がいいから
- 薄い罫線が敷いてある ⇒ 文章を書くときには綺麗に書きたいので、薄い罫線が敷いてあると便利だから
- 40ページ ⇒ 多すぎるページ数は見返すときに面倒なので、適量なページ数がいいから
- 100円 ⇒ 価格が高すぎるノートは買いづらいのでイヤだから
Motivesは、ベネフィットを考える際に重要になります。ベネフィットを伝える時には特に必要はありませんが、セールスコピーの書き出しで読み手を限定する際に使うことができます。
例えば、「いくら勉強のためとはいえ、大きくて重いノートを毎日持ち運ぶなんて、大変じゃないですか? B5サイズのノートなら・・・」といった感じです。
Benefits(利益)
FABフォーミュラのBenefits(ベネフィット:利益)とは、Features(機能・特徴)によって生み出される「理想の未来」とは何かということです。想定した利用者(ペルソナ)にとってのプラスの未来の部分です。未来の部分ですから未確定の要素です。
人がモノを買う理由は「商品から得られる満足感(感情)や未来の期待感」です。
ですので、ベネフィットが最も重要な要素になります。さらに、ベネフィットはペルソナに向けたものなので、最も響きやすいメッセージになります。
例えば、ペルソナを大学生にした場合の「B5サイズの大学ノート」は、次のようなベネフィットを考え出せます。
Benefits(利益)
- B5サイズ ⇒ 大抵のカバンに入るサイズなので、カバン選びに困ることがない
- 130g ⇒ たとえカバンに数冊ノートを入れたとしても、重さが気になることはない
- 白い紙 ⇒ お気に入りの好きな色のペンを使って、楽しいノートづくりができる
- 背が破れにくい特殊フィルムで加工 ⇒ 頑丈な作りなので、多少手荒に扱っても安心して使うことができる
- 薄い罫線が敷いてある ⇒ 薄い罫線に沿ってグラフや文章を綺麗に書くことができるので、後から見返した時にもわかりやすいノートづくりができる
- 40ページ ⇒ 適量なページ数は、年間の講義の内容を適度に分けることができるので、ナンバリングをしておけば、後から読み返す時にはサッと探し出せて時間短縮ができる
- 100円 ⇒ 一度に数冊買っても苦にならないので、たとえお金がピンチの時にでも勉強をストップさせずにすむ
FABフォーミュラを使った、ベネフィットを作る3ステップ
FABフォーミュラの F ⇒ A ⇒ B の順番に従うことで、商品・サービスの特徴からベネフィットを見つけることができます。そのための3ステップを具体的に説明します。
先ほど例えとしてあげた、「B5サイズの大学ノート」のベネフィットを考えた流れを参考にしてみてください。
ステップ1:特徴を書き出す
まずは商品・サービスのFeatures(機能・特徴)を洗い出します。
ベネフィットを見つけるためには、ここでたくさんの特徴を見つけることが大切です。当たり前だと思っている機能や特徴についても、たくさん書き出してください。
「B5サイズの大学ノート」で出した特徴をひとつあげると、『B5(179mm × 252mm)サイズ』という特徴をあげましたよね。
ステップ2:特徴を利点に変える
ステップ1で書き出した特徴について、「〜だから、何ができる?」を問いかけてAdvantages(利点)に変えます。『B5サイズ』の特徴で言うと、「大きさはB5サイズ。だから、大抵のカバンに入れられる。」となります。
利点は、ひとつの特徴につき複数存在することがポイントです。
- 大きさはB5サイズ。だから、大抵の本棚に入れられる。
- 大きさはB5サイズ。だから、移動中の電車内でも、隣りの人の迷惑にならず広げることができる。
- 大きさはB5サイズ。だから、手に持ちやすい。
などと、複数の利点を導き出せます。
ステップ3:利点と動機を組み合わせてベネフィットに変える
ステップ2で書き出した利点について、「〜つまり(誰にとって)、どんな気分・未来になれる?」を問いかけてBenefits(利益)を導き出します。
例えば、ペルソナを大学生にした場合の「B5サイズの大学ノート」で言うと、
となります。
これを読みやすい文章に調整してみると
という一文にすることができます。
ベネフィットに変える時のポイント
ベネフィットは未来についての記述ですので、考え次第ではいくらでも作ることができます。ただし、想定する利用者(ペルソナ)の現実に沿った未来について描かなければ意味はありません。
ベネフィットは「誰にとって、どんな目的で」が重要です。
例えば、
というベネフィットを作ったとしても、大学生にとっては「学校以外の外出に、ノートは持ち運ばないでしょ・・・」と、魅力を感じないメッセージになってしまいます。
ですので、ペルソナはどんな未来を望んでいるのかを理解しておくことが大切です。
ペルソナが商品・サービスを利用する前後の生活についても考えます。ペルソナにとって、特徴や利点が何を意味するのか、Motives(動機)を考えることでベネフィットは導き出せます。
うまくベネフィットになっていないような気がする時は、さらに「〜だから、何ができる?」「〜つまり、(誰にとって)どんな気分・未来になれる?」を問いかけてみます。
何度も繰り返すことで、ペルソナのプラスの未来を描くことができるようになります。
まとめ
FABフォーミュラとは、ベネフィットを見つける時に使うと便利な公式です。FABフォーミュラを使うことで、商品・サービスのベネフィットを段階的に、簡単に作り出すことができます。
- F:Features(機能・特徴)
- A:Advantages(利点)
- M:Motives(動機)
- B:Benefits(利益)
ベネフィットを作り出す時の参考にしてみてください。
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