マーケティング術

コトラーのマーケティングを理解する!1.0から4.0までの歴史

2018-01-09

マーケティングの進化 と歴史

マーケティングをひと言でいえば、「売れる仕組みを作ること」だと言えます。ですが、そのためには何をするのかと言えば、意外と曖昧だったりしませんか?

もしもそうだったとしても、それは仕方がないことかもしれません。

なぜなら、マーケティングという言葉が1900年代初めに登場してから、その意味合いや目的は少しずつ変化をしているからです。また、現在までに数多くのマーケティング手法が誕生しているので、「マーケティング」が何を指すのかが分かりにくくなっていることも原因です。

例えば「車って何?」と小さな子どもに聞かれて、「レクサスのことだよ」と答えたとしたら、きっと正しい理解はできないですよね。

マーケティングを正しく行うためには、まずはマーケティングを正しく知ることが大切です。

そこで知っておきたいのが、次の2つのキーワードです。

  • 経営学者フィリップ・コトラー氏の『マーケティング論』
  • 心理学者アブラハム・マズロー氏の『自己実現理論』

この記事では、この2つのキーワードを絡めて「マーケティングとは何か?」の解説をしていきます。

最後まで読めば、マーケティングの完全理解と、これから必要なマーケティングとは何かを人に説明できるレベルになります。

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マーケティングとは

マーケティング(Marketing)とは、『売り手と買い手が集まる取引場所』を意味する「Market」に、『〜しているところ』を指す「ing」を足した言葉です。

マーケットは、ビジネス用語としては「お客さんが集まる分野」を指す意味として使われます。

ですのでイメージとしては、マーケティングとは「市場を開拓してお客さんを創ること」という意味で捉えることができます。

コトラー氏のマーケティングの定義

「マーケティングの神様」と称される世界的権威のフィリップ・コトラー(Philip Kotler)氏は、マーケティングを次のように定義しています。

マーケティングとは、充足されていないニーズや欲求を突きとめ、その重要性と潜在的な収益性を明確化・評価し、組織が最も貢献できる標的市場を選択したうえで、当該市場に最適な製品、サービス、プログラムを決定し、組織の全成員に顧客志向、顧客奉仕の姿勢を求めるビジネス上の機能である

引用元:『コトラーのマーケティング・コンセプト

簡単にまとめると、「たえず変化する人々のニーズを収益機会に転化すること」だと言っています。

また、マーケティングとは目の前の取引に固執することではなく、顧客との長期にわたる互恵的関係を築くことが大切だとしています。

ドラッカー氏のマーケティングの定義

マーケティングの定義でもう一つ知っておきたいのが、「マネジメント」の発明者とされる経営学者ピーター・ドラッカー氏による定義です。

マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。〜中略〜
マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。

引用元:『マネジメント[エッセンシャル版] - 基本と原則

ニーズにぴったりと合うものを顧客に提供して「販売活動を不要にすること」が、マーケティングの理想形だということですね。

そして次のように、マーケティングの定義は時代によって少しずつ変化していることも知っておくことが大切です。

マーケティングの3つの軸

コトラー氏によると、現在のマーケティングは次の3つの軸で展開してきたとしています。この3つの軸は、「マーケティング」という言葉が誕生した年代から、順を追うごとに追加されてきました。

  • 製品管理(1950年代〜)
  • 顧客管理(1970年代〜)
  • ブランド管理(1990年代〜)

マーケティングの誕生から現在までの時代の移り変わりを知ることで、マーケティングの目的の推移が分かるようになります。

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マーケティングの誕生と歴史的背景

産業革命

マーケティングは、19世紀にアメリカで生まれた概念です。

18世紀後半にイギリスから始まった蒸気機関の実用化による産業革命によって、アメリカでは製品の大量生産が可能になりました。

ところが、海外に植民地を持たないアメリカは、生産した製品は国内でしか販売することができず、どうやって需要の創造を図るかが重要な課題となっていきました。

不良在庫を抱えて経営を圧迫させないために、「どうやって効率的に販売するか?」を工夫するようになったんですね。

これがマーケティングの原型です。

マーケティングを研究したロバート・バーテルズ(Robert Bartels)博士によると、『商人の活動』を意味する動詞として使われていた「マーケティング」という言葉が、『ある職業に携わる者の業務内容』を示す名詞として最初に登場したのは、1905年のオハイオ州立大学のビジネスコースです。

マーケティングの進化

販売部門として扱われていたマーケティングは、その後、製造部門や財務部門にも広がり、1950年代にはマーケティングの概念が確立され、経営視点から企業全体の活動に大きく影響を与えるようになりました。

コトラー氏によると、マーケティングは時代が進むにつれて、次のように進化していると言います。

  • マーケティング 1.0:1900〜1960年代
  • マーケティング 2.0:1970〜1980年代
  • マーケティング 3.0:1990〜2000年代
  • マーケティング 4.0:2010年代〜

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マーケティング 1.0(製品中心)

マーケティング1.0

マーケティング 1.0とは、販売活動としてのマーケティングが誕生した1900年代から、マーケティングの概念が確立した1950年代〜1960年代までの「製品中心のマーケティング」を指します。

20世紀初頭に起こった電力の実用化による第二次産業革命によって、アメリカでは工業力が世界一位になり、大量生産・大量消費の時代を迎えます。

そのため、製品自体はマス市場に向けたものであり、マーケティングの目的は「コストを抑えて製品を作り、多くの人に販売すること」でした。「良いものを作って伝えれば売れる」ということが成立していた年代です。

製造業が中心であったために、マーケティングのコンセプトは『製品管理』でした。

マーケティング 1.0の成功事例

製品中心のマーケティングで成功した有名な事例が、1908年に発売されたフォードモーター社によるT型車の販売戦略です。

引用元:autowerld.com

このT型フォードは、高い完成度に加え、製品を単一車種に絞って生産することで圧倒的なコストパフォーマンスを実現し、約20年間に渡って売り続けることができました。

ヘンリー・フォード氏の残した言葉が、消費者に対して企業が優位な立場であったことを象徴しています。

「顧客は好みの色の車を買うことができる。好みの色が黒である限りは」

マーケティング 1.0に登場するフレームワークや用語

マーケティング 1.0に登場するフレームワークは、「売れる製品を作るための分析とマス市場に向けた宣伝方法」に視点を置いたものが伺えます。

1960年代には、マーケティング要素を次の4つのPで分析するフレームワークが普及して、製造業部門では欠かせない戦術として機能していました。

4P分析

  • Product(製品)
  • Price(価格)
  • Place(流通)
  • Promotion(プロモーション

1950年代

1960年代

マーケティング 2.0(消費者志向)

マーケティング2.0

マーケティング 2.0とは、1970〜1980年代に主流となった「消費者志向のマーケティング」を指します。

やがて先進国では、経済や技術の発展に伴い、生活に便利な製品が次々に開発されるようになりました。一方で、産業廃棄物による公害や食品添加物による健康障害などの問題から、消費者は「生活者」としての権利を主張するようになります。

そして、機能や性能については同じような製品が並ぶようになり、製品の機能をアピールするだけでは売れなくなっていきます。

さらに、1970年代に起こったオイルショックによる物価の高騰で経済は打撃を受け、需要を生み出すことがますます難しくなります。

時代の流れは、経済発展のための「生産者が中心」の世の中から、「消費者が中心」の世の中へと変化します。

消費者は自分のニーズを満たすために製品を選ぶことができるようになったため、マーケティングの目的は「いかに顧客を満足させて、つなぎとめるか」に変わりました。

マーケティングのコンセプトは、『製品管理』から『顧客管理』へとシフトします。

マーケティング 2.0に登場するフレームワークや用語

マーケティング 2.0に登場するフレームワークは、「顧客を満足させるための分析や顧客を絞った宣伝手法」に視点を置いたものが伺えます。

1970年代には、顧客と製品を「S・T・P」の3つの要素で分析して、競合他社との差別化を図ることが重要視されるようになりました。

STP分析

  • Segmentation(セグメンテーション)
  • Targeting(ターゲティング)
  • Positioning(ポジショニング)

1970年代

  • ポジショニング
  • 戦略的マーケティング
  • サービス・マーケティング
  • ソーシャル・マーケティング
  • ソサエタル・マーケティング
  • マクロ・マーケティング
  • STP分析
  • 5Forces分析
  • AMTUL

1980年代

  • グローバル・マーケティング
  • ローカル・マーケティング
  • メガ・マーケティング
  • ダイレクト・マーケティング
  • 顧客リレーションシップ・マーケティング
  • インターナル・マーケティング
  • バリューチェーン分析
  • 3C分析

マーケティング 3.0(価値主導)

マーケティング3.0

マーケティング 3.0とは、1990〜2000年代に始まった「価値主導のマーケティング」を指します。

1990年代初めには、第三次産業革命の一つとも言えるインターネットが登場したことで、世の中の状況に大きな変化が起こります。

それは、消費者が情報を自由に扱えるようになったことです。

インターネットで、人と人、または人と企業が簡単につながるようになったことで、口コミによる情報はあっという間に広がり、情報は希少なものではなくなりました。企業と消費者が、従来の縦の関係性から横の関係性へとパラダイムシフトを起こした年代です。

先進国では、商品・サービスの機能や性能が優れていることは当たり前になったことで、

  • 「この商品はどのようなビジョンで作られたのか」
  • 「環境や社会にとってどのような価値があるのか」

といった、商品以外の価値についても注目されるようになりました。

企業は「商品を作って売るだけの存在」から、「社会と顧客と良い関係性を築く存在」が求められるようになったんですね。

『この会社(ブランド)に関わると素晴らしいことがある』というブランド意識が重視されるようになったことから、世界中のマーケターはマーケティングの概念を拡大して、社会的価値にも焦点を当てるようになりました。

ブランディングの対象は顧客だけではなく、株主、従業員、取引先にまで及ぶようになったことで、マーケティングの目的は「社会や顧客と深く関わる企業活動」に変化します。

そして、マーケティングのコンセプトは、『顧客管理』から『ブランド管理』へとシフトします。

マーケティング 3.0に登場するフレームワークや用語

マーケティング 3.0に登場するフレームワークは、「顧客に好まれるためのブランディング戦略や口コミによる宣伝手法」に視点を置いたものが伺えます。

インターネットが普及し、2000年代にはソーシャルメディアが誕生したことで、SNSを通して顧客とつながる活動が重要視されるようになりました。

1990年代

2000年代

  • ROIマーケティング
  • ブランド資産価値マーケティング
  • 顧客資産価値マーケティング
  • 社会的責任マーケティング
  • ソーシャル・メディア・マーケティング
  • オーセンティシティ・マーケティング
  • 共創マーケティング
  • ストーリー・マーケティング
  • ESP
  • AISAS、AISCEAS
  • VISAS、SIPS

マーケティング 4.0(自己実現)

マーケティング4.0

マーケティング 4.0とは、コトラー氏が2014年頃に提唱した「自己実現のマーケティング」を指します。マーケティング 3.0の年代を考えれば、2010年代から始まったと考えることができます。

モノや情報が溢れるようになった現在の先進国では、人は自分の好きなことだけを追求できる時代になりました。それは自分にとって、もっとも精神的価値を感じるモノだけを選ぶようになったということです。

例えば、「クリエイティブ」に価値を感じる人は、WindowsよりもMacを手にすることで、自身が革新的な人間であることに誇りを感じることができます。「チャレンジ」に価値を感じる人は、リポビタンDよりもレッドブルを選ぶことで、自身が能動的であることに誇りを感じることができます。

商品・サービスの細かい機能や性能ではなく、その商品・サービス、ブランドがもたらしてくれる価値観を共有したいと感じる時代になったんですね。

ですのでこれからは、いかに顧客の理想とする価値観と、企業が提供できる価値観が合致するかが重要になっていきます。

ますます、ブランドが重要になる時代です。

そのため今後は、宣伝から商品・サービスを購入してくれた顧客の数を測るだけではなく、企業のファンになってくれた人の数を測るべきとも言われています。

2010年代に登場するフレームワークや用語

2010年代に登場するフレームワークは、「顧客一人ひとりに合わせた価値提供や宣伝方法」に視点を置いたものが伺えます。

今後はインターネットを介した商品・サービスが当たり前になった年代の購買層が増えることから、モバイルを使ったマーケティングが重要視されることが想定できます。

なぜマーケティング 4.0は自己実現?

なぜ、コトラー氏の提唱するマーケティング 4.0では「自己実現のマーケティング」になるのでしょうか?

これは、心理学者アブラハム・マズロー氏が提唱した『自己実現理論』が関係しています。

自己実現理論(欲求5段階説)とは

自己実現理論とは、人間の本質的な欲求は5段階のピラミッドのように構成されていて、低次の階層である「物質的な欲求」が満たされると、より高次の階層である「精神的な欲求」を欲するようになるというものです。

マズロー氏は、「人は “あるべき自分になりたい” という自己実現に向かって、絶えず成長する生きものである」と提唱しました。

自己実現理論(欲求5段階説)の図

マズローの自己実現理論(欲求5段階説)の図

  • 自己実現欲求 :あるべき自分になりたい
  • 承認欲求 :褒められたい、認められたい
  • 所属と愛の欲求 :集団に属したい・仲間が欲しい
  • 安全欲求 :安全、安心な暮らしがしたい
  • 生理的欲求 :食べたい、寝たいなど命を守りたい
マーケティングの理解をより深めたい場合は、「マズローの欲求5段階説とは?ストーリーでわかりやすく解説」の記事を併せて読んでみてください。

先進国ではクリエイティブ社会が到来

社会学者リチャード・フロリダ氏は、2008年に刊行された著書『クリエイティブ都市論』の中で、先進国ではクリエイティブ経済の時代に入ったと主張しました。

クリエイティブ経済とは、科学者・建築家・エンジニア・デザイナーなどや、ビジネス・教育・医療・法律などの職務の中で、クリエイティビティに関わる人たちが増えて、経済の中心となった社会を指します。

これを受けてコトラー氏は、クリエイティブ社会で暮らす人々は自己実現欲求に価値を置く傾向が強いことに注目しました。

そのため、マーケティングについても、人が本来求める「あるべき自分になりたい」という、自己実現欲求に焦点を当てる段階に到達したとしています。

マーケティングの進化と自己実現理論(欲求5段階説)の関係

大きく捉えれば、マーケティング 1.0〜4.0の進化の過程は、心理学者アブラハム・マズロー氏が提唱した『自己実現理論』と重ね合わせることができます。

コトラーのマーケティングの進化とマズローの欲求5段階説

マーケティング1.0〜4.0と自己実現理論の関係

マーケティングの進化と自己実現理論はどのように重なり合っているのか、僕なりの見解を順番に解説していきます。

自己実現理論の「生理的欲求・安全欲求」とマーケティング 1.0との関係

マーケティング1.0 と生理的欲求・安全欲求

マーケティング1.0 と生理的欲求・安全欲求

自己実現理論によると、人が一番最初に求める欲求が「衣・食・住」といった生活のインフラの部分です。生きるための食料を確保し、安全な住まいと生活を第一に考え、モノを所有・利用することで満足感を得る段階です。

1900年代〜1960年代までは世界各地で戦争が起こり、戦後は必要な物資が足りない時代でもありました。技術力はまだ乏しく、製品は基本的な機能を満たしただけのものでした。

人間として生活をするために、必要なモノ・便利なモノが求められていた時代です。

必要なだけのモノは、人はなるべく安く手に入れたいと考えます。ですのでマーケティング 1.0では、商品を規格化して生産コストを下げ、できるだけ安く提供することで「作って宣伝すれば売れる」ということが成立していたんですね。

ニーズとウォンツの違いと関係性とは?マーケティングでの使い方」の記事では、必要な(ニーズ)だけのモノが売れない理由を解説しています。現代の商品・サービスが売れる理由を知りたい場合は読んでみてください。

自己実現理論の「生理的欲求・安全欲求」とマーケティング 2.0との関係

マーケティング2.0 と生理的欲求・安全欲求

マーケティング2.0 と生理的欲求・安全欲求

1970年代〜1980年代になると、先進国では経済の成長に伴って、ある程度の製品が出揃うようになります。消費者は数ある製品の中から、より良い製品を選べるようになりました。

また、公害や健康障害などの問題に目が向けられ、「より安全な環境や製品」が求められるようになりました。

そのためマーケティング 2.0では、企業は機能的な価値について、いかに競合他社と違うのかを差別化するようになり、顧客を中心に考えた製品を開発するようになります。

自己実現理論の「所属と愛の欲求・承認欲求」とマーケティング 3.0との関係

マーケティング3.0 と承認欲求・所属と愛の欲求

マーケティング3.0 と承認欲求・所属と愛の欲求

自己実現理論では、生理的欲求・安全欲求が満たされると、集団に所属したいと感じたり、自分という存在をアピールしたくなるとしています。

モノを所有・利用すことで満足を得る段階から、精神的な満足を求める段階への移行です。

1990年代〜2000年代になると、インターネットの登場で人と人とが簡単につながるようになりました。その結果、精神的な満足感を味わえるSNSが次々に登場します。

精神的な満足は『感情』が大切

人と人とが交流する際に、もっとも重要なものが『感情』です。「面白い!」「楽しい!」「感激した!」といった感情を共有することで、人は絆を深めて精神的な満足を得ます。

また、同じような製品が2つあった場合は、より馴染みのある製品の方に感情が動きます。これは脳科学でも証明されています。そのため、ブランドイメージが重要な意味を持つようになりました。

ですのでマーケティング 3.0では、企業は機能的な価値よりも感情的な価値について訴え、人とのつながりや、ブランドを重要視するようになります。

自己実現理論の「自己実現欲求」とマーケティング 4.0との関係

マーケティング4.0 と自己実現欲求

マーケティング4.0 と自己実現欲求

自己実現理論では、承認欲求が満たされると「あるべき自分になりたい」という自己実現欲求を欲するとしています。

Facebook・Twitter・YouTube・Instagramなどをとおして承認欲求が簡単に満たせるようになった現在では、自己実現欲求を求めるステージにあると言えます。

人工知能(AI)とインターネットがつながる第四次産業革命の実用化が進めば、ますます世の中は便利になり、様々な判断や作業はAIがしてくれるようになります。

そうなれば、人は「自分が本当にしたいことは何か?」を常に意識するようになり、

  • 「自分らしくいられる存在」
  • 「自分を高めてくれる存在」

を強く求める時代になると予想できます。

顧客が理想とする価値観と、ブランドが持つ価値観がマッチすれば、顧客と長い付き合いができるということですね。

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マーケティング 1.0〜4.0 の歴史で分かること

歴史の流れを見てみることで、マーケティング 1.0〜4.0の目的の推移が分かるようになったと思います。

マーケティングは、販売に始まり、顧客管理を経て、ブランディングへと進化してきました。

ですので、売るためのセールスもマーケティングの一部であり、売れる商品づくりのための市場調査もマーケティングの一部であり、選ばれるためのブランディングもマーケティングの一部であるということです。

時代の流れを考えれば、先進国である現在の日本では、商品・サービスの機能的価値よりも、精神的価値の方が大切なことがわかります。

精神的価値とは、ブランド力を高めること(ブランディング)で提供できます。ただし、商品が持つ機能的価値が優れていないと、ブランドを高めることはできません。

選んでもらえるブランドを育てるためには、まずは顧客にとって魅力的な機能的価値が大切なんですね。

すべてがマーケティング 4.0である必要はない

時代の流れはマーケティング 4.0へ移行していたとしても、すべての商品・サービスが自己実現のマーケティングへ移行したというわけではありません。

それぞれのビジネスには段階があります。最終的にはブランディングが重要だったとしても、現段階ではセールスがもっとも重要かもしれません。

まずは、コトラー氏が示してくれているR-STP-MM-I-Cの5つのプロセスで、売れるためのマーケティングを確認してみてください。

マーケティングのプロセス「R-STP-MM-I-C

  1. Research:調査
  2. STP:セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング
  3. MM:マーケティングミックス
  4. Implementation:実施
  5. Control:管理

売れる商品をつくるために市場調査を行い、市場を細分化して狙うべき顧客層を絞り、競合他社と差別化を図るためにポジショニングを考え、実際に商品開発・販売を展開していきます。

狙うべき顧客層は、どんな価値観を理想としているのかを想定してブランディングを並行すれば、もっとも早く売上げに直結していくようになります。

マーケティングを深く学びたくなったら読んでおきたいコトラー氏の本

フィリップ・コトラー氏は、たくさんの素晴らしい本を書いてくれています。ここではその中から、3冊に絞ってご紹介します。マーケティングを深く学びたくなったら、ぜひ読んでみてください。

コトラーの戦略的マーケティング

マーケティング戦略について、丁寧に教えてくれる教科書のような一冊です。

マーケティング2.0の顧客志向の大切さについて書かれていて、マーケティング・プロセスの「R-STP-MM-I-C」を詳しく学ぶことができます。

コトラーのマーケティング3.0

マーケティング3.0の概念について書かれた一冊です。

企業が目指すべきビジョン・消費者へのミッション・社員に対する価値について、マーケティング3.0で必要になる「3iモデル」というコンセプトや、ブランディングに必要なマーケティングがわかります。

コトラーのマーケティング4.0

マーケティング4.0の概念について書かれた一冊です。

デジタル時代の顧客とどうやって深く結びつくのか、顧客のタイプによってどのように影響力を浸透させていけば良いのかを知ることができます。

\すぐに結果を出せる一冊!/クロージングの心理技術21-b3-12

まとめ

マーケティングとは、販売活動を不要にすることを理想にして、人々のニーズを収益機会に転化する活動のことです。マーケティングは、その概念が誕生して以来、『製品管理』『顧客管理』『ブランド管理』の3つの軸で展開してきました。

  • マーケティング 1.0 ⇒ 製品の機能的価値を訴えた時代
  • マーケティング 2.0 ⇒ 機能的価値の差別化を図った時代
  • マーケティング 3.0 ⇒ 顧客の感情的価値・ブランドの持つ社会的価値を訴えた時代
  • マーケティング 4.0 ⇒ 顧客の理想の価値観・精神的価値に訴える時代

自己実現理論を提唱したマズロー氏は、晩年に「階層は逆さまにするべきだった」と後悔していたと言います。つまり、人は根底に自己実現欲求を持っているということです。

ですので、あなたのビジネスではセールスが重要な段階だったとしても、お客さんの自己実現欲求を意識してマーケティングを展開することが大切ですね。

追伸

もしも「自分のビジネスではどんなWeb集客をすればいいの・・・?」という疑問があれば、当サイト(Web活用術。)の特別コンテンツを参考にしてみてください。

Web集客の成功講座
Web集客のはじめ方|知識ゼロから戦略を見つけて実践まで解説

「Webを使ってビジネスの売上を伸ばしたいんだけど、何をどうすればよいのかわからない・・・」もしもこんな悩みがあったとしたら、こちらの『Web集客のはじめ方』を最後まで読んでみてください。 あなたのビ ...

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高木浩一

心理学と脳科学が好きなマーケティング・Web集客の専門家/解脱しかけのゲダツニスト/ 大企業のマジメな広告デザインから男性を欲情させるアダルティな広告デザインまで、幅広い分野を経験した元グラフィックデザイナー。心理面をカバーしたマーケティングとデザインの両方の視点をもつ。個人が個人として活躍する時代に向けて「使えるマーケティング」をモットーに情報発信中。

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