アイデア術

【TRIZ法】40の発明原理で問題解決!左脳派向きアイデア術

2017-04-08

TRIZ

もしもあなたが「自由に発想することは苦手だけど、アイデアが必要!」という場合は、TRIZ(トゥリーズ)の『40の発明原理』を使うことが向いているかもしれません。

TRIZ(トゥリーズ)の『40の発明原理』は、アイデアに必要な条件を40項目に分けたチェックリストです。アイデアのセンスや経験をあまり気にせずに、発明に必要なアプローチをすることができます。

ある程度決められたルールに沿って考えるので、論理的にモノゴトを考えるのが得意な左脳派に向いているアイデア発想法です。

商品開発などで、今現在のビジネスアイデアを、もう一歩革新的にしたい時に使ってみてください。

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TRIZ(トゥリーズ)とは

TRIZ(トゥリーズ)とは、旧ソ連海軍の特許審査官だったゲンリッヒ・アルトシュラー(Genrikh Altshuller)氏が、40万件という膨大な特許情報を分析した結果から導き出した「発明の原理」をまとめた一連の問題解決理論です。

次のロシア語の頭文字をとって『TRIZ』と名づけられました。

  • Teoriya(Theory):理論
  • Resheniya(Solving):解決
  • Izobretatelskikh(Inventive):発明的
  • Zadatch(Problem):問題

TRIZは1940年代に考案され、1980年代以降にアメリカやヨーロッパでも研究されるようになりました。日本では1997年に「超発明術」として紹介されましたが、TRIZに出てくる用語が難解で理解するのに時間がかかるせいもあり、多くの企業では思うような成果を生んでいないとされています。
参照サイト:ウィキペディア:TRIZ

TRIZの特徴

TRIZの特徴は、発明する際の問題は「技術的矛盾」を含んでいることに着目したところにあります。

例えば、ある技術を改善するためには「強度を上げる必要があるけど、強度を上げると重量が増えて、新たな問題を生む」というケースです。

問題は複数が同時に起こっている場合があり、これを同時に改善するために考案されたツールが、縦39項目×横39項目の表で表された「矛盾解決マトリクス」と、矛盾を解決するための「40の発明原理」です。

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TRIZ 40の発明原理

「40の発明原理」は、優れた特許には共通するパターンがあることに注目して、40項目にまとめたものです。そのため、世の中のほぼ全ての発明は、次の40パターンのどれかで説明ができるとしています。

1分割原理分子レベルまで分割を考えてみる
2分離原理不要なモノを除外したり別の場所に移動してみる
3局所性質原理一部の機能・形・材質を変えてみる
4非対称原理非対称にする利点を考えてみる
5組み合わせ原理2つ以上を結合・組み合わせてみる
6汎用性原理多機能にしたり転用できないか考えてみる
7入れ子原理入れ子・階層化にしてみる
8つりあい原理他のモノと調整してバランスを良くしてみる
9先取り反作用原理問題が起こる前にあらかじめ対処する方法を探ってみる
10先取り作用原理予約タイマーなど事前に待機させる機能をつけてみる
11事前保護原理エアバッグなど最悪の場合の準備を考えてみる
12等ポテンシャル原理負荷を等しく分配してみる
13逆発想原理従来とは逆にしてみる
14曲面原理立体にしたり回転させてみる
15ダイナミック性原理最適な環境にして動かしやすくする
16アバウト原理完璧主義を捨ててみる
17他次元移行原理点や直線を二次元・三次元にしてみる
18機械的振動原理振動させて他のモノと共鳴させてみる
19周期的作用原理一定の動きやリズムを与えてみる
20連続性原理同じ動作やプロセスを繰り返してみる
21高速実行原理高速で動かしてみる
22“災い転じて福となす”の原理マイナス面を利用してプラスにできないかを考えてみる
23フィードバック原理結果を見直す機能をつけてみる
24仲介原理直接ではなく仲介させて操作してみる
25セルフサービス原理自動的に動くようにしてみる
26代替原理コピーしたり代用してみる
27“高価な長寿命より安価な短寿命”の原理使い捨てできないかを考えてみる
28機械的システム代替原理従来のシステムを新しい技術に変えてみる
29流体利用原理柔らかいモノに変えてみる
30薄膜利用原理薄いモノに変えてみる
31多孔質利用原理スキマを利用してみる
32変色利用原理色や透明度を変えてみる
33均質性原理他のモノと性質を合わせて規格化してみる
34排除/再生原理自動で排除したり再構築できないかを考えてみる
35パラメータ原理物質・濃度・柔軟性・温度・圧力など性質の条件を変更してみる
36相変化原理形や性質を変えてみる
37熱膨張原理熱を利用して膨張させてみる
38高濃度酸素利用原理酸素濃度を上げてみる
39不活性雰囲気利用原理酸化防止や真空にしてみる
40複合材料原理材料同士を結合・混ぜてみる

このTRIZの「40の発明原理」は、アイデア発想法として応用できます。

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TRIZ 40の発明原理の使い方

TRIZの「40の発明原理」をアイデア発想法として応用するには、次のステップで進みます。

  1. アイデアの目的を考える
  2. 問題点を抽象的に考える
  3. チェックリストに沿ってアイデアを考える
  4. 良さそうなアイデアを具体的に考える

STEP 1. アイデアの目的を考える

まずはじめに、今あるビジネスアイデアの目的と問題点について考えます。

例えば、「新しいゴルフクラブ」のアイデアが欲しいとしたら、その目的を考えます。

STEP 2. 問題点を抽象的に考える

次に、目的を邪魔する問題点について考えます。問題点については、わりと抽象的に考えます。

例えば、「飛距離を伸ばす」という目的だとしたら、問題点として「重さの問題」「強度の問題」「バランスの問題」といった感じで考えます。

STEP 3. チェックリストに沿ってアイデアを考える

目的と問題について考えたら、「40の発明原理」のチェックリストを順番に当てはめてみて、現在のビジネスアイデアに加えてみたらどうなるかを考えます。

1つの項目につき30秒〜1分以内で答えるようにして、思いつかなければパスをします。

全ての項目について考えてみれば、10〜20分ほどで多くの新しいアイデアを考えつくことができます。

STEP 4. 良さそうなアイデアを具体的に考える

いろいろ出てきたアイデアの中から、現実化できそうなアイデアについて具体的な方法を考えます。

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TRIZを簡単に実践するための本・カード

「TRIZは実践するのが難しい」という評価があるように、TRIZを実践するためには、TRIZを深く知ることが必要かもしれません。

ここで紹介する書籍やカードを手元に置いておけば、TRIZの世界がわかりやすくなり、アイデアがより簡単に出てきやすくなります。

トリーズ(TRIZ)の発明原理40 あらゆる問題解決に使える[科学的]思考支援ツール

こちらの書籍は、わかりやすい事例の紹介とともに発明原理がシンボル化されていますので、入門書としてTRIZを理解しやすい一冊です。パラパラとめくって眺めているだけでも楽しむことができます。

アイデア発想の切り口が頭に入っていれば、ふとした瞬間にアイデアが思い浮かびやすくなります。

智慧カード3

こちらの「智慧カード3」は、TRIZをベースに開発された、ゲーム感覚でアイデアを出すためのツールです。

シンプルなフレーズとイラストが描かれたカードは、アイデアに行き詰まった時に意外なヒントを与えてくれますので、多面的な問題解決のアイデアが浮かびやすくなります。

問題解決やアイデア発想に役立つツール

問題解決やアイデア発想のフレームワークは、多くの書籍でも紹介されています。

例えば『思考法図鑑』は、アイデアを発想するための思考法を60種類も知ることができる一冊です。

アイデア発想のためのアプローチをたくさん知っておけば、自分やチームに合った方法で最適なアイデアを生み出すことに役立ちます。

ビジネスに役立つフレームワーク

『ビジネスフレームワーク』は、アイデアをカタチにする際に役立つフレームワークを70種類も知ることができる一冊です。

起業アイデアを思いついた時には、問題の乗り越え方や、マーケティングの分析方法などがわかるようになります。社会人1年目や2年目の人であれば、上司に一目置かれる存在になるための企画力や、マネジメント力を鍛えることに役立ちます。

会議をスムーズに進めるリーダーのためのツール

あなたがリーダーとなって問題解決やアイデア発想の会議を進める場合は、会議の雰囲気を良くして、参加メンバーのアイデアを引き出すファシリテーションのスキルが重要になります。

『ファシリテーターの道具箱』は、参加メンバーに「全体像を考えてもらう」「分析的に考えてもらう」「他の視点で考えてもらう」ための技術を49種類も知ることができる一冊です。会議を進行するコミュニケーションに自信がない場合は、手元に置いておくと役に立ちます。

まとめ

TRIZ(トゥリーズ)の『40の発明原理』は、具体的なアイデアが欲しい時に応用すると便利なチェックリストです。

ある程度具体的な質問なので、理論的にモノゴトを考えるのが得意な左脳派の人に向いているアイデア発想法だと言えます。

もう少し抽象的な質問でアイデアを考えたい場合は、9つの質問でアイデアを発想するオズボーンのチェックリストや、SCAMPER法と同時に行ってみるとアイデアの幅が広がると思います。

自由な発想をしたい場合は、水平思考法や、エクスカーション法を試してみてください。

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  • この記事を書いた人

高木浩一

心理学と脳科学が好きなマーケティング・Web集客の専門家/解脱しかけのゲダツニスト/ 大企業のマジメな広告デザインから男性を欲情させるアダルティな広告デザインまで、幅広い分野を経験した元グラフィックデザイナー。心理面をカバーしたマーケティングとデザインの両方の視点をもつ。個人が個人として活躍する時代に向けて「使えるマーケティング」をモットーに情報発信中。

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